都筑道夫【退職刑事〈3〉】
著者:都筑道夫
価格:638円
カテゴリ:一般
発行年月:2003.1
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:4-488-43404-5
現職刑事の手に余る難題に快刀乱麻の腕をふるう定年退職刑事。安楽椅子探偵の名シリーズ第三集。
かなり以前に購入して読んでいたはずなのに、記録していなかった。
同じような展開なので読んだら即忘れてしまうのだが、自分の備忘録も兼ねてひたすら書いておく(だけのことはする)。
まだ3巻目だから、後の展開とは違うことが発見できたのが収穫かも(?)しれない。
今回は短編全てのタイトルに「○○の死体」とついている。
【大魔術の死体】は、「拳銃の音が聞こえ、同時に電話ボックスの人物が倒れていたのを見たら誰しもその人物が射殺されたと思う」という錯覚を使った、まさに「大魔術」だ。
手品で人が消えるマジックというのがあって、でもそれも、種は簡単だったと思う。
この「銃声が聞こえた場所」に引っ張られて、それと電話ボックスの死体とがくっつくのは、当たり前の話しだろう。
これは結構、面白かった。
【人形の死体】
人形師が殺された事件だが、設定が今ひとつ面白くなかった。
【散歩する死体】が一番おもしろかったかな。
真夜中の公園で、ベンチに座り込んだまま動かない人がいる。それを近くのマンションの窓から目撃した小説家の通報で、事件が判明したのだが……。
まさに、「死体が散歩した」のだった。
この被害者というのが、良いところの生まれなのに生き方を知らないというか、生活するすべを知らない、典型的なお坊ちゃん。
だから、おかしな強請などして、結果殺される羽目になってしまった。
【料金不足の死体】は、被害者の額に貼られていた40円切手が肝だと思わせて、ダイニング・メッセージへと話しを誘導する感がある。
退職刑事がクイーンの【Xの悲劇】を読んでいたのも、そのダイイング・メッセージへと誘うことにつながるのかもしれない。
しかし、現職刑事が大きな「違反」をしている。何と、【Xの悲劇】のネタバレをしているのだ。
ほかに
【仮面の死体】【乾いた死体】【筆まめな死体】
季節が冬から次第に移り変わっていくのも、話しに少しだけ変化を与えている。冬から始まって、最後は夏になっていた。こちらは、まだ冬の真っ最中なのに……。
今気づいた。これ、以前もアップしていたのだった。
関連記事
【退職刑事】(19.07.26)
【退職刑事 4】(19.09.26)
【退職刑事 5】(21.11.18)
| 固定リンク
コメント