ジョセフィン・テイ【時の娘】
著者:ジョセフィン・テイ (著),小泉喜美子 (訳)
価格:880円
カテゴリ:一般
販売開始日:2012/09/28
出版社: 早川書房
レーベル: ハヤカワSF・ミステリebookセレクション
ISBN:978-4-15-072701-7
安楽椅子探偵ならぬベッド探偵登場。探偵小説史上に燦然と輝く歴史ミステリ不朽の名作。
ちょうど10年前に購入したままになっていた。
入院中の警部が、退屈紛れに手にした歴史本。
それらを読む内に、悪名高きリチャードⅢ世について知るようになる。
これはコリン・デクスターの【オックスフォード運河の殺人】を思い出させる。
中世の王政というまことに難しい題材を取り上げていて、歴史の勉強になる。
イギリスBBS(だったと思う)がシェークスピアを次々取り上げていて、この」「リチャードⅢ世」についても観た記憶がある。
さて本書だが、非常に面白かった。
極悪非道のリチャードⅢ世は、言われているような悪人ではないという説を展開している。
動くことの出来ないグラントは、キャラダインを助手に、さまざまな資料を調べていく。
次第に、リチャードが甥を殺した事実はなかったということがあぶり出される。
歴史書に書かれていたことは、後世の朝廷におもねった伝聞書きだというのだ。
この調査が実に綿密で、勿論ネットなどは使わず、キャラダインが足で調べていくのだった。
リチャードⅢ世は稀代の悪人ではないという説はかなりあるらしく、「リカーディアンと呼ばれる歴史愛好家たちもおり、欧米には彼らの交流団体も存在する。」と、Wikipediaにはあった。
そして本書も、リチャードを正義感の強い人物として描いた小説だと紹介している。
関連(不関連?)記事
【オックスフォード運河の殺人】(17.05.27)
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