斎藤千輪【グルメ警部の美食捜査 3 美味しい合コンパーティーの罠】
著者:斎藤千輪
価格:836円
カテゴリ:一般
発売日:2023/01/12
出版社: PHP研究所
レーベル: PHP文芸文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-569-90266-1
今回も謎とグルメがとまらない! 大人気飯テロ×ミステリー第三弾!
警部のグルメぶりが楽しい、シリーズもの。この警部は私生活では「楽しく」過ごせているとは思えない。それが二巻目で一層明らかになり、何となく目が離せないようになった。
お供できたら、いいだろうなぁ。
冒頭の表題作【美味しい合コンパーティーの罠】
合コンパーティーの人数あわせに誘われた警部についていったカエデ。
二人は、女性たちの一人に、結婚詐欺に遭ったので捜査してほしいと依頼される。
カエデが初めての体験をするのを、警部はソッと見守ってくれている。
最後、その警部をソッと見守っている実母に「母の日」のプレゼントをする予定の警部。
何不自由なく育てられても、やはり心は満たされていない。美味しい食事を作ってくれる家政婦さんがいるのに、家ではあまり食事をしたくない警部。
今回も、カエデの食欲は旺盛だった。
【老舗鰻屋から消えた秘宝】
コスパを落としてはいるが美味なうな重を提供する店と、格式ある店のたたずまいが自慢の店。
その息子と娘が恋をして……。
ウナギ版「ロミオとジュリエット」は、父親たちの意地の張り合いがもたらしたものだった。
だが一方で、お互い尊敬し合ってもいたのだ。
母親同士は、高校時代の同級生だった。
こうした関係がいい方向に行って、ほのぼのとしたいい終わり方をした。
【失踪事件はランチ会のあとで】
先の「うな重」の話しとは違い、こちらは後味があまりよくなかった。
配偶者がそれぞれの世界で成功している人の、夫人たち。プチセレブな彼女らは、ランチをインスタに挙げていることから知り合い、定期的に仲良くランチ会をしている。
「仲良く」は表面上で、心の中では何を思っているのか。
中にはどす黒い動機から、仲間を「奈落に落とす」ものまで出てきた。
でも最後に、警部が実母にプレゼントしたものに、心動かされた。
いつの日か、母子が正々堂々と一緒に食事が出来ますように!
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