平野威馬雄【新版 レミは生きている】
著者:平野威馬雄
価格:880円
カテゴリ:一般
発売日:2022/08/10
出版社: 筑摩書房
レーベル: ちくま文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-480-43832-4
ぼくは「日本人」じゃない? 生涯「混血児」を救い続けた文学者の青く切ない自伝小説。今こそ読みたい名著復刊!
料理愛好家、平野レミさんの父上の自伝的小説。「復刊」とあるように、最初はかなり昔の出版らしい。
Wikipediaなどの著者略歴も、多く本書から取っているようだ。
横浜という(勝手な推測だが)かなり開放的な土地にあって、なおこの差別があったのかと唖然となる。
小さい頃からの謂われなき差別に苦しみ、戦争中は特高に引っ張られもした。
戦後、彼らが物資をいっぱい持って来て自分たちが何とか罪を逃れようとした姿勢には呆れてしまう。
「あいのこ」問題は戦後も続き、いや戦後進駐してきたアメリカ兵との子どもたちの悲劇は、より悲惨だったのかもしれない。
著者はそれに心をくだき、「レミの会」という組織を作って手を差し伸べる。
当時家には常時その子たちが来ていて、妻や子ども(平野レミさん)は一生懸命料理を作っていた。
平野レミさんは、自分が料理好きになったのは、この頃のことが大きいと解説に書いていらっしゃる。
一方、著者はその生い立ちのこともあって、かなり奔放な暮らしをしてきたようだ。
戦争中に苦労をともにした妻や子を捨てて、レミさんたちの母親と再婚したのかな?
戦争中は、すでに再婚後かな?
そのあたりは、よく判らなかった。
日本が好きで、ずっと着物で通し、京都訪問が好きだった著者。
外国へ行ったのは、レミさん夫婦が新婚旅行で著者の父上の墓を見つけてくれてからだという。
そして自身は、横浜の外人墓地に眠っておられる。
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