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2023.07.31

群ようこ【ネコと昼寝 れんげ荘物語】

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著者:群ようこ
価格:550円
カテゴリ:一般
発売日:2018/08/09
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-4195-7

自分の将来のことなど、少々心配なことはあるけれど、心穏やかにキョウコの「れんげ荘」暮らしはつづく――。

 

そうは言っても少しずつ変化はあるわけで、実家では母と孫たち(キョウコの甥・姪)とのトラブルが絶えないようだ。

甥の就職先に関して、名を知られていないから近所の手前が悪いという母。
姪も、そろそろ自立を考えている。

ご近所では、若いチユキさんは時々地方へアルバイトに出かけ、一番奥にいる、始終旅をして落ち着かなかった女性も定住し始めた。
彼女の食生活を気にして、時には奢ってあげるキョウコである。

 

そんな中、母が倒れた。
緊急時ではあっても何も出来ない自分に落ち込むキョウコだったが……。

 

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「山びこ学校」無着成恭さん死去 生活綴方を実践、ラジオでも人気

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「山びこ学校」無着成恭さん死去 生活綴方を実践、ラジオでも人気

失礼ながら、まだご存命であったとは存じ上げていなかった。

子どもの頃知った「山びこ学校」での先生像は、叔父が田舎教師で合ったこともあって、自分の憧れの存在だったやもしれぬ。
当時「生活綴り方」というのは、映画の影響もあったが。

「全国こども電話相談室」での回答者も勤めておられたのだとか。

 

画像は9年前、この時は母の見舞いだったかもしれない。

 

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2023.07.30

児玉清【寝ても覚めても本の虫】

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著者:児玉清
価格:649円
カテゴリ:一般
発行年月:2007.2
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-130651-3

ご存じ読書の達人、児玉清さんの「海外面白本探求」の日々を一気に公開。

 

先に書いた【児玉清の「あの作家に会いたい」】を再読していて児玉さんにもっと会いたくて、矢も楯もたまらず購入。

全体は大きく四つに分かれている。

1.いつもそばに本があった

2.本棚から世界が見える

3.わが愛しの作家たち

4.女流作家の時代に乾杯

それぞれに10篇から40篇以上もの本が、紹介されている。
一つ一つはごく短くて、どんどん読んでいける。

 

お好きなのは海外の小説が多いので、翻訳本を読み尽くした後は原書で楽しんでおられたようだ。

それにしても、ものすごい読書量だ。自分も本が好きだが、足許にも及ばない。

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【あの作家に会いたい】(11.08.22)

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2023.07.29

ツイッターのロゴ、青い鳥に別れ告げ「X」へ

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ツイッターのロゴ、青い鳥に別れ告げ「X」へ マスク氏が変更を予告

この記事では「予告」となっているが、すでにロゴが変わった。

あの可愛い小鳥ではなく、無機質な「X」のマーク。

これを契機に、Twitterを離れる人が多くなるのだろうか?

アカウントを勝手に凍結されたと起こっている企業もあったが、朝日新聞は早々に他のSNSに移動中のようだ。
そこはInstagramのアカウントで入れるとか。Facebookとも連動している??

SNSは情報を知りたいだけなのに、余計なものが表示されたり、雑音が多すぎる。
そろそろ、考えてもいいかもしれない。

 

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2023.07.28

柴田よしき【消える密室の殺人~猫探偵 正太郎上京~ 猫探偵正太郎】

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著者:柴田よしき
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2018/06/12
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-77669-5

事件の真相を究明しようと、猫仲間とともに正太郎が奔走する冒険譚。

 

【ゆきの山荘の惨劇~猫探偵 正太郎登場~ 猫探偵正太郎】の続編。

前回の表紙絵は正太郎だけだったが、本書では3匹登場。
舞台が猫タレントの集まっている場所だったから、当然といえば当然の話。

 

送られてきた雑誌の一文を読んで激高した正太郎の同居人(桜井)は、後先も考えず、それでも正太郎はしっかり引き連れて上京。
出版社でいちゃもんを付け自分はホテルへ泊まったが、正太郎はこのスタジオに預けてしまった。

そこには大勢の猫タレントがいて、スタジオ横のトイレで人間と猫の死体が発見されるという展開になる。

場所は密室状態。
その建物に入る入口は一箇所しかなく、警備委員に不審な人物は目撃されていない。

真相は、たまにある双子がらみだったが、正太郎の推理が素晴らしかった。
そこへ猫軍団が協力して、犯人を見つけ出す。

「ゆきの山荘」で活躍した浅間寺もサスケも、今回は登場しない。
このシリーズ、まだまだ続きがあるようで楽しみである。

 

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【ゆきの山荘の惨劇】(23.07.24)

【消える密室の殺人~猫探偵 正太郎上京~ 猫探偵正太郎】(23.07.28)

【猫は引っ越しで顔あらう~猫探偵 正太郎の冒険4~ 猫探偵正太郎】

 

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2023.07.27

ついに日本一

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今日は朝から空気がおかしい。
いつもより早い時間から、エアコン作動。

そうしたら

大阪府枚方市で今年最高39.8℃ 3日連続して国内で40℃近い暑さを観測

と出た。

まったく、息をするのもシンドイ暑さだ。

 

画像は3年前、手術当日。

 

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林真理子【ルンルンを買っておうちに帰ろう】

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著者:林真理子
価格:484円
カテゴリ:一般
発売日:1985/10/31
出版社: 角川書店
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:4-04-157904-X

読み始めたら止まらないと大絶賛を浴びた、抱腹絶倒のデビュー・エッセイ集。

 

【成熟スイッチ】を読んで、ますます著者が嫌いになり、だが食わず嫌いではいけないと、デビュー作の本書を読んでみた。

結果、もっと嫌いになっただけだった。

まったく、品が無いというか、こんなのが40年前に売れていたのか?

