村山由佳 他【猫はわかっている】
著者:村山由佳 他
価格:759円
カテゴリ:一般
発売日:2021/10/06
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-791769-2
現代を代表する人気作家たちが、猫への愛をこめて書き下ろす猫の小説集第二弾!
有栖川有栖が読みたくて、こんなアンソロジーをば。
表紙絵の猫に反応したのであることは、言うまでもない。前回の【猫が見ていた】と同じ猫だな。
購入して正解だった。
何と学生アリスものだったのだ。
江神さんも出てくる。
マリアが邪魔だが、彼女が事件を持ち込んだのだから、そこは我慢。
タイトルの【女か猫か】は、イケメン作詞家の頬をひっかいた犯人はどちらかというところから。
だが、肝心の猫は登場しない。
謎としては小粒だが、江神さんの下宿やちょっとした生活ぶりも分かったし、これだけで本書はおわりにしてもいいかも。
冒頭作に敬意を表して読んだ村山由佳【世界を取り戻す】が、よかった。
小さな雑誌社の副編集長をしている「私」。
夫と息子・娘の三人暮らしは、うまく行っている。
「私」の言を俟つまでもなく、この息子はいい子だ。
「私」には、子どもの頃飼っていた「チイ」という猫の死に目に会えなかったという哀しみがある。
それが、飼い主に動物病院に置き去りにされた老猫を引き取らせたのだろう。
「猫は一生に一度だけ人間の言葉を話す」とか。この猫は、ひと言遺して息を引き取った。
猫を見てくれた動物病院の院長もいい人だった。
最後のものをと読み始めた【幸せなシモベ】は、途中で放り出した。
大体この「猫のシモベ」というのがキライだ。
うんと可愛がるのは勝手だが、その様子を他人に(小説やyoutubeで)知らせるのはうざったい。
そういう意味で、【ホテルクラシカル】のマダムという猫もキライだ。
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【猫が見ていた】(20.10.03)
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