天祢涼【葬式組曲】
著者:天祢涼
価格:825円
カテゴリ:一般
発売日:2022/11/08
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-791960-3
20代の女社長が率いる北条葬儀社には、ある「変わった」一面があった
冒頭作【父の葬儀】の父親は、あまりにも自分勝手だ。
杜氏という仕事に関しては尊敬される存在ではあったが、人物としては最低だった。
その真意を見抜けとは、あまりにも自己中心的な考えではないか。
そのために多くの人(息子二人はその最たるもの)を傷つけている。
あまりスッキリしない話だった。
【祖母の葬式】は、親代わりで育ててくれた祖母を失った新見が、大学を出てから葬儀社に勤務してからの話。
少々オカルトめいた依頼者は、火を極端に嫌っていたが、その理由は。
何だか怪しげな宗教も登場するし、人物入れ替わりという、これまたあまりあり得ない話。
【息子の葬式】では、わずか7歳の息子を交通事故で亡くした母親の、少々狂気じみた行動が語られる。
ここは、葬儀場の職員の視点からだが、相変わらず葬儀社の餡子はちょっとした相手の言葉から小さな謎を見つけ出す。
全編通して、語り手も何らかの葬儀を体験しており、その時とおなじ状態(祖母であったり息子であったり)が語られるという形を取っている。
最後の【葬儀屋の葬式】では、これまでの雰囲気をガラリと覆してしまった。
こんな終わり方でいいのだろうか?
それに、いわゆる犯人の意図が今ひとつ掴めないままだったし。
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