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2023.02.28

ほしおさなえ【紙屋ふじさき記念館 6 結のアルバム】

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著者:ほしおさなえ
価格:748円
カテゴリ:一般
発売日:2022/11/22
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-113179-4

未曾有の感染症が世界に広がり、記念館の閉館セレモニーは中止。百花もリモート環境で大学の卒論制作と就活が始まった。

 

前巻【春霞の小箱】では、世界的な感染症の発生で記念館が閉じてしまうところまでだった。

今回は、そんな中で4年生になった百花たちの日常を描いている。

2020年は、初めてのことで色々大変だったなぁと思い出す。
学生もリモート授業に慣れておらず、百花も意外とその辺の知識がない。まして教授たちはもっと大変だったようだ。
ニュースなどでそういうことは目にしていたが、現場は本当にひどかったのだろう。

しかしこれも一時的なことでは終わらず、今も形を変えながら続いている。

そんな中での、百花たちの過ごし方を中心に、話は進んでいく。

何よりも、卒論のテーマを決めて、書き始めなければならない。
また、紙屋藤崎への就職を希望しているが、なかなか連絡が来ない。
一学年下の松下さんの動向も、気になる。

リアルで会えないことで、色々鬱屈していく気持ちを整えるのも大変だ。

そういったことを、

【手漉き和紙見本帳】

【わたしたちの日常】

【結のアルバム】

の三つの話で語られていく。

 

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2023.02.27

加藤実秋【警視庁アウトサイダー The second act 1】

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著者:加藤実秋
価格:748円
カテゴリ:一般
発売日:2022/11/22
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-113114-5

秘密を抱えた凸凹トリオが織りなすノンストップ警察小説!

 

ホントに「ノンストップ」だわ。どこまで続くのか?まもなく続刊も出るらしいし。

【警視庁アウトサイダー 3】は未読なのだが、ドラマでは水木直央が登場しているので、こちらを先に読み始めた。

ドラマとは違う設定で、総監の娘ではない。
だが、祖父が退職したえらいさんで、この辺りに何かありそう。血のつながりはないと言うが……。

ドラマの直央はどうしようもない感があるが、原作は割合まともだ。

結局、今回は黒幕を隠すのではなく、羽村の情報でズバリ名前を明らかにしている。
かれこそが、多摩地方の天下り場所建設のトップだった。

 

【第一話 ニューフェイス・ラプソディ】

【第二話 或る約束】

ここでの、直央の小さい子どもへの「約束」はよかった。

【第三話 我らが仲間】

架川の、一旦はぐれても必ず更生させるという姿勢は尊い。

 

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ドラマ「三千円の使い方」最終回

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前回と今回は、原作とは随分ちがった。

翔平の教育ローン返済は、美帆の両親の提案(実際には祖母琴子の案)が受け入れられ、メデタシメデタシに。
野放図な翔平の両親だが、それがあったればこそ、翔平の今があるのは間違いないのだから。

和彦はかなりおいしそうな料理を作れるようになっているし、太陽と真帆には第二子ができた。

唯一御厨家関係以外で登場した安生のもとには、きなりが戻って来て幸せそうだ。

 

そして、夢が叶って犬の散歩をしている美帆と翔平の姿で終わっている。
勿論、家も購入しているのだろう。

最初と同じく、歌を歌いながら。
ドラマの最初で、この、歌から始まっていることに馴染めなかったのを、思い出した。

まぁ、最終回というのは、こんなものか。

 

画像は、4年前の2月25日。阪和線「くろしお」の運転席。

 

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2023.02.26

有栖川有栖【論理仕掛けの奇談 有栖川有栖解説集】

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著者:有栖川有栖
価格:990円
カテゴリ:一般
発売日:2022/03/23
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-112174-0

本格ミステリのプロフェッショナルが愛をこめて執筆した、国内外の名作に寄せた解説集! 優れたミステリ・ブックガイドとしても最適の1冊。

 

他作家の解説集ということで、有栖川有栖さんの独特の見方を知りたくなった。

本書を読んで未読の本を手に取って貰えればと仰っているが、既読本の解説を読むと再読したくなる。

特に圧倒されたのが、松本清張著【点と線】の解説。

中学生の頃読んだときの話は面白かった。ケチョンケチョンにけなしておられるのだが。いわゆる本格派としては、粗ばかりが目立ったのだろう。
自分が初めて読んだのは20代に入ってからだと思うが、「移動方法」についての無知ぶりなど、同じように感じた部分はある。
だが、なんといっても、自分にとっては聖典的存在の本書。著者が認識をあらためられたのが、素直に嬉しい。

 

連城三紀彦【暗色コメディ】、篠田真由美【原罪の庭】、クリスティー【オリエント急行の殺人】、坂木司【仔羊の巣】、クイーン【Xの悲劇】と、他にも再読したいもの山積みで、新しい本には手が出そうにない。

再読を決めた本

【Xの悲劇】エラリー・クイーン

【暗色コメディ】連城三紀彦

【原罪の庭】篠田真由美

【オリエント急行の殺人】アガサ・クリスティ

【仔羊の巣】坂木司

【ローマ帽子の謎】エラリー・クイーン

 

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2023.02.25

ドラマ「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郞の憂鬱」第6話

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今回は、色々動きがあった。

星太郞が父親の遺品整理をしているとき、「ちゃんと捨てておいてくれよ」というのに対して航が「何事も先送りにしていてはダメだ」というのがおかしかった。

しかしこの言葉が、このあと星太郞の気持ちを後押しすることになる。

田中が主催して開かれた担任の定年を祝う同窓会に、元カノが出席していた、しかも結婚・妊娠していたと知って動揺する星太郞。
彼女は、父に線香を上げに来てくれた。

また、ひかりから頼まれて1枚だけ残していた母親の写真を、彼女に見せる。ひかりは「お父さんの秘密が判った」などとつぶやくが……。

 

自分が元カノに振られたのは、自分ではそのつもりだった結婚について、ちゃんと伝えなかったからではと、今さらながら気がつく星太郞。

星太郞は、母親を探す決意をする。今度は先送りしないで。

 

また、たまに出てくる坊やが星太郞の自転車の前に現れるが、彼はそのあと消えてしまう。
やっぱり、9歳児の星太郞ではないのかなぁ。

 

今回は、茨木市の花火大会から、画像をお借りしました。

 

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2023.02.24

斎藤千輪【グルメ警部の美食捜査 3 美味しい合コンパーティーの罠】

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著者:斎藤千輪
価格:836円
カテゴリ:一般
発売日:2023/01/12
出版社: PHP研究所
レーベル: PHP文芸文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-569-90266-1

今回も謎とグルメがとまらない! 大人気飯テロ×ミステリー第三弾!

