標野凪【本のない、絵本屋クッタラ】
著者:標野凪
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2023/02/02
出版社: ポプラ社
レーベル: ポプラ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-591-17696-2
ほっとひと息つける連作短編集
変わった本だ。
最初の語り手は、八木。ヤギ。
八木は名字や駅名・地名だが、ヤギは動物の一種だ。目で読むと同じだが、発音するとアクセントが違う。
始めは普通に、八木という青年(?)が語っているのかと思った。
住んでいるのは、二階屋。その一階部分がカフェで、八木の居住部分は二階だ。
共同経営者の奏は、近くのマンションに住んでいて出勤してくる。
客が来ると奏が裏戸を開き、八木は「客の目に触れぬよう」裏庭へ出る。
その前にも、外階段を使って道路から直接二階へ上がれ、客と顔を合わせなくてもすむという表現があり、「??」と思った。
また、ちぎったカブの葉っぱをそのまま喜んで食べる八木にも「??」。
やがて八木はヤギだと判るのだが……。
物語そのものは、毎回客が持ち込んでくるテーマに沿った本を選ぶ、という形式を取る。
話しをする間、スープが供される。
店に本があるわけではないので、客は古書店から届いてのを取りに来る必要がある。
という設定で、6編の短編が紡がれる。
スープとして提供される北海道の食材が、何ともおいしそうだ。
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この本には、随分心が癒されたっけ。
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