光原百合【時計を忘れて森へいこう】
著者:光原百合
価格:817円
カテゴリ:一般
発売日:2006/06/28
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:4-488-43202-6
ミステリ作家・光原百合のデビューを飾った心やさしい物語。
実は再読
光原百合さんは好きで、特に本書は大好きだった。
一時絶版かなと危惧していたが、同じ体裁の文庫本が見つかった。2006年発行だから、随分古い本だ。
若杉翠と深森護
主人公の名前だが、何だか名前そのものが主人公たちを表しているようだ。
殺伐とした事件が起きるわけではない。
日常の謎を、翠が話し、護が解く。
只それだけの話だが、信州の自然とあいまって、なんとも言えず気持ちが温かくなる。
第一話では、翠の級友が担任にぶたれたのを許さないというもう一人の級友の思い違いを、護が解く。
それ以来、3人はごく仲良しになる。
楽しいのは、翠の護への想いがバレバレなのを、平気なことだ。
第二話は、婚約者を事故で亡くした草平の疑惑を、護がひもとく。
第三話は、冬のキャンプ。ここでも翠は、チャッカリ護の隣の席を占めたりしている。
きれいなところ、素敵なところではあるが、冬の寒さを思うと、暮らすのは難しそうだ。
著者の光原百合さんは、昨年亡くなっておられた。お若い方の死は、悲しい。
もう新しい作品には、お目にかかれないのだ。
古い本も、ほぼ古書でしか残っていない。
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