 

警部のグルメぶりが楽しい、シリーズもの。この警部は私生活では「楽しく」過ごせているとは思えない。それが二巻目で一層明らかになり、何となく目が離せないようになった。

お供できたら、いいだろうなぁ。

 

冒頭の表題作【美味しい合コンパーティーの罠】

合コンパーティーの人数あわせに誘われた警部についていったカエデ。
二人は、女性たちの一人に、結婚詐欺に遭ったので捜査してほしいと依頼される。

カエデが初めての体験をするのを、警部はソッと見守ってくれている。

最後、その警部をソッと見守っている実母に「母の日」のプレゼントをする予定の警部。
何不自由なく育てられても、やはり心は満たされていない。美味しい食事を作ってくれる家政婦さんがいるのに、家ではあまり食事をしたくない警部。

 

今回も、カエデの食欲は旺盛だった。

【老舗鰻屋から消えた秘宝】

コスパを落としてはいるが美味なうな重を提供する店と、格式ある店のたたずまいが自慢の店。

その息子と娘が恋をして……。

ウナギ版「ロミオとジュリエット」は、父親たちの意地の張り合いがもたらしたものだった。
だが一方で、お互い尊敬し合ってもいたのだ。

母親同士は、高校時代の同級生だった。

こうした関係がいい方向に行って、ほのぼのとしたいい終わり方をした。

【失踪事件はランチ会のあとで】

先の「うな重」の話しとは違い、こちらは後味があまりよくなかった。

配偶者がそれぞれの世界で成功している人の、夫人たち。プチセレブな彼女らは、ランチをインスタに挙げていることから知り合い、定期的に仲良くランチ会をしている。

「仲良く」は表面上で、心の中では何を思っているのか。

中にはどす黒い動機から、仲間を「奈落に落とす」ものまで出てきた。

 

でも最後に、警部が実母にプレゼントしたものに、心動かされた。
いつの日か、母子が正々堂々と一緒に食事が出来ますように!

 

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名探偵ポワロ「謎の遺言書」

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ポワロは、友人アンドレに招待されて、邸に行く。
アンドレは、遺言状の書き換えを望んでおり、ポワロに執行人を依頼する。
しかしその時電話がかかってきて、アンドレは死地である離れへ呼び出される。

 

という肝心の事件の方は忘れていたが、女性の地位向上についての話が興味深かった。これについて激しい論戦がくり広がられているが、撮影も、このケンブリッジ大学の伝統あるディベート・クラブで行われたのだとか。

 

ドラマは、冒頭、10年前のアンドレの遺言書作成から始まる。
この様子を部屋を見通せる階段から見ていた3人の少年少女のことは、覚えている。いずれも出席者の子どもたちだが、バイオレットだけはアンドレが後見しているという立場だ。
そして、女の子だからと言う理由で、彼女には一切遺産はない。

 

10年後、子どもたちは立派に成長している。大学では、女性の地位向上についてのディベートが行われ、男女の差について保守的な意見を述べて拍手喝采を得たアンドレだが、実はバイオレットの実力を認め、彼女に全遺産を残すつもりだったのだ。

 

バイオレットの父母が誰かということが最大のキーになるのだが、今回もミス・レモンの調査能力の高さが発揮された。

 

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2023.02.23

加藤実秋【警視庁アウトサイダー2】

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著者:加藤実秋
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2021/12/21
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-111245-8

都内のアパート建設予定地で、白骨化した男性の遺体が発見された。暴力団関係者と思しき男の所持品にはなんと、刑事課長・矢上の名刺が。元マル暴刑事・架川とエース刑事・蓮見が辿り着いた切ない真相とは?

 

結局「1」に続いて読む羽目に。

 

【一枚の名刺】は、定年まで5年になった、桜町中央警察署の捜査一課課長矢上のことが中心になる。
彼の名刺が、白骨遺体のポケットに入っていたからだ。

矢上は、自ら架川や光輔と一緒に捜査に当たる。

被害者は、矢上の名刺をお守り代わりに持っていたことが判る。
しかし、更生するのはなかなか難しいことだと判る。

光輔の父も、自分が関わった事件の被害者の息子を更生させようとして、逆に陥れられたとも言える。

 

途中、前巻で架川や光輔をスパイしていた若井が登場。今度は何を狙っているのか?
と勘ぐったが、単なるアクセントであったようだ。むしろ架川たちが出入りしている居酒屋の常連になっている。しかし彼女のファッション感は、重要なヒントになった。

 

また、前巻最後で「組対」の上層部が一人の男に、架川と光輔を見張れと命じていたのも気になる。

結局何も解決せず、話は3巻目へとつづく。

 

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ドラマ「パンとスープとネコ日和」

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【パンとスープとネコ日和】の話を知人としていて、アマプラでドラマが観られると知った。

ちょうど10年前の夏、WOWOWで4週連続で放映していたらしい。

アキコは、「かもめ食堂」にも出ていた小林聡美さん。こちらもアマプラであるので、いずれ観よう。

アルバイトのしまちゃんは伽奈さんという  モデルさんらしい。大柄で朴訥で、まさにしまちゃんそのものだった。
そして向かい側にある喫茶店のママが  もたいまさこさん。ピッタリだ。

物語は、ほぼ原作どおりだったが、たろちゃんは後から拾われてきて、またいつの間にかいなくなった。
死なれるよりは、いつかまた帰ってくるかなと思えるのが救いなのか?このニャンコ、ちゃんとタレントとして「のぶりん」というクレジットが出ていた。たしかに、演技力抜群の子だった。

もう一人、腹違いの弟かもしれないお寺の住職がいい感じだったが、この方は僧衣の方が似合っている。

 

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【パンとスープとネコ日和】(23.02.20)

 

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2023.02.22

荻原浩【海の見える理髪店】

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著者:荻原浩
価格:638円
カテゴリ:一般
発売日:2019/05/17
出版社: 集英社
レーベル: 集英社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-745872-5

父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族の小説集。

 

短編集、第155回直木賞受賞作だという。

冒頭の表題作【海の見える理髪店】では、「ぼく」がはるばる評判のいい理髪店へ行くところから始まる。

その理髪店は、椅子の前の鏡に反対側の窓から見える海が映っているのだ。

ハサミを持った店主は、いわば堰を切ったように自分語りを始める。まさに一代記だ。

そして最後に明らかになる、驚愕の事実。
その少し前から「もしかしたら」という思いは浮かぶのだが、まさにこの日のために、店主は細々と営業していたのか!

 

【いつか来た道】

母親と仲違いして家を出ていた娘が、弟からの連絡で実家へ帰る。
母はやや認知症気味だった。

でも、こうした、子どもを支配したがる母親ってキライだ。
自分の母もこういう傾向があったから、徹底的に反抗的になってしまった。

母と娘というのは、相容れないことが多いのだろうか?

【遠くから来た手紙】

これも、夫の態度に我慢ならず、小さい娘を連れて実家へ帰った女性。

しかし実家は、すでに弟夫婦のものだった。
自分の部屋だったところも、弟たちの居間になっている。彼女はしかたなく、仏間で寝起きする。
元の部屋にある机に隠していた、独身時代の夫の手紙。

実際には夫からの連絡はなく、奇妙なメールが来る。
そしてそれは、戦死した祖父から祖母へ宛てた手紙のようだった。

「遠くから」とは、その世界を指している。

【時のない時計】

父親の動かない時計を持って、街の時計屋に赴いた男。

果たして修理代に値する品物だったのか?

【成人式】

これには泣けた。

親にとって、子どもを失うほど悲しいことはない。
この夫婦がなかなか吹っ切れないのも、非常によく判る。しかし、まだ5年だ。5年が20年になったから癒されるというものではない。

亡くなった娘は、成人式を迎える年になった。
あろうことか、二人で出席することにする。衣装も髪型も二十歳らしくして。

途中参加を躊躇するものの、娘の同級生たちの気配りで参加した。
参加してよかったかどうかは微妙だが、少なくとも参加せずに公開するよりは、マシだろう。

 

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有栖川有栖【スイス時計の謎】

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著者:有栖川有栖
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2006/05/16
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:4-06-275387-1

ご存じ国名シリーズ第7弾、これぞ本格だ!

