加藤実秋【メゾン・ド・ポリス2】
著者:加藤実秋
価格:748円
カテゴリ:一般
発売日:2018/10/24
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-107009-3
警視庁柳町北署管内の歩道橋で、男性の転落死体が発見された。
やがて明らかになる警察の闇。
そのとき、ひよりとおじさんたちがとった行動とは?
シリーズ6巻目を読んでから最初の頃のを読むと、登場人物たちの関係が元に戻ったようでちょっと戸惑う。
ひよりはとあるバーのバーテンがお目当てで、惣一郎のことはまだ苦手だと思っている。
また、夏目は警視庁を辞めた原因について、出世した後輩とのからみでかわいそうだ。
メゾンで雑用係というのも、(知らないが)現役時代を思えば可哀想な気がする。
段々判って来るのだが、そんな夏目がいざ事件解決というときは、一番冴えていて活躍する。
知ってみれば、ドラマで夏目を演じたのが西島さんだというのが大きい。つい、肩入れしてしまう。
ま、それもありか。
こうしてみると、伊達のひと言というのは随分効果があるとあらためて思う。
肝心の事件だが、
冒頭作【血痕を導き出す死者の声】では、お上の「働き方改革」が結局は弱い立場のものにしわ寄せが行ったという悲劇。
犠牲者の家族がこのあとちゃんと暮らせますように!
次の【錯綜する資産家女性殺人事件】は、倒叙ミステリーである。
犯人の女子大生の自己中な振る舞いには、本当に腹が立つ。
いやそれも、家族の勝手な振る舞いから受け継いだものだろうが。
この家族たちはどうしようもない人たちだが、一方誠意というのはキチンと示さなければ相手に伝わらない。
被害者の老女は気の毒だった。
とそれぞれ短編なのだが、夏目が警視庁を辞めたことも、ひよりの父の失踪も、ずっとシリーズ「1」を引きずっている。
ひよりが上司(夏目の元部下)の、夏目をスパイせよとの脅迫に屈しなかったのは爽快だった。
彼女は、少しずつ夏目のよさを理解して行っている。
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