 

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作家の森村誠一さん死去、90歳 「人間の証明」「悪魔の飽食」

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作家の森村誠一さん死去、90歳 「人間の証明」「悪魔の飽食」

割合最近、国会前で演説をなさったと伺ったような記憶があるのだが。

やはりあの【人間の証明】は衝撃的だった。

『かあさん、僕の麦わら帽子はどこへ行ったのでしょう?』かなり不正確だが、このセリフは当時よく聞かれた。

その後何冊か著者の本を読んでいる。清張のような視点とはまた違った、でも社会の悪に対する義憤のような本が多かったような。


晩年刊行された、写真日記のような俳句関係の本は、楽しかった。

 

画像は3年前、術後3日目。

 

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2023.07.26

椹野道流【ローウェル骨董店の事件簿 交霊会とソルジャーベア】

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著者:椹野道流
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2017/11/25
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-106252-4

知恵と絆で謎を解く英国ミステリ!

 

シリーズ最後の一冊は、「交霊会とソルジャーベア」。

知人の医者に交霊会に誘われたものの、気乗りがしないデューイ。普段からのクラシックな服装も、誘われた理由らしい。
だが友人の遺児である養い児ケイも、弟のデリックも、出席を強く勧める。

当日、長男の霊を待つ男爵と、彼に交霊会を持ちかけた医師、デューイと知人の医者は、男爵の居間に集まる。
それ以前、食事会では男爵に次男も列席していたが、父親にひどく貶められて席を立ってしまう。

交霊会の会場は真っ暗で、そんな中、文字盤が不思議な動きをしたと思ったら窓が開き、気づくと男爵は死んでいた。

まさにデューイは現場にいて目撃者になったのだが……。

ほぼそうなるかなと言う解釈で落ち着いたが、こうした古い家のしがらみというのはケイも体験しており、イギリス人の気質とも言える。

シリーズ三冊とも面白かったが、やはり表紙絵に違和感が残った。

 

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【ローウェル骨董店の事件簿】 センチメンタル・ジュエリーの謎】(23.07.16)

 

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2023.07.25

山手線運転見合わせ

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昨日、東京山手線で始発から外回り・内回りとも、運転見合わせとのニュースが流れた。信号機点検の余波だとか??
お昼頃には復旧したらしいが、新宿駅など、ひどいことになっていた模様。

 

「世界の乗降客は多い駅ランキング」というのがTwitterに貼り付けてあったが、一位は新宿駅、二位が渋谷、三位は池袋と、いずれも「山手線」に関係ある。ちなみに4位は、「大阪(梅田)」だった。括弧書きで「梅田」があるというのは、JR・私鉄合わせて大阪駅近辺の合計ということかな?北新地も入るのだろうか?

以下、横浜、北千住、東京、名古屋と続き、ようやく9位にインドのハオラ駅がランクインしていた。

こんなに日本の駅が多いのは、交通が整備されて通勤通学に使う人が多いからだとか。しかも、時間が正確だという要素も大きいようだ。

それにしても、人口が大都市に集中しすぎだと、そのサイトでは指摘していた。

 

新宿駅1位で東京駅は7位、大阪駅が4位で新大阪駅は78位と後退する。
新大阪って、ある意味何も無いからなぁ。

 

画像は「南側より見た新宿駅全景」(Wikipediaより)

 

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2023.07.24

柴田よしき【ゆきの山荘の惨劇】

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著者:柴田よしき
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2017/06/13
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-77484-4

人間の会話を理解する猫探偵正太郎が大活躍するシリーズ第1弾。

 

本書を読んで正太郎ファンになり、以後シリーズを追いかけているのだが……。

舞台は、人里離れた山荘、土砂崩れによる通行不能な道路。いわば一種の密室での殺人劇。

この山荘は、奈良の山奥にあるようだ。
主人公で語り手でもある正太郎は、いつもは琵琶湖沿いに住む女流作家の家にいる。

山荘へは、正太郎が同居人と呼ぶ桜川ひとみと担当編集者糸山と共に向かっている。

山荘には、結婚式を挙げる予定の鳥越とそのフィアンセ白石。その愛猫トマシーナ。
それに、正太郎の最初の主、浅間寺竜之介とその愛犬、サスケ。サスケは正太郎の親友でもある。

他に、作家が三人(川内・桜川・白石)と、それぞれの編集担当者(山脇・糸山・山県)。

 

なぜ、新婦鳥越は、こんな山奥で挙式しようと思ったのか?
その謎を解くために、ひとみも協力する羽目になる。

余興のつもりだった殺人劇が本物となり、全員パニックになる。

そんなとき、テキパキと後始末をしていくのが、浅間寺だった。

事件は悲惨だったが、正太郎やサスケの活躍ぶりが楽しかった。

 

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2023.07.23

伊坂幸太郎【ロングレンジ】

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もうすぐ結婚30周年を迎える両親、単身赴任中の夫とその妻、2年ぶりに会う姉弟。ひとつの家族をめぐる物語。


伊坂幸太郎さんのKindle Single版

ホンの短い話だが、伊坂さんらしいユーモアに溢れた好感度の一篇。会話がテンポよく進み、普通なら言いにくいこともサラッと言い合える家族が好ましい。

この続きが知りたいなぁ。

電子オリジナル短編小説の特典として収録されていた【アイネクライネナハトムジーク】は以前読んでことがあり、仙台駅前が浮かぶようで楽しかった。
意外と、話の展開を覚えていた。

 

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ネットスーパー

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長らく利用しているネットスーパーが、出来るだけカタログをオンラインにせよと迫る。ネット会員は、月々の利用料が無料だと。

来月からは、利用料の他に、一回の配達毎に100円の配達料も発生するらしい。

そんなにしてまで、カタログを配るのが嫌なのか?経費節減のつもりだろうが、逆の場合もあるのでは?

現に自分は、カタログを断ってから、ここで買う頻度も買物量も減った。
これまでは週に一二回は頼んでいたのに。

現在買物は毎週のコープとこのネットスーパーでほぼ賄えていたので、実店舗の生協の店へ行っても然程買物は無かった。
ゆうちょ銀行の通帳記載とか、コンビニでの支払とかもする、週一くらいの外出だった。

それが、このところネスパより店で買う割合が増えつつある。

カタログが来ると、(捨てるかどうかの)より分けのために、一応目を通す。その折りに魔が差して(?)、つい余分なモノまで買ってしまうこともあった。
今は、わざわざ定番以外のネットカタログは見もしない。

自分について言えば、この度の処置でスーパー側にはマイナスに働いたように思う。

とはいっても、一主婦の判断など、会社にとっては痛くもかゆくもないないのだろうが。

 

もっとも、ネット経由で買いものをしていることも多いので、今書いたことは矛盾しているとも言える。

野菜については、又今度。

 

画像は、9年前の今日。研修会出席のため、多摩川を渡る。

 

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2023.07.22

エラリー・クイーン【Yの悲劇】

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著者:エラリー・クイーン
価格:1,056円
カテゴリ:一般
発売日:2022/08/19
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-10445-0

巨匠クイーンのレーン四部作屈指の傑作であり、オールタイムベスト常連の古典名作ミステリが21世紀によみがえる!

