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2022.07.10

締野凪【今宵も喫茶ドードーのキッチンで。】

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著者:締野凪
価格:693円
カテゴリ:一般
発売日:2022/05/12
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-52570-0

心がくつろぐ連作短編集、開店。

 

ここの店主は「そろり」と言う。曽呂利 新左衛門にあやかっているのか(何を?)、それとも「そろりそろり」と動くからか(そのようには見えないが)。

そろりが工夫した飲み物や料理は、この店を訪れた「心が疲れたお客」たちを癒す。
店名の「ドードー」は、【不思議な国のアリス】にも出てくる絶滅した鳥。この命名の由来は何だろう?

時は2021年。梅雨から梅雨明けの暑い東京が舞台。
おりしも、東京オリンピック開始の時期とも重なる。

 

「ていねいな暮らし」といえば心惹かれるが、実はそれに振り回されて却って疲れているのではないか?
この第一話は、非常にうなずけるものだった。
「あこがれ」はあこがれのまま置いて行く方がいい。下手に真似する必要はない。
人は人、自分は自分が出来ることがある。

めっきり客が減った店でがんばる店主。気がつけば50代も半ばになっていた。
少ない従業員でやりくりしていたが、バイトの女子大生が神経を病んでしばらく休む。
必然的に店主である小夜子の負担が増え……

という第三話も、当時(今も?)よくある話だったろう。

 

そして、この小夜子というのが実は……。
と続いていく。

それぞれの話が少しずつつながっているのが面白い、と言えるし、ありきたりとも言える?

 

 

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