 

国名シリーズは最初から読み返そうと思っていたのに、本書は7番目だったのか。

短編集で、表題作は最後に位置している。
全部で4編。その半分ほどを【スイス時計の謎】が占めている。

既読感があったのだが、やはり読んでいた。いや、うん十年前の初読ではなく、【名探偵傑作短篇集 火村英生篇】にあった。

大阪の夏の酷暑ぶりを描くのに、「かつてオリンピック開催地に立候補していたが、この大阪でオリンピックをすれば云々】という箇所があり、2021年の東京を思い出して苦笑してしまった。

他には、

【あるYの悲劇】

「Yの悲劇」をテーマにしたアンソロジーの一篇。著者が一番好きなのがクイーンの【Yの悲劇】とのことだ。
デビュー作【月光ゲーム】にも、「Yの悲劇」というサブタイトルが付いている。

 

【女彫刻家の首】

おうっ!当地が舞台になっている。この、駅からかなり歩いた辺りというのは、多分知っている。ひょっとしたら京都府に入る隣駅からの方が近いあの場所では……?
駅前の喫茶店というのは、どこだろう?今はすっかり様子が変わってしまっているが。

容疑者たちの最期は何とも無残なもので、後味はよくなかった。

 

【シャイロックの密室】

国名シリーズには一篇は倒叙ものを入れるとのことで、本書ではこれにあたる。

しかし被害者の悪徳ぶりはひどく、犯人に同情の余地ありとも思うのだが。
しかし火村はどんな殺人にも、冷たく相対する。

 

【スイス時計の謎】

被害者や関係者は、アリスの高校時代の同窓生だった。

珍しい名前で高校では有名だったアリスだが、違う意味で有名だったのが、被害者とそのグループの面々だったのだ。
鼻持ちならない優等生たちで、アリスとは距離があった。

大学卒業後も2年に一度顔を合わせていた彼らだが、被害者は順風満帆とはいかず、言わば落ちこぼれていた。

最後の、カフェでの謎解きは何となく覚えている。被害者の悪徳ぶりが明らかになって、同情できなかった。

 

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名探偵傑作短篇集 火村英生篇】(21.10.14)

 

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2023.02.21

標野凪【本のない、絵本屋クッタラ】

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著者:標野凪
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2023/02/02
出版社: ポプラ社
レーベル: ポプラ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-591-17696-2

ほっとひと息つける連作短編集

 

変わった本だ。

最初の語り手は、八木。ヤギ。

八木は名字や駅名・地名だが、ヤギは動物の一種だ。目で読むと同じだが、発音するとアクセントが違う。

始めは普通に、八木という青年(?)が語っているのかと思った。
住んでいるのは、二階屋。その一階部分がカフェで、八木の居住部分は二階だ。

共同経営者の奏は、近くのマンションに住んでいて出勤してくる。
客が来ると奏が裏戸を開き、八木は「客の目に触れぬよう」裏庭へ出る。

その前にも、外階段を使って道路から直接二階へ上がれ、客と顔を合わせなくてもすむという表現があり、「??」と思った。
また、ちぎったカブの葉っぱをそのまま喜んで食べる八木にも「??」。

やがて八木はヤギだと判るのだが……。

 

物語そのものは、毎回客が持ち込んでくるテーマに沿った本を選ぶ、という形式を取る。
話しをする間、スープが供される。
店に本があるわけではないので、客は古書店から届いてのを取りに来る必要がある。

 

という設定で、6編の短編が紡がれる。

スープとして提供される北海道の食材が、何ともおいしそうだ。

 

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【今宵も喫茶ドードーのキッチンで。】(22.07.10)
この本には、随分心が癒されたっけ。

 

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名探偵ポワロ「黄色いアイリス」

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これも、何度か観ている。

軍政下のブエノスアイレスでの、ポワロの屈辱的な体験が語られる。

二度目の晩餐会時の、ポワロの企みも覚えている。

しかし、ポワロとヘイスティングスがラッセルの会社に行ったとき、後ろに墨書の掛け軸があった。いや、以前にも書いたかな?

ポワロはイギリスの食事が嫌いだ。しかし真夜中までかかった出来事の後、ヘイスティングスが調達してくれた食べ物(あれは何だろう?)を仕方なさそうに食べている姿がおかしかった。

 

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2023.02.20

群ようこ【パンとスープとネコ日和】

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著者:群ようこ
価格:565円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2013/07/11
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-3762-2

泣いたり笑ったり……アキコの愛おしい日々を描く傑作長編。

 

多分、著者の小説を読むのは初めてだと思う。
面白くて、一気に読んでしまった。

アキコは、急死した母の店を継ぐため、出版社勤務を辞めてしまう。
しかしアキコが目指したのは、母の店の継承ではなく、まったく違う形の店だった。アキコは、母と常連たちが閉店後もダラダラと飲み食いして過ごすのが、子どもの頃からキライだったのだ。

母は、自分にとって反面教師だった。

新しくオープンした店のメニューは、「日替わりのサンドイッチとスープ」だけ。値段はランチ代としては高めの、1000円だ。
しまちゃんという願ってもないアルバイトも見つかり、まずは順調に廻って行けそうだ。

しかし逆に、これまでの常連たちには来にくい店になり、また向かい側にある喫茶店の店主からは、しょっちゅう嫌みを言われる。

もう一つ、母はシングルマザーだったのだが、実の父についてお節介な情報も入り、アキコは戸惑う。

更に重要なことを書いてなかった。

同居している「たろ」というニャンコ。アキコが店を出したので、昼間は店の3階にある居宅で「お留守番」生活になった。
もっとも会社員時代の方がもっとアキコが家を空けている時間が長かったはずだが、その頃は母がいた。

このたろちゃんがかわいい。
著者も猫を飼っていらっしゃるようで、その思いがもろに伝わってくる。
悲しいお別れのことも、ご自身の体験かもしれない。

ニャムのことを思い出した。

 

著者は、【かもめ食堂】を書いた方だった。読んでみようかな。

 

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2023.02.19

新しいパン屋さん

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比較的近所に、新しくパン屋さんが出来た。

娘からの情報で知ったのだが、摂津方面で展開しているチェーン店のようだ。

開店日には朝早くから長蛇の列だったとか。

先日病院帰りに、寄ってみた。
時間帯が悪かったのか、夕方近いし寒い日だったのに「入場制限」などしている。
店内にあるカフェも満員だ。若い女性客が多い。大学からの帰途でもある。

食パンが切れていたので食パンと、次の日の昼食用の「粒あんパン」と「クロワッサン」を購入。

食パンはおいしかったが、クロワッサンは少々残念な味になっていた。

 

もう40年来頑張っているパン屋さんがある。

当時からあるユニークな名前のパンも、健在だ。食パンも「専門店」のものに遜色ない。塩パンやメロンパンは、よく次の日用に購入しているのだが、まったく味がおちていることはない。

また、いつもお客が多い。こちらはおばさんやおじさんがメインで、車での来店も多い。
こちらは近所の大学が無くなったのは、痛かったかもしれない。
現金以外には、PayPay払い可能が残っている。

大いに騒がれている「新しいパン屋さん」だが、どちらかというと、この古手を応援したい気持ちが強い。

 

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2023.02.18

有元葉子【ためない暮らし】

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著者:有元葉子
価格:715円
カテゴリ:一般
発売日:2016/02/10
出版社: 大和書房
レーベル: だいわ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-479-30578-1

人気料理研究家が教える、食材を最後まで使い切るコツ。ものを整理してすっきりシンプルに生きるため処方箋。必要なものを必要なだけ持って、それをとことん生かして、流れをとどこおらせない、そんな暮らしの秘訣が満載です。

 

紹介文のような本だと思ったのだが、割合レシピも多く出てくる。
レシピは目的ではないので、少々違和感あり。

仕事を滞らせない方法ということでは、少しは参考になったかもしれないが。

ウッカリしているとラパーゼの商品を購入しそうになる。
それでは、本末転倒だ。

 

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2023.02.17

その後の Kindleたち

Kindle5

実は先日書いた壊れたKindleの次に、もう1台同じものを購入している。

入院先などで、それこそ1台がダメになったらこわいから、予備を持っていたいのだ。
で、1台壊れて、その軽さが気に入っていたので、結局また同じものを購入。

これで13台目となった。

だったのだが、壊れた12代目は交換して頂けた。
保証期間内ではと教えて下さった少佐さんに感謝!

