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2023.08.31

ハプニング

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先週土曜日のこと。

お昼を食べてから、テーブル前の椅子に腰掛けようとして、椅子が滑った。

自分は元々の椅子ではなく、キャスター付きの仕事椅子を使っている。
滑って腰掛け損ねたら危ないなとは常々思っていた。

まさに、その状態になってしまった。
身体を受け止めてくれずに、後ろへ滑っていく椅子。

あっという間に床で強打。あっという間と書いたが、「ああ、今落ちていく」という感覚はあった。

壁際にあったイーサネットの線の束が、ドサッと落ちる音。一緒にソフトの箱も落ちてきた。

しかし、右背中に感じたのは、何か重たいもので受けたような衝撃だった。
もしかしたら、椅子のどこかがあたったのかもしれない。

息をしても痛い状態が一日続き、日曜日も回復しないようなら月曜日には病院へ行こうと思っていた。
腰掛けた状態や寝ている状態の時はマシなのだが、立ち上がったり起き上がろうとすると、激痛が走る。
右を下にして眠ることも出来ず、寝返りも打てない。

しかしよくしたもので、日曜日の午後には、痛みは少しずつ引いていった。
だが今日現在、完治したわけではない。

 

画像は10年前の8月30日昼前なのだが、場所が判らない。
カレンダーを見ると、「近畿」とだけ書いてあった?

 

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2023.08.30

豊田巧【駅に泊まろう!】

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著者:豊田巧
価格:682円
カテゴリ:一般
発売日:2020/09/09
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-79082-0

旅する小説
新米コテージ・オーナーの北海道ハートフル・ストーリー
駅のホームでバーベキュー
丸き風呂で気笛を聴く

 

祖父が残したこの駅のコテージを受け継いだ美月は、コックの亮に大いに助けられながら、少しずつ業務を覚えていく。
自分の工夫が活かせる暮らしは、厳しくても楽しいものだろう。

だが日帰りで富良野へ行こうと思い立ったりと、まだまだ北海道初心者だ。

 

実際にこの駅の駅舎は民宿で、季節によってはホームでのバーベキューもありだとか。
冬のお風呂は厳しいだろうな。

それでも、一度泊まってみたい気もするが、客室は2階だから無理か。

 

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2023.08.29

納豆のこと つづき

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一ヶ月半ほど前に、納豆について書いた。

何故か(?)、まだ続いている。
といっても、週に三回ほどだが。

でも、まだ粘り気が出るほどにはかき混ぜられていない>納豆初心者

 

関連記事

納豆(23.07.11)

 

画像は、去年の8月28日。次の日には退院している。

 

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2023.08.28

中山七里【作家刑事毒島の嘲笑】

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著者:中山七里
価格:1,760円
カテゴリ:一般
発売日:2022/07/21
出版社: 幻冬舎
利用対象:一般

どんでん返しの帝王がおくるノンストップミステリ!

 

前回の展開が面白かったので、続編を読む。
今回の相棒は、なんと公安の淡海。
それというのも、最初の事件「出版者への放火」に対して、「急進革マル派」という過激派が犯行声明を出したから。

事件当時現場近くにいた3人が、一応容疑者として取り調べられる。

という冒頭作【大いなる】。

短編集のようだが、実は繋がっていた。

次の【祭りのあと】では、大学祭を取り扱っていた。

毒島がある大学に講師として招かれる。そこでは、二つのサークルの代表がお互いを罵り合っており……。という展開。

次はブラック居酒屋の従業員が自殺した事件と見せかけて……。

何というか、とんでもない事実が浮かび上がってきた。ここでは「急進革マル派」というのは、むしろ添え物扱いになっている。

しかしこのブラック居酒屋の名前と言い、その社長の名前と言い、どうしても実在の店や人物を思い起こさせる。その社長は、前議員だし。

次の【英雄】の舞台は、沖縄。

辺野古基地の移転問題を取り上げている。タイトルにもなっている「英雄」とは、地元出身の作家だった。
だが毒島は、彼の本をきちんと読んでいた。

最後の【落陽】で真実が明かされるが、これは衝撃的だった。

 

この著者の作品を、もっと読みたくなった。

 

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2023.08.27

【終着駅へ行ってきます】異聞?

