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2022.08.26

喜多川泰【運転者】

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著者:喜多川泰
価格:1,650円
カテゴリ:一般
発売日:2019/03/28
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
利用対象:一般
ISBN:978-4-7993-2450-9

報われない努力なんてない!

気持ちが温かくなる、良い本だった。
多分、初めての作家さん。

かなり売れているミュージシャンYUMEKAがラジオで自作を披露するところから始まる。この時点では現在より15年ほどけいかしていることは、後で分かる。

保険の外交員をしている修二には、妻と中学不登校の娘 夢果がいる。
夏休みのパリ旅行を楽しみにしていたが、契約者が20名も一挙に解約するという羽目に陥る。

払われたその分の保険料は、自分自身の負担になり、パリ旅行どころか明日の暮らしもおぼつかなくなるのだが、修二はそれを妻にも言えない。

自分ばかり不運だと嘆く修二の前に、一台のタクシーが止まった。

物語は修二の父のことにも及び、修二が生まれるずっと前に亡くなった祖父のことにも触れられてくる。

時代が行ったり来たりする部分もあるが、要するに「運がいい・悪い」といっても、それは過去の人から連綿と受け継がれてきたことが反映されているのだ。

途中でてくる「上機嫌、上機嫌」という言葉がいい。

 

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