宮部みゆき他【涙と笑いのミステリー】
著者:宮部みゆき・光原百合・阿津川辰海
価格:1,760円
カテゴリ:小学生
発売日:2022/02/21
出版社: 汐文社
利用対象:小学生
ISBN:978-4-8113-2913-0
読む人の感情を揺さぶる名作ミステリーを収録したアンソロジー。
冒頭作【サボテンの花】は、著者の短編集で読んだ。
ニフティのパソコン通信があった頃、著者のフォーラムでも人気の作品だった。
再読しても、ほのぼのした気持ちになる。
6年生の子どもたちに「わたしの夢」というお題で作文を書かせたとき、みずからの夢は「この世に一つしかない酒があるなら、飲んでみたい」と言って、子どもたちには受けたが教師たちの顰蹙を買ったというところでは、吹き出してしまった。
こんな教頭先生、いいなぁ。
次の【橋を渡るとき】は、光原百合。【時計を忘れて森へ行こう】が大好きだった。
「歩く姿は亜愛一郎」と妹に言われた、大学生の「ぼく」が語り手だ。
関西が舞台で、なじみやすい。
「ぼく」が阪急電車の駅で同期生と出会い、彼女の恐怖の種を解明するというもの。
六甲山口から新大宮まで、より早い電車に乗り換えながら、彼女の態度から怖がっているものを見抜き、(想像だとは言いながら)解決していった。
なかなか楽しい探偵さんだった。
最後の阿津川辰海という方は初読み。【六人の熱狂する日本人】というタイトルだ。
「十二人の怒れる男」を連想させるが、日本でもかなり馴染みが出来た裁判員制度を扱っている。
六人の意見が一致しかけたところで、ちょっとしたことからそれを覆す意見が出て、今度はそちらへ流れていく。
最後は予測が付いた。
しかし、アイドルオタク、恐るべし!
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