 

やはりこれは、傑作だと思う。
しかし、あまりにもひどい差別用語に、しばしば嫌悪感を持つ。

若い頃読んだきりで、中身はまったく忘れていた。

「呪われた一族」的な話は、本書あたりが最初ではないかな?

だがそんな中でもするホッとする要素はあって、長女とその継姉に救われる。
当時すでに点字がかなり普及していることが判る。

最後の、地方検事の言葉がよかった。
警部ももう少し、気持ちに余裕を持てればいいのだが。

 

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【Xの悲劇】(23.07.12)

 

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2023.07.21

大宅壮一文庫、1億4千万円かけシステム大改修

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大宅壮一文庫、1億4千万円かけシステム大改修 雑誌文化を次世代に

実際に利用したことはなかったが、以前から関心はあった。

索引作りの仕事、楽しそうだな。

 

関係ないが、学生時代に民俗学のデータ作りのバイトをしたことがある。
来る日も来る日も、一生懸命キーワードを拾って書いていたっけ。当時、勿論「入力」ではなく、「書いていた」だ。

 

この文庫でも、アルバイトも動員して手書き入力なさっていたみたいだ。
今回、それらも一気にデジタル化した模様。

ネット会員もありなのかなぁ。

 

画像は2年前、病院玄関から。

 

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2023.07.20

柴田よしき【あおぞら町 春子さんの冒険と推理】

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著者:柴田よしき
価格:638円
カテゴリ:一般
発売日:2022/03/17
出版社: コスミック出版
レーベル: コスミック文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7747-6367-5

鮮やかな謎解きと春子さんの人柄に癒される連作ミステリー。

 

連作短編集

春子は、プロ野球選手の妻で、元看護師。
夫の拓郎は二軍のキャッチャーで、いつ戦力外通知を受けるかもしれない、微妙な位置にいる。
春子は拓郎の現役中は専業主婦でいることにしている。

この春子が探偵役で、拓郎はワトソン。二人とも、非情に感じの良い夫婦だ。

春子もだが、拓郎の人となりが非情に好もしいのだ。

 

冒頭作【春子さんと、捨てられた白い花の冒険】

これは、どこかのアンソロジーで読んだことがある。

パンジーの鉢を捨てる話から思い出した。
随分と陰惨な話だった。

だが主人公春子さんの明るさが、この話の救いだった。
担当刑事が「虫が好き」というのも、何かホノボノしていてよかった。

 

【陽平くんと、無表情なファンの冒険】

次は、二軍の球場にいつも来ている女性がターゲット。タイトル通り「無表情」というのがヒントになっている。

ここでも、拓郎が後輩たちから慕われている様子がうかがえて感じがいい。
陽平くんというのが、一軍でも活躍していたピッチャーで、自分の披露宴で拓郎に司会を頼みたがっている。

しかし今回の事件は、結構あり得るかもという話だった。
「無表情」な彼女のことではなく、詐欺の手口がだ。

 

話の中で、先代猿之助へのストーカー事件の話題が出てきて、(関係はないが)最近の事件を思い出した。

 

【有季さんと、消える魔球の冒険】

元有名選手の妻、有季さんの話。

「巨人の星」は実際には読んだことがなかった。「消える魔球」が出てくるのか。

本編では、拓郎の次シーズンの去就も決まり、春子も自分自身のことをも少し考えるようになったところで終わっている。

著者あとがきによると、このあとも続けて行きたいようだった。

 

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2023.07.19

香住泰【稲荷山誠造 明日は晴れか】

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著者:香住泰
価格:601円
カテゴリ:一般
発売日:2015/04/18
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
利用対象:一般
ISBN:978-4-7993-1665-8

金のことしか頭にない頑固物だが、パワフルな行動力と肝っ玉をもつ誠造(70歳)と、大食いなだけで頼りない翔(19歳)。
かみ合わない爺孫(じじまご)コンビは、桃代(誠造の娘で翔の母)を見つけ出すことができるのか!?

 

めちゃくちゃ面白かった、一気読み。

「本のサナギ賞」というのは、「未発表の作品を現役の書店員が審査・投票し、」世に出したい作品を選ぶ賞らしい。「本のサナギ」を見つけ、ベストセラーという「蝶」に育てて羽ばたかせたい、という思いから名づけられたという。しかし残念ながら、現在は継続されていないようだ。

 

誠造は頑固一徹のようでいて、そうではない。状況に応じて、臨機応変に物事に対処できる。

まぁ、描かれている世界が特殊で、娘の桃代に嫌われてしまったのも無理はない。
今後、桃代の姿勢が変わりそうで、ホッとする。実は彼女も、父親譲りの頑固者であったのだが……。

また、頼りない翔だが、次第に変わっていく様子が見て取れて、これには誠造の姿勢がいい影響を与えたのだろう。
その内、ひょっとしたら、翔が社長になるまで誠造が頑張るかな?

また、神出鬼没の探偵、館林も重要な役どころで楽しかった。

 

著者には他に【幸せジャンクション】という小説もあって、書店員さんが激賞しているとか。
こちらも読んでみよう。

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猛暑つづく

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毎日毎日、うだるように暑い。

天気予報では「危険な暑さ」とか言ってるが。

この季節は又、さまざまな行事があるころでもある。
祇園祭はまさにまっただ中だが、大阪では天神祭もある。

祇園祭というと、小学生の頃行ったきりだが、当時は歩いて行ったんだったっけ?
この頃はまだ夏休みが始まったばかりで、宿題などそっちのけで遊びほうけていた。

 

そして祖父母の元へ行くのが恒例だった。

その郡上が、17日は全国で8番目に暑い場所になっていた。
昔行ってた頃は、昼間でも日陰は涼しかったのに。

 

家の中にいても熱中症になるかも、という暑さで、アコンフル稼働。しかたない!

