原寮【天使たちの探偵】
著者:原寮
価格:858円
カテゴリ:一般
発売日:1997/03/01
出版社: 早川書房
レーベル: ハヤカワ文庫 JA
利用対象:一般
ISBN:4-15-030576-5
沢崎の記念すべき短篇初登場作「少年の見た男」ほか、未成年者がからむ六つの事件を描く連作短篇集。
「読書メーター」で過去記事の本書に「ナイス」が幾つもついて、再読したくなった。
未成年が沢崎に仕事を依頼する話ばかりではない。結果的に調査することになったものも含まれる。
仁木悦子の御影探偵にも、この手の話があったような。
著者のちょっと洒落た言葉が好きで、今回も見つけるたびにニヤッとしている。でも、こんな言葉の綾は通じにくくなっているような気もする。
ここでは未成年(天使たち?)に遠慮してか、新宿署の錦織がややおとなしかった。
だが、「天使」と呼ぶにはあまりにも遠い未成年も多かった。
冒頭作が、一番好きかな。
その冒頭作【少年の見た男】
この少年のことは、少しだけ覚えている。
聡明で、家族思いの子だ。
【子供を失った男】
子供を事故で失った音楽家が、自分の過去を脅迫されているのではとおびえる話。
【二四〇号室の男】
この被害者は、最低な男だ。
著者はそれを、
キャデラック”エルドラド”に乗った依頼人だけはお断りだ。
と表現していらっしゃる。
【イニシアル"M"の男】
芸能界で、翻弄された少女。
経営側は商魂たくましく、何でも利用する。
【歩道橋の男】
依頼者の調査の結果を本人では無く家族に知らせ、しかもそれをネタに金を貰っている探偵。家族も、遺産が減ることを恐れている。
など、ほぼ全員が金の亡者と化している。
最初の依頼人が、唯一まともだった。
【選ばれる男】
選挙か自分の信念か。信じていた参謀に裏切られたのは辛かっただろうな。
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