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著者の「片町駅」行きをば書いてみる。

片町線についての説明から始まり、著者が実際に乗車なさった経路もある。

始点は木津駅なので、まずはそこまでどう行くか。

著者は昭和57年(82年)7月31日。大阪駅から自動券売機で140円切符を購入しての出発だ。

この「一筆書き」について、著者は何となく肩身狭いような書き方をなさっているが、けっこう誰でも(?)していることだ。最近は切符を買わないから、路程表を書いて見せなくても大丈夫になっている。
それとも、東京ではダメなのだろうか?

それは措いて、著者は環状線から関西本線へ入り、奈良駅で「長尾行き」に乗車。
この日、著者が我が家の近くを通られたのかと思うと、嬉しくなる。

長尾駅での乗り換えにも触れておられたが、この駅では片町行きと奈良行きではホームが違い、奈良線は駅に入ってすぐ階段を少し上って気動車に乗る。

 

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2023.08.26

宮脇俊三【終着駅へ行ってきます】

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著者:宮脇俊三
価格:990円
カテゴリ:一般
発売日:2023/01/10
出版社: 河出書房新社
レーベル: 河出文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-309-41944-2

消えゆくローカル線の旅情を紡いだ「鉄道紀行文学の父」が届ける車窓の記憶。

 

タイトル通り、著者の終着駅探訪記。

冒頭が稚内駅で、この駅には撮影のためだけに寄った。北端駅だ。

その次が、何と片町駅。当然、片町線が現役の頃の話だ。

主要道に負けずに居据っているのだから、由緒ある駅なのであろうが、中に入ってみると閑散としている。

とあるが、この駅の一つ手前が京橋駅だからか、当時からここまで乗ることはほぼ無かった。降りたのは、府庁のある大手前に行く時くらいだったか。

大都市での「頭端式停車場」はここくらいではないか、という記述もあって、何となく誇らしい(いや、全然関係ないのだが)
そして、予定では「片福線」の起点になるはずだったのに。

 

と少々知っている駅のことを書き出したら、いつまで経っても終わらない。

 

そうした、どこか侘しい感のある終着駅ばかりを集めた本書。
どこを読んでも、楽しくなる。

 

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2023.08.25

スイッチボット

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これまで、いったい何台のロボット掃除機を使ってきたことか。

最初は当然のように「ルンバ」。これも3代くらい使ったかな?自動集塵出来るのまで使った、4代か?

次が、「ロボタン」と呼んでいた「ROBOROCK」。結構可愛かった(?)が、非常に重たい上に融通が効かなかった。
センサーがおかしくなったのを機に、今回導入したのが「スイッチボット」。

これまでのより、かなり小型になっている。

今のところ順調だが、一番最初に一度だけ、玄関で土間に落ちた。
こんな「ドジなロボット」、初めてだ。
そのあとは、普通に働いてくれている。

アプリを利用するとリモコン対応出来るが、これの設定は後ほど。
どうせ外出時は使わないし(動いていると警備に引っかかるから)。

 

拭き掃除も出来るのだが、一部カーペットもあるので使っていない。
このカーペットについては、又書いてみよう。

 

画像はAmazonのものをお借りしました。
実際には、直販で購入。なんか、申し込んでから時間がかかったなぁ。

 

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2023.08.24

三浦しをん【ロマンス小説の七日間】

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著者:三浦しをん
価格:660円
カテゴリ:一般
発売日:2003/11/22
出版社: 角川書店
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-373601-0

海外翻訳を生業とする20代のあかりは、現実にはさえない彼氏と同棲中。そんな中ヒストリカル・ロマンス小説の翻訳を引き受ける。最初は内容と現実とのギャップにめまいを感じていたが……。

 

