恩田陸【チョコレートコスモス】
著者:恩田陸
価格:880円
カテゴリ:一般
発売日:2011/06/23
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-371003-4
無名劇団に現れた一人の少女。天性の勘で役を演じる飛鳥の才能は周囲を圧倒する。いっぽう若き女優響子は、とある舞台への出演を切望していた。開催された奇妙なオーディション、二つの才能がぶつかりあう!
読みながらメモ代わりに以下に記していたのだが、読み終わったら、それらは全て飛んでしまった。
紹介文にある通り、まさに響子と飛鳥、二つの才能のぶつかり合いに圧倒された。
そこに芹沢という、天性の「詐欺師」がからんで、二人を翻弄する。
このあとの、飛鳥の、そして神谷や巽のこれからは……。
続編があるということだが、刊行されてはいないようだ。雑誌連載の、その雑誌が廃刊になったかららしい。
本書の登場人物にはモデルがあるという。
東響子・・・・・松たか子
安積あおい・・・松浦亜弥
宗像葉月・・・・寺島しのぶ
岩槻徳子・・・・浅丘ルリ子
なるほど、と納得。
松たか子と寺島しのぶ、さもありなん。浅丘ルリ子も、言われればそうかも。
そして徳子が10代の少女を演じたというのならば、まさに少女時代の浅丘ルリ子を知っている身からすれば、あの姿が再現したのだなと、これまた納得。
飛鳥にはモデルはないとか。そりゃ、こんな女優さんはいないわな。
まさに(いい意味での)ロボット、AI。続巻以降で、「素の自分」がどう現れてくるか、楽しみなのに。
以下、メモなど
登場人物たちの視点毎に書かれているので、慣れるまでは読んでいるところとその前のところがごっちゃになり、なかなか馴染めなかった。
しかし次第に引き込まれていく。さすが恩田陸。
本書には、3人の脚本家が登場する。
演出家を兼ねているプロ。
学生の劇団で、演者よりは座付き脚本家を目指しているアマチュア。
そして、脱サラしてテレビなどの脚本を書いている神谷。
他に、かなり有名になった俳優たちと、彼らの絡みもある。
ひょんなことからちゃんとした劇場で旗揚げ公演が出来ることになった、学生劇団。
ここには、練習している公園でずっと見学していた飛鳥という少女も参加するようになっている。
たった2週間で準備をしたのだが、意外や玄人筋の客が多く、反応も大きかった。
二日連続で見に来た客もいる。
そんな客の一人が、神谷だった。
彼は舞台いる演者の一人飛鳥に注目する。彼女は神谷がいつも仕事をしている窓の外の公園にいて、周りの人たちの真似をしているように見え、神谷の注目を浴びていたのだ。
当初見たことのある子だと思ってもそれに気づかない神谷。
一方女優の響子は、共演者との距離になやみ、考え込んでいる。
と、それぞれの立場での葛藤を描いていく。
大好きな恩田陸作品
【夜のピクニック】(06.10.31)
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