柴田よしき【あおぞら町 春子さんの冒険と推理】
著者:柴田よしき
価格:638円
カテゴリ:一般
発売日:2022/03/17
出版社: コスミック出版
レーベル: コスミック文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7747-6367-5
鮮やかな謎解きと春子さんの人柄に癒される連作ミステリー。
連作短編集
春子は、プロ野球選手の妻で、元看護師。
夫の拓郎は二軍のキャッチャーで、いつ戦力外通知を受けるかもしれない、微妙な位置にいる。
春子は拓郎の現役中は専業主婦でいることにしている。
この春子が探偵役で、拓郎はワトソン。二人とも、非情に感じの良い夫婦だ。
春子もだが、拓郎の人となりが非情に好もしいのだ。
冒頭作【春子さんと、捨てられた白い花の冒険】
これは、どこかのアンソロジーで読んだことがある。
パンジーの鉢を捨てる話から思い出した。
随分と陰惨な話だった。
だが主人公春子さんの明るさが、この話の救いだった。
担当刑事が「虫が好き」というのも、何かホノボノしていてよかった。
【陽平くんと、無表情なファンの冒険】
次は、二軍の球場にいつも来ている女性がターゲット。タイトル通り「無表情」というのがヒントになっている。
ここでも、拓郎が後輩たちから慕われている様子がうかがえて感じがいい。
陽平くんというのが、一軍でも活躍していたピッチャーで、自分の披露宴で拓郎に司会を頼みたがっている。
しかし今回の事件は、結構あり得るかもという話だった。
「無表情」な彼女のことではなく、詐欺の手口がだ。
話の中で、先代猿之助へのストーカー事件の話題が出てきて、(関係はないが)最近の事件を思い出した。
【有季さんと、消える魔球の冒険】
元有名選手の妻、有季さんの話。
「巨人の星」は実際には読んだことがなかった。「消える魔球」が出てくるのか。
本編では、拓郎の次シーズンの去就も決まり、春子も自分自身のことをも少し考えるようになったところで終わっている。
著者あとがきによると、このあとも続けて行きたいようだった。
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