あかりは、しがない翻訳家。同居している神野は、料理はうまいが根性無しで、今も会社を辞めてきたところ。

冒頭いきなり古風な物語が始まって、ビックリした。
実はそれは、あかりが翻訳している物語なのだった。

劇中劇ならぬ作中作を挟みつつ、あかりとその周辺の人たちを描いていく。

自分の暮らしがままならぬことが反映して、作中作はどんどん あかりの創作になっていく。
それはそれで、非常に楽しい物語だった、「ロマンス小説」。この手の本って、売れているのかなぁ。

芥川賞受賞の市川沙央さんが、「ライトノベルの主人公ってみんなエリートですよね、王様とか。」と仰っていたが、このロマンス小説も、主人公は女領主で夫になったのは貴族の騎士だった。

最後は真面目に(?)翻訳し直すことを担当者に告げて、本編も終わる。

 

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2023.08.23

暑さ対策

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一昨日「台風が去って朝は少し凌ぎやすくなった」と書いたが、日中は相変わらず猛暑日が続いている。

そんな中、

夏休みの部活、行き帰りの熱中症対策は? 山形で帰宅中の中1死亡

という記事を読んだ。部活帰りのこととて、痛ましい。

暑いから夏休みがあるのに、朝からほぼ一日部活をするなんてひどい。とは言え、自分たちもそうだったのだが。

時間をずらして早朝だけにするとか、もう少し工夫できないものか?
特に帰路が一番暑い時間帯になることも多く、この女生徒もそのような状態だったと思われる。

毎朝、市から「12時ごろには運動を止めましょう」といったメールが届く。
でももっと具体的な指導は出来ないものなのだろうか。

 

画像は11年前の今日。岡山県奈義町にて。
この町に住みたいと、本気で思ったんだったっけ。

 

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2023.08.22

瀧羽麻子【左京区桃栗坂上ル】

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著者:瀧羽麻子
価格:902円
カテゴリ:一般
発売日:2021/08/06
出版社: 小学館
レーベル: 小学館文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-09-407048-4

会いたいひとは、幼いころに遊んだ“お兄ちゃん”――。

 

本書は【左京区】シリーズの、一番後になる本らしい。

一冊目・二冊目にも安藤というと登場人物はいて、彼が本書の「お兄ちゃん」かと思われる。

転勤族の父に従って引っ越しばかりしていた上原璃子は、奈良で安藤果菜と出会い、その兄実とも一緒に遊ぶ。
その後又引っ越すのだが、父の転勤も最後近く、関西に戻ってくる。

そして懐かしい「お兄ちゃん」との再会。

その後の展開は色々あって、同じ大学に無事進学し、実との距離も近づいた。
果菜や大学での先輩たちとの、楽しい生活。

お馴染みの場所が出てきて、読んでいる方も楽しい。

その後の展開はほぼ予想通りで、めでたしめでたしとなる。

この璃子が理系だったのが意外な感もあり、さすがにワニを散歩させることはあるまいという気もするが。
かなり天然な性格なのだが、それは嫌みではなかった。

 

一冊目・二冊目を読むかどうか、微妙なところ。
粗筋を見たところ、本書が一番完成されているようで、同じようなストーリーなら追いかけることも無いような気もする。

 

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2023.08.21

暑さ

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毎年毎年、「今年の夏は異例だ」と繰り返されている。

台風が去って朝は少し凌ぎやすくなったとはいえ、猛暑日は続いている。

たしかに、外へ出ると「危険な暑さ」を実感するが、これまでは夏をどう過ごしていただろう?