じゃ13代目は不要なのではと問い合わせたら、返品可能だとのこと。ありがたい。

 

で、今使っているのは、5台。
家の中でも、行く先々で使えるようにと、全部違う本を表示させている。

勿論、違う端末で違う場所で読んでいた本を出してくることもある。そんな場合にも大丈夫なように、一応全部ダウンロードはしてある。

 

いったいどんだけKindle好きなのだろうと思うが、本当は紙本の感触の方が好きなのだが。
また、紙本からは(本の発する)メッセージも届くのに。

Kindle読みになってから、本の内容を覚えられないようになった。
それでも、紙本だと読みにくい字体も読めるのが、本当にありがたい。

 

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Kindleが壊れた(23.02.05)

 

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2023.02.16

群ようこ【かるい生活】

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著者:群ようこ
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2020/11/06
出版社: 朝日新聞出版
レーベル: 朝日文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-02-262036-1

心身共に健康的になっていく日々をつづる爽快エッセイ!

 

【ゆるい生活】に引き続いての、群ようこさん。

体質改善出来て次に取り組んでいるのは、家にある諸々を処分すること。
トラック一杯の不要品を出したという潔さに感心する。

あと、「処分しなければ……」の中に、自分と重なるものが多くて苦笑する。
使わなくなったパソコンや周辺機器とケーブル類。読んでいて楽しくなってくる。
いや、楽しんでないで、自分も行動しなければ。

 

驚いた話

小学生向きに、なにがしかの会費で「食事会」などをしてくれるところがあるらしい。
それはいい取り組みだと思うのだが、専業主婦も「子どもといると間が持たなくて助かっている」という女性の話に唖然とした。

子育てはかなりシンドイことではあるが、毎日発見があって面白いことの方が多いと思っていたから。

 

最後近く、ご自身のご家庭に触れていらっしゃる部分は、こういうご家庭もあるのかとショックだった。

 

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【ゆるい生活】(23.02.13)

 

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2023.02.15

ドラマ「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郞の憂鬱」第5話

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第4回は、書いてなかった。

セミレギュラーである星太郞の幼なじみ田中が訪ねてきて、小学6年時の担任が定年だから同窓会をするという。
まったく気乗りのしない星太郞に、「花火打ち上げ」を提案。

ビジネスライクに捉えたひかりは、注文を受けるという。

 

今回は、これまで父子で「あの人」としてしか出てこなかった、星太郞の母親のことに触れている。

当時9歳だった星太郞の思いは、今(父親が死んでから)明らかになった。

 

それはそうと、時々男の子が出てくるのだけど、彼は誰だろう?
最初は近所の子かと思って観ていたのだが、今回の後、「ひょっとしたらこの子、9歳だった星太郞では?」と思った。
合っているかどうか、おたのしみ!

 

残念だったのは、花火の打ち上げシーンがなかったこと。
やっぱり寂しいので、」「淀川花火大会」からお借りしました。

 

夜中になんだか冷えるなぁと思ったら、少しだけ雪が積もっていた。
本当の春が待ち遠しい。

 

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2023.02.14

松本清張【点と線】:鳥飼重太郎のこだわり

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著者:松本清張
価格:605円
カテゴリ:一般
発行年月:2003.5
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:4-10-110918-4

時刻表トリックの古典にして、今も瑞々しい傑作ミステリ。

 

有栖川有栖著【論理仕掛けの奇談 有栖川有栖解説集】を読んでいて、矢も楯もたまらず何度目かの再読。

最初に読んだ頃、東京駅ならぬ近鉄上本町駅で、8つのホーム全てが見通せる時間に出会って嬉しかったことなど思い出す。

有栖川氏と違って、読むたびに読後感が変わっていくということはない。

本書を初めて読んだのは20代に入った頃かと思うが、それでも「移動手段」の「気づかなさ」には不満があったのだが。
また、あまりにも偶然に頼りすぎということも気になっていた。

香椎駅が見たくて、大分へ行くのにわざわざ小倉まで行き、鹿児島本線に乗ったこともあったっけ。
下関駅からの各停では、しっかり目に焼き付けた。

病床に或る女性の、時刻表頼りの「エア旅行」も懐かしい。

 

さて今回は、刑事鳥飼重太郎のこだわりについて一緒に考えてみた。

彼は、特急「あさかぜ」で一緒に乗車した男女の男の方だけが食堂車を利用したことに不審を抱いている。
それを糺そうと、結婚間近い娘に「彼が何か食べたいといったとき、自分は空腹ではなかったときにどうするか」などと尋ねたりしている。
その応えは、彼の「それが普通ではないか」と思うものだった。

自分の食事中に給仕はしても一緒にお茶を飲んだりせずに縫い物をしている妻へのあてつけ(昔流甘え)もあるのが、微笑ましい。
いや、本人は真剣に尋ねている。

 

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2023.02.13

群ようこ【ゆるい生活】

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カテゴリ:一般
発売日:2018/05/07
出版社: 朝日新聞出版
レーベル: 朝日文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-02-261926-6

「増やす」より「減らす」
「漢方生活」と自身の体に向き合った日々の様子を綴った実録エッセイ

 

ある日突然のめまいに襲われた著者が、紹介されて赴いた漢方医の処方で生活習慣を変えていく過程が綴られている。

まずはこういう漢方医に出会えたことが、幸運だった。

 

著者の生活習慣は、自分とも似ているところがある。
そのためか(?)、現在不調である。
著者の挑んだ暮らしを真似すれば、体調は良くなるだろうか。

 

実際、思い当たることは多い。

以前ならやや体重が増えたときに「おやつ食べない」と決めたら、ほぼ即2kg体重が減った。
昨今はどうもそういう決意をすることそのものが、おろそかになっているのは確かだ。

うーん、かなりシビアな生活だなぁ。

 

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名探偵ポワロ「負け犬」

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前作「エジプト墳墓の謎」の風景が味気なかったのに比して、今作では素敵な家具が出てくる。

今回ヘイスティングスが友人チャールズに誘われて、ゴルフにやってくる。

同行したポワロは、チャールズの叔父で屋敷の主ルーベンの収集しているブロンズ像に興味があったのだが、ルーベンのあまりの俗物ぶりに不快感を隠せない。

初日の夕食時には、戦争を賛美するルーベンに対し、夫人が戦争は嫌だと言うのを鼻で笑う。
何事も金儲けしか考えないルーベンは、多くの敵を作っていた。
しかも他人の発明を横取りしてまで、もうけを追求したがる。

これでは、腹立ちをずっと胸に秘めてきた人物がいても、仕方ないだろう。

 

今回は、ミス・ポワロの催眠術がご愛敬だった。

 

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2023.02.12

ドラマ「三千円の使い方」第5回

20170214-095128

しばらく書いていなかった。

今回は、原作にはまったくない(と思う)、和彦が定年を迎えた日の話し。

和やかに定年のお祝いをしていたのだったが、これまでの不満を一気に出した智子に、和彦だけでなく家族一同おおあわて。
たしかに、こんなお父さんは多いし、定年後はもっとイライラするだろう。

だが、和彦は果敢に変わろうとしている。
和彦、真帆の夫の太陽君、それに安生も加わっての、男三人の話し合いがいい感じだ。
つい和彦に同情してしまうのは、世代のせいか?

