辻村深月他【時の罠】
著者:米澤穂信他
価格:539円
カテゴリ:一般
発売日:2014/07/10
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-790146-2
綺羅、星のごとく輝く人気作家たちによる、“時”をテーマにしたアンソロジー
米澤穂信もあったので読んでみたが、狙いの本編はまったく面白くなかった。残念!
もう一つ、万城目学の【トシ&シュン】も、万城目らしいのかもしれないが外れだった。
冒頭作、辻村深月【タイムカプセルの八年】は、PTA(親父会なるもの)のめんどくさい付き合いを嫌っていた語り手が、かなり積極的に息子を救う行動に出るのが面白かった。実は自分の生活が脅かされるのを恐れたのではあったが……。
結局妻も息子も、そのことを知らないままだったのだろう。だが息子は、担任の本質を早くに見抜いていたようだ。
こういういわゆる「熱血教師」(受け狙い教師とも言う?)って、いるんだよね。
教師の本分は、やはり子どもたちにしっかりした学力をつけることではないのか。
最後の湊かなえ【長井優介へ】も、タイムカプセルを扱っている。
湊かなえは何となく敬遠してきていたが、本作はよかった。
「時」は時に罠を仕掛ける。小学校時代からの思い込みが、タイムカプセルを開けるときになって、初めて明らかにされる。
家庭教師だった緑川先生の、なんとも言えぬ粋な計らいに涙が出る。
だが、語り手の今の苦境が無くなったわけではないが……。
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