少しでも涼しくと、保冷剤を仕込んだ冷たいタオルなどを首に巻いていたっけ。
つまり、そういう形で暑さを凌いでいたのが、昨今は熱中症が怖くてエアコンをフル稼働させている。
「節約より健康を!」だ。

0S-1の減り方も早くなっている。

しかし、涼しさを感じる頃は、同時に寂しくもあるのだなぁ。

 

画像は、8年前の8月20日。ふくやま文学館外観。

 

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2023.08.20

中山七里【作家刑事毒島】

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著者:中山七里
価格:715円
カテゴリ:一般
発売日:2018/10/10
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42795-2

警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香の前に現れた助っ人は、人気ミステリ作家兼刑事技能指導員の毒島真理。冴え渡る推理と鋭い舌鋒で犯人を追い詰めていくが……。

 

毒島というのは、タイトルにある通り、作家であり現職の刑事である。
ただし文壇関係者には、彼が刑事であることは臥せられている。

しかもこの毒島、著作は結構売れているのだ。

 

その文壇がらみの色々な事件で、彼は上手な聞き役として真相にたどり着いていく。

【ワナビの心理試験】【編集者は偏狂者】【賞を獲ってはみたものの】【愛讀者】

いずれも作家志望のものや自称評論家の、的を外れた作家への憎悪から生まれた犯罪を取り上げている。
辛口コメントを恨みに思っての犯行が多く、ある意味出版界の不況もうなずける。

解説氏によると、この毒島は著者自身を投映させているのではないかとのこと。
著者については殆ど知らなかった(男性であると初めて知ったくらい)ので、参考になった。

最後の【原作とドラマの間には深くて暗い……】では、放送界の闇がわかる。

よく原作とドラマは別物等というが、今回ほど改竄されたら原作者はたまらないだろう。
原作では男の刑事だったのを女性刑事に置き換えたのなどは、某有名シリーズを思いだして苦笑が浮かぶ。

 

解説の知念実希人氏が、出版界を野球界にたとえた面白い比較をしていた。

 

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2023.08.19

アニメ「一休さん」

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アニメ「一休さん」が配信されているというTweetがあったので、見に行った。

第1話「てるてる坊主と小僧さん」

再放送でも何度か観たと思うのだが、この第1話は初めてかも。

先輩坊主や豪商の娘の意地悪などもあるが、寺に引き取られている女の子との交流など、微笑ましい。

第1話で、「附子」が出ていたのか。これって、一休さんの逸話にもあったのかな?

それにしても、けなげだなぁ。本来は、天皇の皇子なのに。

 

画像は8年前の8月20日、「ふくやま文学館」にて。

 

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2023.08.18

三浦しをん【墨のゆらめき】

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著者:三浦しをん
価格:1.760円
カテゴリ:一般
発売日:2023/05/31
出版社: 新潮社
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-454108-9

都内の老舗ホテルに勤務する続力は、招待状の宛名書きを依頼しに書家の遠田薫を訪ね、なぜか副業の手紙の代筆を手伝うことに。あらゆる筆跡を自在に書き分ける遠田と接するうち、続は...

 

破天荒な遠田と、マナー通りに動く続。
続の語りで進んで行くのだが、当初続は非常に堅苦しい人物に見えた。
それは職業を通して遠田と接していたからで、素の彼は競馬が趣味の普通の若者だった。
破天荒な遠田と付き合う内に、彼も次第にリラックスしていく。

終盤、思いがけず遠田の過去が語られ、彼からは絶縁を言い渡される。

しかしそれでも、遠田の魅力には抗いがたく、訪ねていく。
それには、書道教室の生徒の希望が反映されていたのだが。

本書は当初から朗読とのコラボで製作されたといい、映像化も望まれているとか。
遠田には、誰がいいだろう?

 

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2023.08.17

美輪明宏さんに相談した男性の恋の行方

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朝日新聞土曜版「be」

「一回り年上の先輩が好き」 美輪明宏さんに相談した男性の恋の行方

「悩みのるつぼ」に掲載されるまでに、編集者と相談者とが打合せをしているとは、初めて知った。

二人の結婚式で、親戚で記事を読んでいる方があったというのが、微笑ましかった。

多分この投稿者は、「相談する」という行動を起こすことで、次のステップに進めたのだと思う。

 

画像は、通りすがりのお家にて。

 

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2023.08.16

小路幸也【駐在日記】

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著者:小路幸也
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2020/02/20
出版社: 中央公論新社
レーベル: 中公文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-12-206833-9

山懐に抱かれた平和な田舎町で時折起こるワケあり事件の解決のカギは、入念な捜査と少しのお節介!? 