 

前前回、安生ときなりがうまく収まったと思ったら、次回は美帆が交際している相手の家族の話になるようだ。
価値観の違い、特にお金に関する価値観が違うと、一緒に暮らすことは勿論、親戚づきあいも難しいのではないかな?

 

画像は、6年前の2月14日。東京行きの車窓から。
昨日は東京も大変だったようだが、この時期は降雪が多い。

 

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柴田よしき【ふたたびの虹】

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著者:柴田よしき
価格:702円
カテゴリ:一般
発行年月:2004.6
出版社: 祥伝社
レーベル: 祥伝社文庫
利用対象:一般
ISBN:4-396-33165-7

数々の人間模様をからめながら、自らも他人にいえない過去を持つ女将が鮮やかに解決する恋愛&ヒューマン・ミステリーの傑作。

 

本書も「読書メーター」で「ナイス」を頂いたことからの再読。

中身はまったく覚えていない。
今過去記事を読み直してみても、当時とまったく同じ感想を抱いた。

当時「おばんざい」を作ろうなどと決心していたが、それはあまり果たされていない。
今もその頃も、めんどくさいのはキライだ。
いやますます、手抜き傾向になっている。

女将の過去がいつ判るのかと、待ち遠しく思いながら読み進めていた。
途中で思い出すことも一切無く、12年半という時だけが過ぎていた。

各章のタイトルだけ挙げておく

【聖夜の憂鬱】ばんざい屋の十二月
【桜夢】ばんざい屋の三月
【愛で殺して】ばんざい屋の七月
【思い出ふた色】ばんざい屋の十月
【たんぽぽの言葉】ばんざい屋の四月
【ふたたびの虹】ばんざい屋の六月、それから……
【あなたといられるなら】ばんざい屋の九月

 

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2023.02.11

目の前にあるもの、できる限り楽しむ 高橋一生

20130210-235747_20230208095901

こんな記事 (↓) が目に付いた。産経新聞だ。

目の前にあるもの、できる限り楽しむ 高橋一生

この「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱」というドラマは、面白い。
橋爪功と高橋一生の親子会話が、とてもいい雰囲気なのだ。

この記事によると、橋爪さんが共演を希望なさったのだという。

高橋一生は、色んな意味で目が離せない俳優だ。
特に好き、という括りではなく、ずっと見守っていないというか、気になる存在なのだ。

 

画像は、ちょうど10年前の2月10日。高校の作品展より。

 

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2023.02.10

西村京太郎【十津川警部 十年目の真実】

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著者:西村京太郎
価格:657円
カテゴリ:一般
発行年月:2002.2
出版社: 祥伝社
レーベル: 祥伝社文庫
利用対象:一般
ISBN:4-396-33022-7

東海道新幹線の車内で乗客の夫婦が爆殺された。犯行を指示するビデオの通報に十津川警部は色めきだったが、第二第三の事件が発生。やがて、最初の被害者が関わる十年前のある事件に全容の糸口が!

 

真犯人がほぼ特定出来てからの、その証拠固めが大変そうだった。

しかし爆破というのは、廻りの巻き込み方が大きすぎる。

今回十津川たちが相手にしてるのは、ほぼ全員が関係者(なんらかの犯罪者)というので、あまり気持ちのいい読後感ではなかった。

 

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2023.02.09

【明日の友 262号 早春】

262

価格:760円
発売日:2023/02/03
雑誌コード:01557
出版社: 婦人之友社

特集が「いざという時の備え」なので、購入してみた。

 

 

かなり具体的な提示があり、参考になることが多い。

例によって事例だが、それらもツボを押さえた提案だ。
「防災ポーチ」と「持ち出し品ベスト」が、特に即用意できそう。

 

 

巻頭グラビアの「郷愁 日本のふるさと」での、各地の春の景色が美しい。
どこか一箇所、行ってみたいなぁ。

 

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甘平

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こちらはもう20年、毎年「お供え」としていただくミカン。今年も届いた。

大きく立派な果実で、非常にジューシーだった。

ハッサクから派生して行ったのだろうか、最近のこの手の柑橘類は皮も薄くて剥かなくても食べられるものが多い。
また味も、全然すっぱくなくて食しやすい。

 

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2023.02.08

仁木悦子【赤と白の賭け】

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著者:仁木悦子
価格:660円
カテゴリ:一般
発行年月:1973
出版社: 講談社
利用対象:一般

平々凡々の日常のなかに、ふと忍び寄ってくる7つの事件!

 

【赤と白の賭け】

赤と白とは、葡萄酒の色。
どちらかに毒を入れておいて試す話しは、有栖川有栖にも出てきた。いや、そちらの方が後からだ。

しかしうまく毒をかわした、この不誠実な男。
命は助かったが、この現場を警察に知られたら、仕事も結婚生活もこのままでは済まされまい。

この男のせいで娘を失った父親にとっては、まさに命をかけた賭けだったのかもしれない。

 

【石段の家】は、著者お得意の子ども探偵もの。

小学5年生の兄はともかく、2年生の妹が言ったひと言が、母親の濡れ衣をはらすきっかけになった。
それにしてもこの妹、実に大胆なことをしてくれる。

 

【幼い実】

「幼い実」とは、「るりみ」と名付けられた幼子のことだろうか。

 

【ひなの首】

ああ、これは結婚した悦子さんが語り手だなとは、すぐ気づいた。「テッツン」という言葉が出てきたからだ。

【悪漢追跡せよ】

これも子ども探偵。

父が亡くなっていて、どうやら母親が再婚したそうなのが気に入らない姉。弟は、素直にその男性になついている。

男性が付き合っていた女性が殺されて、彼ばかりか母親までもが疑われそうになって慌てる姉。実は男性のアリバイ証明になる手紙を、自分が破って捨ててしまっていたのだ。

そこから姉弟の探偵譚がはじまる。

ビーズを落とした跡をたどる探偵ごっこが役に立った。

【黄色の誘惑】

黄色大好きな主婦が、出来心からレモン色のスカーフを万引きしてしまう。

それを見ていたという一見紳士風の男から、万引きのことを口外しないことを条件に、とある家から赤ん坊を連れ出すことを約束させられる。
その赤ん坊は紳士の子で、離婚した妻が再婚して育てているのだという。

言われるまま実行した主婦だったが……。で、ドキドキしながら読んだ。

いい方向で解決して、本当によかった。

【霧のむこうに】

記憶を失った男と、彼を拾ってくれた女。子どもが出来たが、生みたい女に対して、男は失われた過去を求める。

結果、妻が悲しむ方向に向かずに、本当によかった。
これからは、お互いを支え合いながら暮らしていけるだろう。

 

本書には、ガスで人が亡くなる話しが出てくるが、この頃(1970年代?)にはまだ推理小説のネタにガスが使われていたんだ。
次第に天然ガスになって、「ガスで自殺は出来ません」という話しが広がってきたように思うが……。

 

やはり、仁木悦子さんの描く子どもたちは生き生きしているなぁ。

 

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2023.02.07

【リケジョ探偵の謎解きラボ 彼女の推理と決断】

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著者:喜多喜久
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2019/04/04
出版社: 宝島社
レーベル: 宝島社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-8002-9345-9

リケジョ探偵が科学を駆使し、「死」にまつわる謎を鮮やかに解く!

