町田そのこ【コンビニ兄弟―テンダネス門司港こがね村店―】
著者:町田そのこ
価格:737円
カテゴリ:一般
発売日:2020/07/29
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-180196-4
あなたの心、温めます。
コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説
タイトルが【コンビニ兄弟】なのに、このコンビニにいるのはやたらモテる店長で、オーナーも兄弟ではないようだ。
個性溢れる登場人物ばかりだが、そのいずれも感じのいい人たちだ。
イケメン店長目当ての女子たちのさや当ては見苦しいが。
店長を守る(?)近所のおじいさん。
情報屋と称する男。
「何でも屋」をなのるうさんくさい若者(らしい)。
店はビルの一階にあって、上階はシルバーマンションになっている。
住民たちは、昼ご飯をこの店のイートインスペースでとる。それはすなわち安否確認にも繋がっている。
そして彼らや店長を見守る乙女(要するにおばさん)軍団。
これらが、パート店員を通して語られる。
彼女は密かに店長を主人公にしたブログ(マンガ)を書いていて、人気を博している。
バイトの大学生は、高校までしていたレスリングを止めてしまったという過去を持つ。
それは彼の、がたいからは想像も出来ない優しさから来ているのだったが。
第一話で、「兄弟コンビニ」命名の由来や、登場人物の詳細も明かされる。
第二話「希望のコンビニコーヒー」では、まんが家になりたいという夢かなわず、破れかぶれの暮らしをしている青年の話。
第三話「メランコリックないちごパフェ」
この手の女子高生の話はキライだ。女王然とした「何でも出来る子」がいて、取り巻きを顎で使っている。
母親同士が高校時代からの仲良しなので、その呪縛から抜け出せない梓。
だが、級友の一人の毅然とした態度を見て、自分を取り戻す。
ここで納得できないのが、母親の態度。
冒頭で父親が頼りないようなことを示唆しているが、最後に梓をしっかりと応援してくれた。
コンビニを中心とした大人たちのソッと見守る姿勢が心地よかった。
あとは、ほぼ同じようなエピソードが並ぶ。
なかなか楽しい本だった。
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