 

画像は10年前の7月19日。佐世保のホテルから。

 

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2023.07.18

大山淳子【イーヨくんの結婚生活】

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著者:大山淳子
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2016/05/13
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-293386-5

五人兄弟の長男をとつぜん亡くした夏目家の通夜に、長男の婚約者を名乗る妊婦が現れた。親代わりに五人を育てた伯父夫婦の苦肉の策は、どんな頼まれごとでも「いいよ」と引き受ける末っ子・伊代太との無茶ぶりすぎる結婚!

 

普通の語り以外に、天国へ行った母親が戻ってきて、一家を見守りながらの語りもある。

5人それぞれ、個性豊か。
いや、妻の死で家を出てしまった父親も、充分個性豊かすぎだが。

兄弟を育てたのは、母親の兄夫婦。
夫の方は口を出しすぎの感があるが、妻が上手にコントロールしている。

途中、伊代太がいかに周りに利用されていたかが語られていき、こちらまで歯がゆくなる。
こんな「いい人」が、今時いるわけが無い。

伊代太の妻になる女性のだらしなさが気になるところだが、その根本の理由は、彼女の出産後に明かされる。

その最後の最後で、何でも「いいよ」と引き受けていたイーヨ君が「いやだ!」と言った。ちょっと感動的。

そして、今がある!

 

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2023.07.17

林真理子【成熟スイッチ】

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著者:林真理子
価格:924円
カテゴリ:一般
発売日:2022/11/17
出版社: 講談社
レーベル: 講談社現代新書
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-530274-3

ベストセラー『野心のすすめ』から9年、人気作家が成熟世代におくる待望の人生論新書。

 

何だか「ビフォー」「アフター」みたいな表紙絵だが、左の写真が成熟して右のようになったという意味か?

これまで著者の本を読んだことがなかった。
何となく毛嫌いしていたのだが、昨年日大の理事長に就任したという記事を見て、ホーッと思った。

そのことが影響してのこの著作なのだろうか?

内容は、ほぼ若い頃と現在を並べての自慢話のようなもの。

何も読まずに批判していてもどうかと思うので、何冊か紹介されている本(ベストセラーだという)を読んでみることにする。

 

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ファミコンが40周年

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ファミコンが40周年 任天堂は特設サイト、月1で全国一斉クイズも

息子たちがちょうど欲しがる年齢で、小学校に上がった頃には、級友の多くが持っていたと思う。
参観日の懇談会などで、そろそろ弊害についても話題になっていたような。

購入したのは、長男が1年生の頃だったかなぁ。

実は自分も、時々遊んでいた。だって、面白かったもの。

 

 

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2023.07.16

椹野道流【ローウェル骨董店の事件簿 センチメンタル・ジュエリーの謎】

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著者:椹野道流
価格:682円
カテゴリ:一般
発売日:2016/06/18
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-103363-0

人の絆の優しさに泣かされる英国ミステリ!

 

デューイは、懲役を忌避して二年間投獄され、戦死した親友のケイを引き取り、今は不自由な足を引きずりながら骨董店を営んでいる。
弟のディックはそんな兄に反発し、戦争に行って負傷して帰ってきた。外科医になる夢をあきらめ、検視官になっている。

兄妹の幼なじみエールは、スコットランドヤードにやってきて、二年が経つ。

ある日、デューイの店に小さなジュエリーが持ち込まれる。
そして持ち込んだ男は、無残な死体となって見つかる。

第一次大戦後のイギリスが舞台なのだが、なぜ日本人作家がこうしたものを書いたのだろうか。

本書はシリーズの二冊目らしく、あと二巻あるようだ。

表紙はデューイとケイだろうか?あるいはエールか?いずれにしても右側の人物にはあまりいい印象を持てない。

戦争の悲惨なことは、国を超えても変わらない。

初めての作家かと思ったが、以前【最後の晩ごはん】シリーズを読んでいた。

 

関連記事

【ローウェル骨董店の事件簿】(23.07.04)

【ローウェル骨董店の事件簿 交霊会とソルジャーベア】(23.07.26)

 

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2023.07.15

映画「君たちはどう生きるか」

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14日に公開された宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」。

てっきり吉野源三郎原作のものかと思ったのだが、監督のオリジナルだそう。
但しタイトルは、監督が感銘を受けた吉野源三郎原作を意識なさっているという。

製作に携わっておられるプロデューサーの鈴木敏夫さんの

すぐ横道にそれるジブリ映画 タイパ時代でも倍速視聴されにくいわけ

で、そのことを知った。

 

画像は9年前の7月15日。
会議後の夕食会の会場から見た、肥後橋近辺。

 

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2023.07.14

瀧羽麻子【ありえないほどうるさいオルゴール店】

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著者:瀧羽麻子
価格:737円
カテゴリ:一般
発売日:2021/02/04
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-43062-4

「あなたの心に流れている音楽が聞こえるんです」――北の小さな町にあるその店では、風変わりな店主が、お客様のために世界にひとつだけのオルゴールを作ってくれる。

 

タイトルがミスマッチな感があるが、これは、このオルゴール店の店主が聞こえすぎなことから来ているのだろうか?

客に合ったオルゴールを作ってくれる店。ただただ、客の心に流れている曲を聴いてくれるだけで。

舞台は、小樽だろう。
つい最近行ったところだし、以前歩いたところも出てくるので、これはほぼ間違いない。
「北の国」「運河」「オルゴール」、そして極めつきは、第一話【よりみち】に、廃線跡が出てくるから。

収録作は他に

【はなうた】

【おそろい】

【ふるさと】

【バイエル】

【おむかい】

【おさきに】

すべて、仮名で表されているのも、著者のこだわりか!

