はらだみずき【海が見える家】
著者:はらだみずき
価格:715円
カテゴリ:一般
発売日:2022/10/06
出版社: 小学館
レーベル: 小学館文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-09-407187-0
のこされたのは、丘の上の海が見える家。
「あなたにとって、幸せとは何ですか?」と穏やかに問いかけてくる、著者新境地の感動作!
まず、表紙絵がいい。
このところ内容を壊すような表紙が多かったので、これに惹かれた。
大学を出て石化津就職したところがブラック企業で、文哉は辞めてしまう。
次の仕事も見つからないまま、突然疎遠にしていた父の訃報を聞く。
父には3年前に会ったきりだった。
遺品整理のために晩年父が暮らした南房総へ出向いた文哉は、次第にその土地に惹かれていく。
東京から通いで家を整理している内に、徐々に父が暮らした頃が見えてくる。
意外や、世話好きで近所の人に慕われていたのだった。
別荘番を務め、別荘族と地元民との橋渡しもしていたとか。
サーフィンをしていたとか。
若い頃の恋人の忘れ形見にも、手を差し伸べていた。
少しこの地に馴染むようになるまでに、物語の4割ほど経っていた。そして、しばらく滞在して父の姿が少し判りかける頃には、9割くらい進んでいた。
最終的にはこの家に残り、文哉が「海が見える家」で暮らすことになる。
営業的なことは苦手でも、手足を動かして人のためになることを丁寧にする彼にとって、これからも穏やかな暮らしが続きますように。
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