山本甲子【迷犬マジック】
著者:山本甲子
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2021/09/09
出版社: 双葉社
レーベル: 双葉文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-575-52495-6
日々の生活がイマイチ冴えない人々の前に現れる黒柴の迷い犬。
帯には、「犬が笑えば福来たる」と書いてある。
四つの季節に合わせて、四つのストーリーが語られる。
それぞれの話に、突然現れる迷い犬。迷い犬は、首輪に「マジック」と書かれていた。犬の名前か?
おとなしく、一通りの芸も出来る。
名犬ならぬ迷犬のマジックが、色々なマジックを見せてくれる。
圧倒的(?)猫派だが、こういうワンコものも、微笑ましくていい。
【春】
定年退職後、妻に先立たれた七山高生。
比較的近所に住む長男一家とは、つかず離れずの関係だが、最近長男から「認知症の検査に行け」と言われて複雑な思いでいる。
そんな時、家の敷地内に黒柴が迷い込んできた。
飼い主が見つからぬまま、高生はチラシを作ったり、散歩に連れて行ったりする。
しだいに、ご近所の人たちとも会話が生まれ、長男一家ともいい関係になっていく。
そのマジックが思わぬ手柄を立てたあと、自分の役割は終わったとばかり去って行く。
【夏】
この回は、高生が駅近くで出会ったストリートミュージシャンの尾形將騎が主人公。
いつかは売れるようになりたいとがんばっている。
そこへやってきた、マジック。
マジックと一緒に歌っている内に……。
というストーリー。
マジックがいなくなっても、しっかりと歩み出せてよかった。
【秋】
両親とも亡くなって、一人ではやらない理髪店を経営している岩屋充。自堕落な生活で、メタボ生活まっしぐら。
そんな時に、お約束のマジックとの出会いがあり、マジックは今度は充の健康管理をしてくれたようだ。
マジックとの別れの後で犬を飼う気になったのは、充が初めてだった。
【冬】
今回は、最初に犬(マジック)が鷹取苺の家の敷地に座っている。これまでとは少し違った展開だ。
苺は会社を辞めて、そのことで父親と気まずくなり、祖母の家だったところで一人暮らしをしている。
突然現れた犬に戸惑いつつ、保護犬ボランティアをしている友だちを思い出し、助けを借りる。
マジックはそのまま居続け、登校中の小中学生と話したり(?)、孤独そうな老人の相手をしている。
そのうちマジックの魔法が効いて、色々な奇跡が起きる。
マジックが去った後、苺は保護犬譲渡会の手伝いをして、その中の一匹を貰って帰ろうと思っている。
その譲渡会には、「春」と「秋」にマジックの面倒を見ていた家族も来ていた。それぞれ、譲渡会からの犬を連れて。
お互いに何を知らないまま、挨拶を交わし合う。
「夏」のサムライミュージシャンとは、彼のことが出ているyoutubeを通してメールを交わしていたが。
ちょうど一年、それぞれの家庭に幸せを届けて、マジックは今どこにいるのだろう?
続編も出たようだが、話の展開は同じようなのだろうな。
初めての作家参加と思ったが、以前一冊読んでいたようだ。
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