漁師の父親と相容れず、東京へ出ていた主人公が、父の法事で帰郷する【ふるさと】と

音楽の才がありながら、素朴な原点に立ち返る【バイエル】が好きだったかな。

 

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2023.07.13

「寝台特急 はやぶさ」時刻表の旅

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Twitterで教えて頂いて、標記のyoutubeを見てみた。
64年9月、東京発西鹿児島行きの「寝台特急 はやぶさ」の時刻表を、淡々と記している画面。
右側に時々のコメントや情報が提示されている。

なつかしいなぁ。

当時は随分たくさんの夜行列車が走っていた。
鈍行の夜行もあって、長時間かけて遠距離を走っている。
勿論今なら、走っていたとしても、とても乗る気にはならないだろう。

最近の観光用の列車ではない、本来の目的である列車を望むのが無理な話なのは解っているのだが。

「寝台特急 はやぶさ」時刻表の旅

 

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2023.07.12

エラリー・クイーン【Xの悲劇】

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著者:エラリー・クイーン
価格:1,056円
カテゴリ:一般
発売日:2019/04/24
出版社: 東京創元社
レーベル: 創元推理文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-488-10443-6

巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。

 

以前読んだのは多分学生時代で、その頃からこの「X」は少々こじつけだなと感じていた。
訳は多分大久保康雄 で、新潮文庫だったと思う。
実際に読んだのはunlimittedで、田村隆一訳のかなり古い版だった。

↑ の画像は新訳版創元推理文庫のもの。

読んでいく内に中身を多少思い出せ、ハムレット荘の佇まいも懐かしい。
レーンの俳優としての面目躍如というシーンもあって、楽しめる。

たしかこのシリーズでは女の子がレーンの助手的な探偵役をしていたと記憶しているが、それはまだ少し先の話でだったか。

あと「Yの悲劇」「Zの悲劇」、そして「レーン最後の事件」まで読んでいこうかな。

 

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2023.07.11

納豆

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「納豆は身体によい」とは、よく聞く言葉だ。
しかし、あのにおい。

たまーに、「身体にいいものだから」とばかり、3個パックを買ってくる。
そして、その内1個はかろうじて食しても、あとの2個は賞味期限切れになってしまう。

 

先週来たパルコープで、「北海道小粒納豆」というのを注文した。
小粒だから「まだまし」かなと思ったのが、選んだ理由だ。

恐る恐る、昼食のご飯にかけてみる。
うん?そんなに匂わない。ご飯と一緒に頂いても、これまでのように「いやーな気分」にはならなかった。

 

よく毎日食べている方が、器に入れた納豆をかき混ぜる、ということをなさっている。
小説などで、「何回かき混ぜた」などというセリフも読んだことがある。

今度は直接ご飯に入れるのではなく、一度かき混ぜてみよう。

 

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2023.07.10

群ようこ【働かないの れんげ荘物語】

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著者:群ようこ
価格:550円
カテゴリ:一般
発売日:2015/08/10
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-3937-4

悩みも色々あるけれど、おだやかに流れる時を愛おしみながら、ささやかな幸せを大切に生きる、ロングセラー「れんげ荘」待望の第二弾。

 

キョウコがれんげ荘で暮らし始めてから、二年、2011年春。れんげ荘は、あの大震災にも大丈夫だった

大家の好意で網戸や簡易クーラーも付き、おとなりのクマガイさんともども、楽しく暮らしている。
母親との関係は変わらず、というかほぼ没交渉で、このあたりの母親への思いは著者ご自身の体験と重なる。

小さな変化はあり、空いていたもう一つのお隣には、若い女性が引っ越してきた。
荷物はリヤカー一つ分で、そのリヤカーを、彼女は自分で引っ張ってきたのだ。

住んでいたのは立ち退きであてがわれたマンションで、友人に貸したその家賃収入がある彼女は、若いだけにも旺盛で、クマガイさんとは違った刺激をキョウコに与えてくれる。

このご近所さんや大家さん、その娘さんと、周りはみんないい人で、贅沢をしなければ楽しく暮らしていけるのだが。

キョウコのいいところは、徹底した節約生活というのではなく、食べ物にはかなり気を遣っているし、たまにはカフェに入ったり、外食もすること。
オーガニック食品を多く使うために、エンゲル係数はかなり高めだが、サプリや医者代のことを思えば健全な暮らしといえるだろう。

その単調な生活に、今回は「刺繍をする」という彩りが登場。
一日の時間を費やす「やること」も出来た。

このシリーズ、まだ続きがあるのかなぁ?

 

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2023.07.09

映画「君たちはまだ長いトンネルの中」

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Twitterで流れてきたので、何げなく観てみた。
いやー、面白かった。

22年製作で、原作は【マンガでわかるこんなに危ない! ?消費増税】だとか。

何より、主役の高校生たちが生き生きしている。

元アイドルだった国会議員は、生放送で自党の政策を批判して一緒に出演した財務省出身の先輩議員から「離党届を出すように」と言われる。
自党の不利になることにはさっさと決着をつけるのに、国民をバカにした発言者には甘い話は最近もよく聞くなぁ。
一時的に降ろしても、(もう忘れられた頃だと判断されて)復権するのはよくあること。

但しこの映画の議員は、これからが正念場だ。

 

画像は5年前の7月7日。
前の日は東京で研修会だったのだが、西日本豪雨の影響で東京からの帰阪をやめて連泊した、その次の日にあたる。

このあと山口への出張があったのだが、在来線が普通とかでヤキモキしたっけ。

 

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2023.07.08

内館牧子【すぐ死ぬんだから】

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著者:内館牧子
価格:946円
カテゴリ:一般
発売日:2021/08/12
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-524585-9

終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。

 

表紙絵に描かれている女性、ハナは78歳。
「人は見た目が一番」とばかりに、おしゃれに気を遣っている。

長女苺からは、「その辺で留めておかないと、イタいよ」と釘を刺されているが……。

長男雪男は自分たち夫婦がやっていた酒店をつぎ、嫁の由美とは色々あるものの、その子どもたち(孫)からも慕われている。
何より、夫がいつも「ハナと結婚してよかった」と、外でも言ってくれているという、しあわせな老後、のはずだった。

 

それが、夫の突然の死によって、180度覆されてしまう。

ここからの怒濤の復讐劇(?)のようなのが面白い。

その相手母子の生活もチラッと描きつつ、ハナの落とし所も探っていく。

長男の息子(孫)と浮気相手の息子が、格好いい。

 

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2023.07.07

調味料

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調味料は「さとう」「塩」「酢」「醤油」、「そ」は何だったっけ?

