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2023.03.04

中山七里【静おばあちゃんにおまかせ】

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著者:中山七里
価格:803円
カテゴリ:一般
発売日:2014/11/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-790240-7

最後まで予断を許さないストーリー展開で一気に読ませる痛快アームチェア・ディテクティブ連作。

 

5作からなる連作小説。

第一話を読んだ限りでは、かなり面白い。
例によって(?)、表紙絵はどうかと思う絵だが、これまで拒否感のあったものよりは若干マシか。

警視庁捜査一課の刑事 葛城。
その恋人(未満)の円。
円の祖母 静の三人がメインの登場人物。

静は元検事。女性で20番目に検事になった人物だとか。

葛城の「困った」を円が聞き、それを静に話して、その話しだけで静が解決するという、少々まだるっこい安楽椅子探偵もの。

【第一話 静おばあちゃんの知恵】

尊敬する先輩が犯人にされた。葛城は三日間休暇を取って、神奈川県警に乗り込む。

この(身近なところに真犯人)展開、第五話もだったが。
静の分析あってこその真実だが、それをキチンと説明出来る葛城は、自分で思っているほど凡庸な刑事ではない。

 

【第二話 静おばあちゃんの童心】

ここでは、犯人以外には遺産が転げ込む。
何とも理不尽だ。

こんな話、夏樹静子のにもあったなぁ。あの時は何人かが共謀していたが……。

 

【第三話 静おばあちゃんの不信】

これは宗教がらみだが、手品(魔術)のトリックを使うという、かなり安直な犯罪。

そう言えばよく、室外から誰かが中にはいる。と、室内の人物は壁沿いに立っていて、人が入ってきたのをソッと見送って外へ出る。
というのは、たまに出てくる密室もののトリックだ。

それよりも、これを契機に葛城の恋人未満だった円は、無事恋人になったようだ。

 

【第四話 静おばあちゃんの醜聞】

外国人労働者への差別意識がもたらした犯罪。
冤罪は絶対に防がなければいけないと説く静だが、彼女自身、現役時代に冤罪を起こしていた。
その反省からの、重い言葉だ。

 

【第五話 静おばあちゃんの秘密】

とんでもない、秘密だった。
予想もしない展開で、こちらも見事に騙された。

 

結構面白かった。
話しの結末からして、続刊は出ないだろうな。ちょっと残念。

 

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