
著者:奥田英朗
価格:616円
カテゴリ:一般
発売日:2014/06/25
出版社: 集英社
レーベル: 集英社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-745197-9
それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。
冒頭作【甘い生活】は、甲斐甲斐しい妻の待っている新婚の夫の葛藤。
クスリと笑えるというか、いつの間にか夫に肩入れする自分がいる。
男性同僚の無責任なアドバイスや、同期キャリアウーマンの適切な言葉に納得できる。
「犬も食わない」喧嘩が出来るようになってはじめて、一人前(二人前??)の夫婦かもしれない。
それにしてもこの妻の姿勢、うっとうしいことこの上ない。
【ハズバンド】
夫の会社であったソフトボール大会で衝撃を受けた妻。
「夫は仕事が出来ない人なのか?」という疑問から始まって、妄想は膨らむばかり。
しかも会社の業績は今ひとつで、リストラ対象になったらどうしよう。もうすぐ子どもも生まれるのに。
そこで考えた作戦が、何とおいしいお弁当を作ることだった。
手抜き感のない、かといって飾りすぎないお弁当。
もうちょっと劇的な変化があるのかと思ったが、少々肩透かしで終わった。
次の【絵里のエイプリル】は、高校生絵里の目線から両親を見る。
祖母が母と間違えて絵里に両親のことをベラベラ喋ったことで判った「もしかしたら両親は離婚?」疑惑。
ここで学校友だちに相談するというのが、ふしぎだった。
あとで弟も知っていたことが判り……、となるのだが、そのまま終わってしまった。
不消化感が残る。
他も、同じような話がつづく。
これまでの奥田作品よりは、面白いと思えなかった。
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