これだけあればいいと思っていた。

しかし実際には、「砂糖」は三温糖と、自分しか使わないコーヒー用のシュガースティックがある。

「塩」は、伯方の塩だけでいいはずだが、「六助」にはまってから使い続けている。おまけに「クレイジーソルト」というものまで使っている。
この「クレイジー」はいくつかあって、「クレイジーペッパー」や「クレイジーガーリック」もある。

「酢」は普通のものとマイルドなもの。

「醤油」類がまた幾つかある。
一番出番の多いのが、「創味の白だし」で、おなじ創味の「すき焼き」や「めんつゆ」もこの範疇にはいるか。
もう一つ、「さしみ醤油」があった。あ、「焼肉のたれ」もこの分野かな?

「そ」は思い出せないが、他にもチューブ入りの「からし」「ショウガ」「わさび」「にんにく」といったものも調味料??
本来は都度「おろす」という作業をした方がおいしいのはわかっているが、無理はしない。

でも、洒落た調味料をその時だけ使ってもあとは使い切れないし、このラインナップで自分には充分である。

 

画像は、「創味の白だし」。

 

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2023.07.06

瀧羽麻子【虹にすわる】

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著者:瀧羽麻子
価格:693円
カテゴリ:一般
発売日:2022/08/04
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-43219-2

海沿いの町の小さな椅子工房で夢の続きを見ることにした〝こじらせ男子〟の、胸アツ青春物語。

 

徳井は勤めていた会社を辞めて故郷へ戻り、家業(?)の修繕屋を手伝っている。
近所にある徳井の幼なじみの店で、親子はいつも夕食を取っている。

そんなある日、大学の後輩魚住がやってくる。
彼も仕事を辞めたのだという。

居座るつもりの魚住に振り舞わされながら、二人は椅子作りを始める。

最初はなかなか売れなかったが、ちょっとしたきっかけで知られるようになり、少しずつだが「椅子作り工房」も軌道に乗ってくる。

強引な魚住のわがままを、それでも許してしまう徳井がちょっと歯がゆい。

 

タイトルの「虹にすわる」とは、文字通り、宙にかかる虹にすわるという夢を指している。
いつかそんな日が来るようにと願う。

何点か出てくる彼らが作った椅子の、なんと座り心地の良さそうなことか!

 

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2023.07.05

笹沢佐保【シェイクスピアの誘拐 】

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著者:笹沢佐保
価格:990円
カテゴリ:一般
発売日:2023/06/09
出版社: 徳間書店
レーベル: 徳間文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-19-894863-4

暗号、安楽椅子、倒叙、アリバイ、人間消失……ミステリの様々なテーマから8つを厳選。
生涯400編の短編を執筆した鉄人作家が挑む遊び心とテクニックの集大成。

 

有栖川有栖さん激推しの一冊。短編集だが、色々変化に富んでいて、違う趣向を楽しめた。


【シェイクスピアの誘拐】

表題作。舞台上で突然自分の台本とは違うセリフを聞いて怒りを覚えた脚本家。彼は客席で観ていたのだが、同じ列にいた元女優が席を立ったのを見て、追いかける。

このこと自身は大した出来事ではなかったのだが、最後のどんでん返しが(途中予想されるものの)怖かった。


【年賀状・誤配】

正月のつれずれに誤配された年賀状のことをあれこれ詮索していた小説家夫婦が、とんでもない「真実」にたどり着く。
果たして二人は、次の日にやってくる「容疑者」ときちんと向き合えるか。

そんな状況でも、これをネタに小説がかけると発破をかける妻(兼秘書)がたくましい。

【知る】倒叙

こういった、犯人ではない「被害者になる予定」の人物のモノローグでも、倒叙というのか。


【愛する人へ】不在証明

これはまったく、かわいそうすぎる。何の罪もない(いや殺人を犯してしまうのだが)主人公だけでなく、「愛する」家族が哀れ。


【盗癖】

同情する余地のないストーリー。

 

【現われない】

彼女に恋人が出来たことは、母親と親友しか知らない。

その彼女が死んだ。しかし相手の男は、通夜にも葬儀にも「現れない」。
謎の解は最後に判るのだが、こういう手法もあるのかと納得。


【計算のできた犯行】

こんな計算、どうかと思うが……。


【緑色の池のほとり】

完全に怪談。それもおどろおどろしいのではなく哀れを誘うもので、本作中イチオシかな。

 

IntroductionとClosingを、有栖川有栖が担当している。

 

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バスと電車に乗った

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一昨日のこと

私鉄駅近辺で人に会う必要があった。

最寄り駅まで送って貰って、タクシーで往復するつもりだったのだが……。

駅に着くと、待機タクシーは無い。ちょうど1台だけ、客待ちがいた。
ラッキーと思って近づくと、ガタンという音が。ドアの閉まる音だ。
回り込んでみると、ちょうど客を乗せて走り去るところだった。

しばらく待っていても、車は来ない。


その時、駅始発のバスがやってきた。目的の駅とは違う行き先だが、そこからは電車で移動できる。
ままよと、乗ってみた。一番後ろが空いていたので、迷わず直行。隣へ来る人も無く、無事降りられた。

この駅下にも、ついでに行く予定だった銀行がある。ATMを使って、自分自身の目的は終了。

ホームへ上がる。バスも電車も、3年ぶりだ。

のんびり各停で移動し、駅で待つことにする。待合室は涼しいから。いや、だんだん寒くなってきた。ホームのベンチに移動。

ボンヤリ到着・発着する電車を見ている内に、特急に乗って大阪まで往復すれば良かったと思ったが、すでにかなりの時間が過ぎていた。
プレミアムカーに乗ってみたかったんだけどなぁ。

北海道行きではレンタカー屋のバスに乗ったきりで、鉄道関係は一切無しで、鉄分補給は出来なかったのだった。
特急の往復は、わずかでも鉄分が摂れたのになぁ。

 

画像は11年前、堺市の某所屋上。

 

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2023.07.04

椹野道流【ローウェル骨董店の事件簿】

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著者:椹野道流
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2016/01/23
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-103362-3

第一次大戦直後のロンドン。左目に傷を持つ検死官デリックと骨董店店主デューイは、大戦でできた心の距離を埋められずにいる兄弟。幼なじみの刑事エミールが持ち込んだ殺人事件の捜査で久々に再会するが…。

