群ようこ【パンとスープとネコ日和】
著者:群ようこ
価格:565円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2013/07/11
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-3762-2
泣いたり笑ったり……アキコの愛おしい日々を描く傑作長編。
多分、著者の小説を読むのは初めてだと思う。
面白くて、一気に読んでしまった。
アキコは、急死した母の店を継ぐため、出版社勤務を辞めてしまう。
しかしアキコが目指したのは、母の店の継承ではなく、まったく違う形の店だった。アキコは、母と常連たちが閉店後もダラダラと飲み食いして過ごすのが、子どもの頃からキライだったのだ。
母は、自分にとって反面教師だった。
新しくオープンした店のメニューは、「日替わりのサンドイッチとスープ」だけ。値段はランチ代としては高めの、1000円だ。
しまちゃんという願ってもないアルバイトも見つかり、まずは順調に廻って行けそうだ。
しかし逆に、これまでの常連たちには来にくい店になり、また向かい側にある喫茶店の店主からは、しょっちゅう嫌みを言われる。
もう一つ、母はシングルマザーだったのだが、実の父についてお節介な情報も入り、アキコは戸惑う。
更に重要なことを書いてなかった。
同居している「たろ」というニャンコ。アキコが店を出したので、昼間は店の3階にある居宅で「お留守番」生活になった。
もっとも会社員時代の方がもっとアキコが家を空けている時間が長かったはずだが、その頃は母がいた。
このたろちゃんがかわいい。
著者も猫を飼っていらっしゃるようで、その思いがもろに伝わってくる。
悲しいお別れのことも、ご自身の体験かもしれない。
ニャムのことを思い出した。
著者は、【かもめ食堂】を書いた方だった。読んでみようかな。
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