青山美智子【お探し物は図書室まで】
著者:青山美智子
価格:814円
カテゴリ:一般
発売日:2023/03/02
出版社: ポプラ社
レーベル: ポプラ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-591-17601-6
自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
東京のとある区では、住民のためのコミュニティーハウスという建物があり、そこでは色々な講座が開かれていたり、図書室もある。
さまざまな悩みを抱えて生きている人たちが、ここを訪れて、自分で道を見つけていく。
それは、まさに「図書室で捜し物が見つかった」ことによる。
この図書室のレファレンス係という女性が非常にユニークなのだが、ピタリの本を教えてくれるのだ。この女性、小町さゆりさん。名前からは想像できない偉丈夫(?)で、始めはみんなビックリする。
悩んでいる人はさまざまだ。同じセンターへ行くのだから当然だが、章を超えてつながりがあったりする。
【一章 明香 二十一歳 婦人服販売員】
【二章 諒 三十五歳 メーカー経理部】
諒の恋人が、いい感じだった。諒とはかなり年の差があるが、しっかりと自分を持っている。
【三章 夏美 四十歳 元雑誌編集者】
子育ては、予想もしてなかったことの連続だ。
【四章 浩弥 三十歳 ニート】
絵が好きで、デザイン学校を出たのに、絵の仕事には就けなかった浩弥。
コミュニティーセンターに通ううち、小町さんに勧められた本を読んで、少しずつ自分を取り戻していく。
高校時代に自分の絵を褒めてくれていた友人は、書くことが好きで、いつも小説を書いていた。
その友人は、違う出版社に転職した夏美との縁で、作家デビュー出来ることになった。
浩弥は、実は母親が自分をソッと見守ってくれていたことに、今さらながらきづくのだった。
この章で、司書見習いの過去に少し触れて、小町さんの姿がより鮮明になった。
【五章 正雄 六十五歳 定年退職】
趣味も何も持たない男の定年後は、かなり厳しいものである。
妻はIT企業で働いていたこともあり、今はコミュニティハウスでパソコンの講師をしている。
冒頭作で、明香の先生になった女性だ。
そんな中、コミュニティーハウスの図書室に通ううちに、正雄も自分を見つけていく。
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