 

表紙絵に違和感あり。

三冊のシリーズもののようで、先に二作目を読んでしまった。

二作目の冒頭はこのローウェル家の長男デューイの悪夢から始まっていたが、最初は次男デリックの悪夢から始まる。

ローウェル家では、デューイが殺人はしたくないと言って、徴兵を拒否。
挙げ句逮捕されて二年間独房に閉じ込められ、戦争が終わって釈放されたときには、足は萎え、手も不自由になっていた。

一方デリックは戦場へ赴き、被弾して頬にひどい傷を負い、右手も不自由になって外科医になる夢を諦めざると得なかった。

戦争とは、かくもむごいものだ。

もう一人、デューイの親友で貴族の跡取りは戦死し、その妻は日本人であるが為に息子とともに邸を追われる。
妻は帰国し、デューイは幼い息子ケイを引き取っている。

さて今回の事件は、やはり名門の娘二人が女優になると言って勘当されたことから始まる。
姉が夜中に追い回された挙げ句、無残な死を遂げたのだ。

レギュラー(?)以外は登場人物は限られており、犯人の見当はすぐ付く。

だが、いかに名門とは言え、親がここまで非情になれるものか?

あまりいい読後感とは言えなかったかもしれない。

 

関連記事

【ローウェル骨董店の事件簿】 センチメンタル・ジュエリーの謎】(23.07.16)

【ローウェル骨董店の事件簿 交霊会とソルジャーベア】(23.07.26)

 

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2023.07.03

泡坂妻夫【妖盗S79号】

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著者:泡坂妻夫
価格:1,045円
カテゴリ:一般
発売日:2018/01/10
出版社: 河出書房新社
レーベル: 河出文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-309-41585-7

奇想天外な手口で華麗にお宝を盗む怪盗S79号。その正体と、真の目的とは? 泡坂妻夫3作連続復刊企画第2弾。

 

全部で12話あるが、その全てに警視庁の重要盗難事件専従捜査班の東郷と二宮が登場する。実は別に、犯人も毎回登場している。
あまりにも鮮やかな盗みの手口に、「今度こそは捕まえる」と意気込む警察も、完全に出し抜かれているl

二宮は職場では東郷に叱られっぱなしだが、旧家の出身だけに、折に触れ東郷を助けることになる。

以下、収録作。

「第一話 ルビーは火」
「第二話 生きていた化石」
「第三話 サファイアの空」
「第四話 庚申丸異聞
「第五話 黄色いヤグルマソウ」
「第六話 メビウス美術館」
「第七話 癸酉組一二九五三七番」
「第八話 黒鷺の茶碗」
「第九話 南畝の幽霊」
「第十話 檜毛寺の観音像」
「第十一話 S79号の逮捕」
「第十二話 東郷警視の花道」

やはり最後の「東郷警視の花道」がよかったかな。なんだかんだと言っても、東郷と二宮、二人の掛け合いは面白かった。
それまでの苦労が偲ばれて、ちょっとホロッとする。

 

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川井ペリーラ

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将棋の第8期叡王戦が岩手県で行われたときのこと。

午後のおやつに藤井叡王が頼んだのが、「川井ペリーラ」だという。
「おいしい」とおかわりもしたとかで、それまであまり売れていなかったのが、一挙に認知度が上がった。

そういう自分も、注文してみた。

お味は、「ものすごくおいしい」というほどではないが、サッパリしていて飲みやすい。
もっと暑くなると、一層その爽やかさが際立つだろう。

そこでフト思いだした。

夏休みに過ごした岐阜の祖父母宅では、午後になると少し離れた水場まで水を汲みに行き、そこへ梅干しのつけ汁と砂糖を入れて飲むのがおやつだった。
その水の、つめたくておいしかったこと!

その時の味に、このペリーラはよく似ている。

リピート買いするかも!

 

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2023.07.02

伊坂幸太郎【ラッシュライフ】

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著者:伊坂幸太郎
価格:825円
カテゴリ:一般
発売日:2005/04/24
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:4-10-125022-7

不思議な人物、機知に富む会話、先の読めない展開。巧緻な騙し絵のごとき現代の寓話の幕が、今あがる。

 

再読

今度は登場人物の相関関係を、メモを取りながら読もう!(過去記事でも感じていたようだ)

前回読んだのは、18年も前のことだ。著者についてまったく知らなかった頃。

その後(?)【オーデュボンの祈り】を読んでから、著者のファンになった。

突拍子もないことを書かれることの多い著者だが、その中に溢れるやさしさに惹かれている。

泥棒の黒沢は、以後の作品にも度々出てくる、言わば伊坂作品の常連のような人物だ。

今回は色々な立場の人が出てきて、それらが最後にうまく繋がっていく。

最終近く、なんでも金で解決できると豪語する戸田の申し入れを断る河原崎。
河原崎が断らなかったら自分の運命が決まる志奈子は、きっと心の中で快哉を叫んでいたことだろう。
本書中、一番の痛快な場面だ。

それを導いたのが、薄汚い老犬。
人間が犬にも劣ることをしてはいけないと、無言で教えてくれたのかもしれない。

いい本だった!
ますます、伊坂さんが好きになる。

 

関連記事

【ラッシュライフ】(05.05.26)

 

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2023.07.01

6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:4805
ナイス数:1761

週刊朝日 2023年 6/9 休刊特別増大号【表紙:撮影/浅田政志】 [雑誌]週刊朝日 2023年 6/9 休刊特別増大号【表紙:撮影/浅田政志】 [雑誌]感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-5d4bf2.html
とっくに読んでいたのでした。続きを書くつもりだったのかもしれません。
読了日:06月28日 


小僧の神様 他十篇 (岩波文庫)小僧の神様 他十篇 (岩波文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-63ddcf.html
再読です。すべて「目にみえるよう」に書かれたという著者の言葉どおり、いずれも活写された物語でした。
読了日:06月28日 著者:志賀 直哉


春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-65f03c.html
この「小市民的」というのが今ひとつよく分からず、古典部シリーズのような面白さは感じませんでした。
読了日:06月27日 著者:米澤 穂信


チョコレートコスモス (角川文庫)チョコレートコスモス (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-621838.html
この登場人物たちには、モデルがあったそうです。で、主人公響子は、松たか子だとか。
読了日:06月26日 著者:恩田 陸


