瀧羽麻子【ぱりぱり】
著者:瀧羽麻子
価格:652円
カテゴリ:一般
発売日:2017/06/03
出版社: 実業之日本社
レーベル: 実業之日本社文庫
サイズ:16cm/260p
利用対象:一般
ISBN:978-4-408-55362-7
詩人「すみれ」とかかわった人々が見つける幸せの形を描く、青春&家族小説。
紹介文にあるように、「詩人」である菫と関わった人たちの視点から、それぞれの章がなりたっている。
時代は違うが、この間ずっと、菫は小さな手帳に感じたことを書き留めていた。
冒頭で表題作の【ぱりぱり】は、菫の妹の視点から。
小さいときから菫の後をついて歩いて、かばっていた。
そして菫と同じ担任から「普通なんですね」と言われる。
次の【うたう迷子】は出版社の編集者。菫の担当で、第一詩集が売れたため二冊目を出した。しかしそれがまったく売れず、車内でも肩身狭く過ごしている。
吹っ切るには三冊目を出すしかないと、菫に発破をかけているのだが……。
【雨が降ったら】では、東京で一人暮らしを始め大学生、葵の語りだ。
菫のアパートの隣に住んでいる。
【うぐいす】は、女子高の教師
小説家になりたかった彼は、古文の教師になっている。
春休みの補習クラスには3人の生徒が来ていて、その内の一人が菫だった。
授業後、その内の一人(実は菫)が校庭でウグイスを見ている彼女に会う。
菫の提出して課題は、一編の詩になっていた。
【ふたりのルール】
この回は、先の【うぐいす】で補習を受けていたサエが語り手。
同棲している夏彦に頼まれて行った本屋でのサイン会で、菫がサインをしているのに驚く。
最後の【クローバー】は、母親の視点から。
幼い頃の菫に振り回されながらも、しあわせに暮らしている。
掲載順ではなく時系列に並べてみると、
【クローバー】幼少時代
【ウグイス】高校時代
【パリパリ】一人暮らしを始め、二冊目を出版した頃。
【雨が降ったら】
【ふたりのルール】でサイン会が行われているということは、「すみれ」の三冊目が出版されて、しかも好調な売れ行きだと言うことを表している。
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