モンゴメリ【青い城】
著者:モンゴメリ
価格:902円
カテゴリ:一般
発売日:2009/02/25
出版社: 角川書店
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-217909-2
周到な伏線と辛口のユーモアに彩られ、夢見る愛の魔法に包まれた究極のロマンス!
本書は、およそ4つに分けられる。
一つ目が、主人公ヴァランシーのこれまでの日常。
モンゴメリは大好きだが、読んでいる内に嫌いになっていった。
29歳を迎えるヴァランシーは、さして美人でないオールドミス。
母親をはじめ、周りの人たちの言うままに、唯々諾々と従っている。
そのいじめともいうべき扱いがひどく、何度もう読むのを止めようかと思ったことか。
訳者あとがきにあるのだが、訳書も出版社に持ち込んだとき、「もう10歳若い主人公で、分量も半分なら……」と言われたとか。
彼女のささやかな息抜きは、夜一人ベッドに入って、自分の「青い城」を空想することだった。
次が、ヴァランシーが医者の手紙で余命1年と知り、俄然生き方を変えるところ。
この辺から猛烈に面白くなり、ページを来る手が止まらなくなった。
何でもズケズケ言うようになり、親戚の者たちを唖然とさせる。
そして独立するため、近所の家へ家政婦として働きに行く。
出会ったバーニーに恋をして、自ら頼んで結婚して貰う。
バーニーが住んでいたのは小さな島で、そこはまさにヴァランシーの「青い城」だった。
バーニーは自分の仕事部屋だけは絶対の覗くなと言い、それ以外は彼女の好きにさせてくれた。
ヴァランシーは、生き生きと二人の生活を楽しむ。
しかしそんな中、自分が不治の病ではないと知るのが、三つ目。
バーニーは同情から結婚してくれたのだから、自分はもう「青い城」にいることは出来ないと、実家へ帰ってくる。
最後はバーニーが迎えに来てくれて大団円となるのだが、そこにもう一つ仕掛けがあった。
まさに「白馬の王子さま」が迎えに来たのだ。
読者も、ホッとする。
ヴァランシーとバーニーが暮らしていたところの自然が素晴らしく、モンゴメリがプリンスエドワード島以外の場所を描いた唯一の作品らしい。
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