きみと暮らせば 〈新装版〉 (徳間文庫)きみと暮らせば 〈新装版〉 (徳間文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-db2338.html
表紙絵が何ともかわいらしくて読み始めたのですが、話は猫との暮らしというよりは、血の繋がらない兄妹の「しあわせ」でした。
読了日:06月24日 著者:八木沢里志


愛がなんだ (角川文庫)愛がなんだ (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-b35ec2.html
読んでいて、イライラしました。
映画化もされていたようですが、本書を評して「全力疾走片思い小説」はないでしょう。
単におバカな女子の「かわいそうな」思いと、身勝手な男子のお話。
読了日:06月22日 著者:角田 光代


天龍院亜希子の日記 (集英社文庫)天龍院亜希子の日記 (集英社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-4052bc.html
【ラブカは静かに弓を持つ】に比べればちょっと、という感触でしたが、まぁ青春小説としてはこんなものでしょうか。
読了日:06月21日 著者:安壇 美緒


老いとお金 (角川文庫)老いとお金 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-b6c31e.html
全編これ「お金の話」ですが、一人暮らしの老後の参考にはなるでしょう。ご家族の話が辛かったです。
読了日:06月19日 著者:群 ようこ


世話を焼かない四人の女 (光文社文庫)世話を焼かない四人の女 (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-d64b4e.html
生きづらい男性社会でそれぞれ自分をしっかりと持っていて四人に好感が持てました。短編毎に主人公が違うのですが、表紙絵の四人がそれぞれのようですね。
読了日:06月18日 著者:麻宮 ゆり子


十津川警部 仙石線殺人事件 (小学館文庫 に 16-19)十津川警部 仙石線殺人事件 (小学館文庫 に 16-19)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-13953a.html
〈女川 いのちの石碑〉の文言が突き刺さります。
女川町の女川中学の卒業生たちが、2014年3月、千年後に備えて建てたものだといいいます。
読了日:06月16日 著者:西村 京太郎


はけんねこ ~NNNと野良猫の矜恃~ (二見サラ文庫 な 1-2)はけんねこ ~NNNと野良猫の矜恃~ (二見サラ文庫 な 1-2)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-8e812e.html
表紙絵でどっしりと構えている「ちぎれ耳」というノラは、不幸になるかもしれない仔ネコを放っておけない、おせっかいな性格のようです。
読了日:06月15日 著者:中原 一也


天河伝説殺人事件 (角川文庫)天河伝説殺人事件 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-55789f.html
実は再読で、内容もかなり覚えていました。
読了日:06月12日 著者:内田 康夫


共有地をつくる共有地をつくる感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-715e4a.html
暮らしていく上の「緩衝地帯」としての共有地というところでしょうか。
読了日:06月10日 著者:平川克美


途中下車はできません途中下車はできません感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-7adb27.html
この方の本が好きです。今回は北海道の鉄道に限っての話でした。
読了日:06月09日 著者:山本 巧次


食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)食戟のソーマ 1 (ジャンプコミックス)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-ddef12.html
中身はまったく知りませんでした。ジャンプコミックスだからにぎやかな本かなと、思っていたからかもしれません。
読了日:06月06日 著者:佐伯 俊,森崎 友紀


いまさら翼といわれても (角川文庫)いまさら翼といわれても (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-a01db8.html
メンバーたちの過去と未来が語られて、シリーズが終わります。
読了日:06月05日 著者:米澤 穂信


志摩半島殺人事件 新装版 (祥伝社文庫)志摩半島殺人事件 新装版 (祥伝社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/05/post-e5cb36.html
浅見の取材が元で関係者に迷惑をかけてしまうという、かなり悲しい結果をもたらします。
読了日:06月01日 著者:内田 康夫


ひなたストア (小学館文庫)ひなたストア (小学館文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/05/post-0deaa7.html
この著者の話は先が読めるのですが、それでもホッと出来る結末には癒されます。
読了日:06月01日 著者:山本 甲士

読書メーター

 

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瀧羽麻子【ぱりぱり】

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著者:瀧羽麻子
価格:652円
カテゴリ:一般
発売日:2017/06/03
出版社: 実業之日本社
レーベル: 実業之日本社文庫
サイズ:16cm/260p
利用対象:一般
ISBN:978-4-408-55362-7

詩人「すみれ」とかかわった人々が見つける幸せの形を描く、青春&家族小説。

 

紹介文にあるように、「詩人」である菫と関わった人たちの視点から、それぞれの章がなりたっている。

時代は違うが、この間ずっと、菫は小さな手帳に感じたことを書き留めていた。

 

冒頭で表題作の【ぱりぱり】は、菫の妹の視点から。

小さいときから菫の後をついて歩いて、かばっていた。
そして菫と同じ担任から「普通なんですね」と言われる。

次の【うたう迷子】は出版社の編集者。菫の担当で、第一詩集が売れたため二冊目を出した。しかしそれがまったく売れず、車内でも肩身狭く過ごしている。
吹っ切るには三冊目を出すしかないと、菫に発破をかけているのだが……。

【雨が降ったら】では、東京で一人暮らしを始め大学生、葵の語りだ。
菫のアパートの隣に住んでいる。

【うぐいす】は、女子高の教師
小説家になりたかった彼は、古文の教師になっている。

春休みの補習クラスには3人の生徒が来ていて、その内の一人が菫だった。
授業後、その内の一人(実は菫)が校庭でウグイスを見ている彼女に会う。

菫の提出して課題は、一編の詩になっていた。

【ふたりのルール】

この回は、先の【うぐいす】で補習を受けていたサエが語り手。

同棲している夏彦に頼まれて行った本屋でのサイン会で、菫がサインをしているのに驚く。

最後の【クローバー】は、母親の視点から。

幼い頃の菫に振り回されながらも、しあわせに暮らしている。

掲載順ではなく時系列に並べてみると、

【クローバー】幼少時代

【ウグイス】高校時代

【パリパリ】一人暮らしを始め、二冊目を出版した頃。

【雨が降ったら】

【ふたりのルール】でサイン会が行われているということは、「すみれ」の三冊目が出版されて、しかも好調な売れ行きだと言うことを表している。

 

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