 

実はシリーズの二冊目らしい。

この著者はこうした理系のミステリを書いていらっしゃるようで、以前何冊か読んでいた。

本書は倒叙ミステリのようだ。

事故や事件があって、それに対する保険支払が妥当かどうか調べている「僕」が語り手。
フィアンセと同居出来るようになったのだが、彼女は忙しく、すれ違い生活が続いている。

そんな状況であっても、行き詰まったときには彼女のアドバイスが効くという設定。
二人の会話に、あまりなじめなかった。
ある意味、ジェンダーを意識しすぎではという気もする。

 

【契約と選択】

スズメバチを誘引する物質を使うという、かなり恐ろしい話。
屍体は無残なものだったという。

【死の階段】

 

【失踪の果つる地】

海に落ちたものの運良く人が住んでいない島にたどり着いて、それから7年も暮らしていた男。
自給自足(途中からは手助けが入った)生活で、食べ物はともかく衣服の調達は大変だったろう。

離婚は成立していないのだから、妻が知ったらまたややこしいことになるか。それとも今度は、夫が愛想を尽かして別れるか。
妻には、1銭も入らないどころか慰謝料が必要かもしれない。

 

最後の

【生命の未来予想図】では、二人が結婚を決めたのに、彼女の病気が判明してしまった。

 

シリーズとして、まだ続いていくのかな?

 

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薄墨羊羹 こざくら

Photo_20230205224601

満中陰お供えのお返しに、「薄墨羊羹 こざくら」というのを頂いた。

母上を今治に納骨されたからということで、あちらの名物らしい。ぼっちゃんはアズキ味、マドンナは抹茶味だった。

ところ変われば羊羹も色々な種類があるものだ。

 

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2023.02.06

都筑道夫【退職刑事〈3〉】

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著者:都筑道夫
価格:638円
カテゴリ:一般
発行年月:2003.1
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:4-488-43404-5

現職刑事の手に余る難題に快刀乱麻の腕をふるう定年退職刑事。安楽椅子探偵の名シリーズ第三集。

 

かなり以前に購入して読んでいたはずなのに、記録していなかった。
同じような展開なので読んだら即忘れてしまうのだが、自分の備忘録も兼ねてひたすら書いておく(だけのことはする)。

まだ3巻目だから、後の展開とは違うことが発見できたのが収穫かも(?)しれない。

今回は短編全てのタイトルに「○○の死体」とついている。

【大魔術の死体】は、「拳銃の音が聞こえ、同時に電話ボックスの人物が倒れていたのを見たら誰しもその人物が射殺されたと思う」という錯覚を使った、まさに「大魔術」だ。

手品で人が消えるマジックというのがあって、でもそれも、種は簡単だったと思う。

この「銃声が聞こえた場所」に引っ張られて、それと電話ボックスの死体とがくっつくのは、当たり前の話しだろう。

これは結構、面白かった。

 

【人形の死体】

人形師が殺された事件だが、設定が今ひとつ面白くなかった。

【散歩する死体】が一番おもしろかったかな。

真夜中の公園で、ベンチに座り込んだまま動かない人がいる。それを近くのマンションの窓から目撃した小説家の通報で、事件が判明したのだが……。

まさに、「死体が散歩した」のだった。

この被害者というのが、良いところの生まれなのに生き方を知らないというか、生活するすべを知らない、典型的なお坊ちゃん。
だから、おかしな強請などして、結果殺される羽目になってしまった。

 

【料金不足の死体】は、被害者の額に貼られていた40円切手が肝だと思わせて、ダイニング・メッセージへと話しを誘導する感がある。

退職刑事がクイーンの【Xの悲劇】を読んでいたのも、そのダイイング・メッセージへと誘うことにつながるのかもしれない。
しかし、現職刑事が大きな「違反」をしている。何と、【Xの悲劇】のネタバレをしているのだ。

ほかに

【仮面の死体】【乾いた死体】【筆まめな死体】

 

季節が冬から次第に移り変わっていくのも、話しに少しだけ変化を与えている。冬から始まって、最後は夏になっていた。こちらは、まだ冬の真っ最中なのに……。

 

今気づいた。これ、以前もアップしていたのだった。

 

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【退職刑事 4】(19.09.26)

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2023.02.05

大崎梢 他【ここだけのお金の使いかた】

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著者:大崎梢他
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2022/12/21
出版社: 中央公論新社
レーベル: 中公文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-12-207291-6

七名の人気作家が「お金」にまつわる悲喜こもごもを描く、書き下ろし

 

それぞれ視点が違うが、楽しかった。

冒頭作【百万円分の無駄】は、新津きよみ。

だれしも、「宝くじが当たったら」と思うことはあるだろう。そして妄想する。
どれくらいだったら、かなり現実的な(?)妄想ができるのか?

ここでも分析しているが、「百万円」というのは妥当な数字ではないか?

ところがここの主婦は、実際に「百万円」を手に入れた。夫や娘にちょっとした不満を持っているので、ナイショで使っていく。
一つ一つが、ささやかなものである。

小さな不満でも、相手に伝わっていないと徒労感が増すのではないか?

 

次の原田ひ香は、最近割合読むようになった。【三千円の使い方】など、面白かった。

今回は、【一生遊んで暮らせる方法】。ぜひ、伝授願いたいものだが……。

学生アルバイトから、卒業してもそのまま非常勤として役所で働いている妻が語り手。正採用になるには試験がむずかしく、非常勤でも福利厚生はついていることに、ほぼ満足している。

その彼女が役所のサークルの交流会で出会った夫は、節約家の堅実なサラリーマンだった。

彼女の語りで話が進んでいくが、途中たびたび夫らしき人物のTwitterが入る。

夫の理想通りの家庭(だと夫は思っている)だったが、この人はかなり独りよがりだ。
会社でうまくいってないのも、ひょっとしたらその性格によるところがあるかもしれない。

でも、やっぱり「自分は家事をしている」と思っていたのがおかしい。ほんの一握りの「手伝い」なのに、家事を担っていると勘違いしているとは。

「一生遊んで暮らせる方法」を編み出した(と思っていた)夫だが、都合の悪いことは「そのうち」で片付けてしまうなど、やはり現実を伴わない机上の空論に近かった。

 

大崎梢【12万円わんこ】では、タレントの犬が意外と薄給(?)なのに驚いた。替わりはいくらでもいるからと。12万円の犬は高いと思うが、ペットショップで売れ残ってしまったわんこの値段だった。
この子、いい飼い主に出会えてよかった。

 

あと

永島恵美【廃課金兵は買物依存症の夢を見るか?】

同じ大学に勤めるアラフォー女子二人の、ZOOMによるやりとりがメイン。40代は、まだまだ若者言葉を使うのか?テンポ良い会話だが、こんなものなのか?
その中で相手の住所を特定したり買物依存症を突き止めたり、ちょっとしたミステリの様相も見せる。

 

福田和代【わらしべ長者のつくりかた】

これは楽してお金を手に入れたい若者の話で、ついていけなかった。

 

