
著者:斎藤千輪
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2022/01/11
出版社: PHP研究所
レーベル: PHP文芸文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-569-90182-4
今回もグルメ警部の舌と推理が冴えわたる! 話題のグルメ連作ミステリー第二弾。
シリーズ2巻目で、「謎の多すぎる高級寿司店」というサブタイトルが付いている。
「読書メーター」で「ナイス!」をいただき、多くの人がシリーズ化を望んでいたので検索してみたら、見事二巻目が出ていた。
冒頭作【謎の多すぎる高級寿司店】
客が滅多に来ない高級料理店のなぞ。
それにしても、カエデ、ものを知らなさすぎ。
肝心のなぞについては、店主の反応があからさますぎて、少々興ざめ。
【消えた宝石とオーガニック料理】
所用で学生時代の先輩の家へ赴いた久留米を、車中で待機していたカエデ。戻って来た久留米とともに帰ろうとするが、車がエンストを起こしてしまった。
仕方なくレッカー車が来るまでその先輩の家で待機することに。
ちょうどパーティーが始まるようで、二人はともに招かれる。
出てきたのはすべてオーガニック料理。
それをお邪魔虫であるにもかかわらず、食べる食べるカエデ。
本当にこの子の胃袋はどうなっているのだろう。
事件は盗難だが、途中で何となく解ってしまうのが残念だった。
続いて【ワイン蒐集家が遺した秘密の宝】
久留米の家の近くに住む当主が亡くなった。
遺された遺言が暗号で、久留米は頼まれて解読することに。
その話を聞きに家へ行ったときのランチは、特上のうな重だった。
遺児の兄弟は好き嫌いがヒドくて、二人ともが食べられるのはうな重しかなかったらしい。
当の遺言状からは、そのことを利用したことまで読み取れたのだった。
勝沼ワインのことは知っているが、ここで出てきたレストランは本物があるのだろうか?
本の最後に、「取材協力 シャトー勝沼」とあった。
ここで久留米は、父の息子への愛情について、実にうらやましそうに語っている。
そしてカエデには、その心情が痛いほど解るのだった。
最後の【唯一無二のバースデーディイナー】がよかった。
久留米の誕生日祝いをしようと、カエデは久留米家の家政婦や久留米の部下小林と一緒にプランを練る。
外国のミステリーた好きな警部に出した料理と同じものを食べた主人公を当てさせたり、色々趣向をこらす。
最後に出てきたパイは、幼い頃彼が当時の乳母のような存在の女性に焼いて貰っていた大好きなものだった。
実はこの女性こそ、久留米の実母で、彼女は今もヒッソリと彼のことを見守っている。
この女性アリスのことが少々思わせぶりに書いてあるが、本書の続きはあるのだろうか?
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