図子彗【塾に行かない子どものための五つのクリンクス】

今時の小学生は大変だな。

離婚して小学5年生の息子を育てている薬剤師。4年生の時の学級が崩壊していて、碌に授業が進んでいなかった。
息子の国語力のなさに愕然とする。

それよりも、課金するゲームをしているとは驚きだった。
それを巡ってのトラブルもあって、親も大変だ。

 

松村比呂美【二千万円の差額】

父親が自死して以来、母親は父親のものを片付けることが出来ない。

この「二千万円」というのは、定年後に保険金を「三千万円」から「一千万円」にしようと自分が提案した、その差額だ。
そのために、夫は自死したのではと、今も母親は自責の念に駆られている。

パニック障害を起こし、家の中はともかく、スーパーへも行けないし、乗り物にも乗れない。

ふと見つけたボランティアサイトで、公園の花壇整備を見つけて恐る恐る参加してみる。その時一緒についてくれた女性には、何故か素直に自分の症状を話すことが出来て、少し前向きになれた。

娘一家が支えてくれているのが、救いだ。

 

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Kindleが壊れた

Kindle3

非常に便利に使っているKindleだが、ある日突然画面が真っ白になった。

こんな時の、「再起動」。
しかしその後も、真っ白画面になるのは防げず。

買ってから、まだ4ヶ月くらいしか経っていないのになぁ。

参考にしたサイトも、色々試してダメなら「壊れたのだろう」というつれないお言葉。

 

軽くて、色は珍しいデニムにしていたのだった。

 

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2023.02.04

三國青葉【福猫屋 お佐和のねこだすけ】

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著者:三國青葉
価格:682円
カテゴリ:一般
発売日:2022/11/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-529856-5

江戸時代のペットショップ「福猫屋」が始まるきっかけは……?

 

思った以上に、楽しい本だった。

【ねこだすけ】から始まって、

【ねこまみれ】になり、

【ねこづくし】で終わる。

その間、一時は20匹ほどの猫がいた」福猫屋」だったが、少しずつ里子に出していく。
一方、「ネズミ退治」に貸し出される猫もいて、その猫たちはこの家の猫だ。

お佐和は色々工夫して、売るための小物なども作るが、こちらは今ひとつ。
そこで、甘味を出したりもする。

「猫茶屋」として、猫とのふれあいも可能にする。
ペットショップというより、「猫カフェ」だ。

弟子だった自分の甥や野菜を売りに来た少女も、家族のようになる。
亡くなった夫の兄弟子だった人も、色々と面倒を見てくれたり、まわりの人に支えられて、夫の一周忌の頃にはいろいろうまくいっていてよかった。

こういう本は気軽に読めるし、気持ちが楽になる。

 

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2023.02.03

ドラマ「警視庁アウトサイダー」第四話

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前回はかなりマシだったのだが、今回のふざけ方はひどい。

Facebookで、そのクールのドラマ評をしていらっしゃる方が「西島さんが気の毒だ」と仰っていた。まさに、その通り。
水木のふざけ方には、いらつく。

 

今回は更生者を支援している経営者の悩みを中心に、長野のクラブのママのその後など。
光輔が、我慢できなくてそのママに話しを持っていき、その後(多分)10年前の事件の実行者が登場か?

石野真子が、このママの役だった。

 

もう一つ、これまで声だけだった「兄ちゃん」が蓮見であることを、光輔は架川に知らせる。

 

話しの展開としては一気に面白くなるところだが、コミカルというより「ふざけた」作り方で、魅力が半減している。

 

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感染症騒動記

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暮れの29日に、娘とチビさんたちが掃除に来てくれた。

その晩から風邪の症状が出て、お正月に来るのはダメかなと話していた。

ところが新年三日。下のチビさんに熱が出て、検査の結果陽性だという。


ビックリして慌てて検査キットを取り寄せてみると、見事に陽性になった。
しかし病院では「自動車による来院」でしか受け付けてくれないという。指示などを車の中ケータイで受ける必要があるからのようだ。

仕方ないから少しして検査し直したら、今度は陰性になっていた。

症状は風邪と変わらず、ものすごくシンドイということはなかったが、それでも士気上がらず、正月中読書とテレビ(ビデオ消化)で過ごした。
かき入れ時なのに。

もう一つ困ったことは、4日から息子の調子が悪くなったこと。
幸い陰性だったが(そして病院でも確認、インフルでもなかった)、夜中の咳がひどく眠れないらしい。
食事はそれぞれが正月用の食材を自分でなんとかして一階と二階で食べていた。
食器は食洗機のおかげで、高熱で洗ってもらっていた。

まだ完治とは言えず、喉の違和感はつづく。
【コロナ感染後遺症徹底解説】という本を読んだら、漢方薬がいいとも書いてあった。

 

今日は節分だし、今年の厄がこれで終わったと思いたい。

 

画像は、「成田山大阪別院明王院」の本堂。
毎年節分には話題の芸能人等がお見えになって、豆まきをなさる。
今年の2回目には、米團治さんがいらっしゃるとか。

 

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2023.02.02

山本甲子【迷犬マジック】

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著者:山本甲子
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2021/09/09
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-52495-6

日々の生活がイマイチ冴えない人々の前に現れる黒柴の迷い犬。

 

帯には、「犬が笑えば福来たる」と書いてある。

四つの季節に合わせて、四つのストーリーが語られる。

それぞれの話に、突然現れる迷い犬。迷い犬は、首輪に「マジック」と書かれていた。犬の名前か?
おとなしく、一通りの芸も出来る。

名犬ならぬ迷犬のマジックが、色々なマジックを見せてくれる。

圧倒的(?)猫派だが、こういうワンコものも、微笑ましくていい。

 

【春】

定年退職後、妻に先立たれた七山高生。
比較的近所に住む長男一家とは、つかず離れずの関係だが、最近長男から「認知症の検査に行け」と言われて複雑な思いでいる。

そんな時、家の敷地内に黒柴が迷い込んできた。

飼い主が見つからぬまま、高生はチラシを作ったり、散歩に連れて行ったりする。
しだいに、ご近所の人たちとも会話が生まれ、長男一家ともいい関係になっていく。

そのマジックが思わぬ手柄を立てたあと、自分の役割は終わったとばかり去って行く。

 

【夏】

この回は、高生が駅近くで出会ったストリートミュージシャンの尾形將騎が主人公。

いつかは売れるようになりたいとがんばっている。

そこへやってきた、マジック。
マジックと一緒に歌っている内に……。

というストーリー。

マジックがいなくなっても、しっかりと歩み出せてよかった。

 

【秋】

両親とも亡くなって、一人ではやらない理髪店を経営している岩屋充。自堕落な生活で、メタボ生活まっしぐら。

そんな時に、お約束のマジックとの出会いがあり、マジックは今度は充の健康管理をしてくれたようだ。

マジックとの別れの後で犬を飼う気になったのは、充が初めてだった。

 

【冬】

今回は、最初に犬(マジック)が鷹取苺の家の敷地に座っている。これまでとは少し違った展開だ。

苺は会社を辞めて、そのことで父親と気まずくなり、祖母の家だったところで一人暮らしをしている。

突然現れた犬に戸惑いつつ、保護犬ボランティアをしている友だちを思い出し、助けを借りる。

マジックはそのまま居続け、登校中の小中学生と話したり(?)、孤独そうな老人の相手をしている。

そのうちマジックの魔法が効いて、色々な奇跡が起きる。

マジックが去った後、苺は保護犬譲渡会の手伝いをして、その中の一匹を貰って帰ろうと思っている。

その譲渡会には、「春」と「秋」にマジックの面倒を見ていた家族も来ていた。それぞれ、譲渡会からの犬を連れて。
お互いに何を知らないまま、挨拶を交わし合う。

「夏」のサムライミュージシャンとは、彼のことが出ているyoutubeを通してメールを交わしていたが。

 

ちょうど一年、それぞれの家庭に幸せを届けて、マジックは今どこにいるのだろう?
続編も出たようだが、話の展開は同じようなのだろうな。

 

初めての作家参加と思ったが、以前一冊読んでいたようだ。

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山本甲子【ひなた弁当】(19.06.15)

 

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2023.02.01

1月の読書メーター

1月の読書メーター
読んだ本の数:24
読んだページ数:6637
ナイス数:2681

森は生きている (岩波少年文庫)森は生きている (岩波少年文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-84f899.html
舞台を観てみたいものです
読了日:01月31日 著者:サムイル マルシャーク


天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)天使たちの探偵 (ハヤカワ文庫JA)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-666e38.html
冒頭の「少年の見た男」が一番好きかな。
読了日:01月30日 著者:原 りょう


おいしい旅 想い出編 (角川文庫)おいしい旅 想い出編 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-bf8fb9.html
「糸崎駅」という、自分が子どもの頃に覚えた駅名もでてきました。
読了日:01月27日 著者:秋川 滝美,大崎 梢,柴田 よしき,新津 きよみ,福田 和代,光原 百合,矢崎 存美


とっておきのおやつ。 5つのおやつアンソロジー (集英社オレンジ文庫)とっておきのおやつ。 5つのおやつアンソロジー (集英社オレンジ文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-a73280.html
たい焼きの話がよかったなぁ。
読了日:01月26日 著者:青木 祐子,阿部 暁子,久賀 理世,小湊 悠貴,椹野 道流


10品を繰り返し作りましょう~わたしの大事な料理の話10品を繰り返し作りましょう~わたしの大事な料理の話感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-81b170.html
個性的な作り方で、炒め物はそれぞれ別々に火を通してから合わせるという方法を取ります。
読了日:01月24日 著者:ウー・ウェン


三千円の使いかた (中公文庫 は 74-1)三千円の使いかた (中公文庫 は 74-1)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-e8b041.html
ドラマはかなり原作に忠実だと判りました。以前読んで時から半年も経っていないのに、こんなに忘れていたのかと、その方がショックでした。
読了日:01月23日 著者:原田 ひ香


おいしい旅 初めて編 (角川文庫)おいしい旅 初めて編 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-ec23d0.html
7名の作家による、七つの旅物語りです。どの旅も、面白かったです。
読了日:01月22日 著者:近藤 史恵,坂木 司,篠田 真由美,図子 慧,永嶋 恵美,松尾 由美,松村 比呂美


漢方小説 (集英社文庫)漢方小説 (集英社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-256f9e.html
こんないい漢方医に出会えたらいいな。
読了日:01月20日 著者:中島 たい子


海 (新潮文庫)海 (新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-9a69fe.html
「何とも懐かしい」と思える風景(自然とは限らず)を思い出させて頂きました。
読了日:01月18日 著者:小川 洋子


十津川警部 犯人は京阪宇治線に乗った (小学館文庫 に 16-10)十津川警部 犯人は京阪宇治線に乗った (小学館文庫 に 16-10)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-c22264.html
京阪電車に反応したのですが、別にどの電車でもよかったような……。ただ、宇治線というのはローカル線ですからね。
読了日:01月17日 著者:西村 京太郎


出会いなおし (文春文庫)出会いなおし (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-65ec49.html
表題作での「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会いなおすということだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体になる。」というのが心に染みます。
読了日:01月16日 著者:森 絵都


葬式組曲 (文春文庫 あ 78-2)葬式組曲 (文春文庫 あ 78-2)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-9bd1c8.html
最後の話で、これまでの雰囲気をガラリと覆してしまいました。こんな終わり方でいいのでしょうか?
読了日:01月14日 著者:天祢 涼


春のこわいもの春のこわいもの感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-bdd5c6.html
タイトルの【春のこわいもの】というのは無くて、全体が「ある春(どうやら2020年)のこわいもの」で覆われています。
読了日:01月13日 著者:川上 未映子


警視庁アウトサイダー (角川文庫)警視庁アウトサイダー (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-202a21.html
シリーズもので、結構延々と続く予感が……。
読了日:01月11日 著者:加藤 実秋


海が見える家 それから (小学館文庫)海が見える家 それから (小学館文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/12/post-fe018f.html
今回も、表紙絵が好きです。こんな家、いいなぁ。実際には、かなりぼろ屋ですが。
読了日:01月10日 著者:はらだ みずき


新版 レミは生きている (ちくま文庫 ひ-2-6)新版 レミは生きている (ちくま文庫 ひ-2-6)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-643386.html
著者は、生涯「混血児」を救い続けます。
読了日:01月09日 著者:平野 威馬雄


人生オークション (講談社文庫)人生オークション (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-ce52db.html
主人公の叔母の不器用な生き方が、何故か愛おしく思えます。
読了日:01月08日 著者:原田 ひ香


十津川警部 影を追う (徳間文庫)十津川警部 影を追う (徳間文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-9e5824.html
随分こわい話でした。十津川たちも警察組織からかなり外れて、脅しはするし暴力はふるうしで、これまでのものとは随分違いました。
読了日:01月06日 著者:西村京太郎


やっとかめ探偵団 (光文社文庫)やっとかめ探偵団 (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/10/post-8815f7.html
大阪のおばちゃんはすごいけど、名古屋のおばあちゃんたちはそれの上をいきますね。
読了日:01月05日 著者:清水 義範


あきらめません!あきらめません!感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-3d4f9e.html
郁子が東京の家を売ってまで移住した夫の故郷は、思っていた以上に閉鎖的なところでした。「あきらめない」努力は大切です。
読了日:01月04日 著者:垣谷 美雨


三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン (講談社文庫)三軒茶屋星座館 1 冬のオリオン (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-52b959.html
主人公の姪の月子が、可愛かったです。
読了日:01月04日 著者:柴崎 竜人


黄金の時 (文春文庫)黄金の時 (文春文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/11/post-eae606.html
父と息子というのは、いつの時代でも難しいものかもしれませんね。
読了日:01月03日 著者:堂場 瞬一


猫が30歳まで生きる日 治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見猫が30歳まで生きる日 治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/01/post-b763e0.html
紹介文に「最新医療の研究現場のリアルを伝えます」とある通り、猫の腎臓病を治す「AIM」の発見について語られています。早く、人にも応用できるようになってほしいものです。
読了日:01月02日 著者:宮崎 徹


紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色 (角川文庫)紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/12/post-f7ae0c.html
「活版印刷三日月堂」と完全リンクして、 紙が繋ぐ絆の物語が生まれました。
読了日:01月01日 著者:ほしお さなえ

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名探偵ポワロ「愛国殺人」

20120201-102357

視聴も、すでに3回目くらいかもしれない。

クリスティには、この手の愛国ものは結構ある。
しかしこれは、純粋に(?)愛国ものというのとは少し違う。そういった意識を持ったものたちがいることを、時代背景として使っているだけのようだ。

マザーグースの数え歌で遊ぶ少女たちが何度も出てくるが、直接の関係はなさそうだ。

それより今回も思ったのだが、二役(実際にはなりすまし)の女優さんを、イギリスの視聴者は見破るのではないだろうか。
あ、前回それを思ったのは「葬儀を終えて」だったかな?

 

画像は、ミシュラン都ホテル上本町にて。もう11年前のことになる。

 

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