 

元刑事と元外科医の夫婦が、地方の駐在所へ赴任してきた。
そこで起きるちょっとした事件(出来事)。

刑事だった頃の腕は衰えておらず、時に妻の医学の知識も借りながら、事件を解決していく。
しかしそれらは、大きな報告事項とはならないのだった。

妻の語りで綴られる4つの出来事は、のんびりした印象を与えるが、実際にはなかなかハードなものが多かった。

東京バンドワゴンのシリーズはほぼ読んだが、それとはまた違った意味で楽しめた。
シリーズもののようで、続けて読んでいこうかな。

しかしこうした田舎で何かあったとき、一番に疑われるのは他所から来た人物だというのは悲しい。
冒頭の【春 日曜日の電話は、逃亡者】の二人は、事件解決後村に住むようになるが、本当に受け入れられるのはもう少し先かもしれない。
しかし後に続く事件では、非常に役に立っている。

続いて「夏」「秋」「冬」と色々なことがあり、一年が過ぎていく。

この駐在所は普通にある狭そうなところではなく、古い家屋が当てられていて、広さは充分にある。
一応仕切りはあるが同じ屋根の下に図書室もあり、学校帰りの子どもたちも利用している。

しかし駐在さんの服装というのは、かなりの重装備だ。
そして24時間、いつ何があっても飛び出せるようにしている必要のある、非常にハードな仕事だ。
休みもあって無きがごとくだ。大変だなあ!

 

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2023.08.15

塩田武士【盤上のアルファ】

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著者:塩田武士
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2014/02/14
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-277706-3

背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。

 

【騙し絵の牙】が面白かったので、同じ著者の【罪の声】(これが本命)を読む前にこちらを読了。

 

秋葉隼介と真田信繁。二人とも『性格が悪い』と、再三本文で書かれている。

第一章と第二章で、二人のこれまでを紹介。

信繁は中学時代の先輩女生徒に非常に好感を抱いたのだが、まさかの形で出現した。
そう言えば、秋葉の行きつけの飲み屋でいつもの席に座っていた真田は、どうしてその場所を知ったのかが不思議だった。

また、女流棋士同士の意地悪なやりとりに、ちょっとげんなり。

過去の出会いに、意味のないものは一つもなかった。

タイトル【盤上のアルファ】の意味が、終盤近くになってようやく分かった。
谷村新司の「天狼」を思い出した。

最後、隼介と女流棋士との交流が救いになった。

 

NHKでドラマ化されていたようで、そちらでは羽生さん初め棋士たちが多く出演していたようだ。

 

関連確認

【騙し絵の牙】(23.08.12)

 

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映画「騙し絵の牙」

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原作が大泉洋への当て書きだったとのことで、AmazonPrimeで鑑賞。

うーん、原作とはかなり違う。

登場人物もミックスしたり、違う設定にしたり。
幸い大泉洋を想像しながら読んでいたわけでなかったのでよかった。

原作の速見は、時に茶めっぷりを出しながらも、真摯に本好きだった。
それが映画では、かなり軽い人物に思えた。

また原作とは違う逆転・逆転で、そういう意味では楽しめたが……。

 

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2023.08.14

柴田よしき【猫は引っ越しで顔あらう~猫探偵 正太郎の冒険4~ 猫探偵正太郎】

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著者:柴田よしき
価格:616円
カテゴリ:一般
発行年月:2006.6
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:4-334-74076-6

下町の情緒に馴染み、正太郎が活躍する四つの事件。好評シリーズ、第4弾!

 

正太郎は、とうとう住み慣れた琵琶湖のほとりを去って、東京へやってきた。
勿論、同居人が引っ越したからだが。

何しろ、あまり売れない推理作家の同居人のこと。ちゃっかり自分に気のある編集者糸川を使って、「バス・トイレ付き」「3階以上」「居間・仕事部屋・寝室のあること」「猫を飼ってもいい」「家賃は安いこと」といった条件を突きつけ、家探しをした上だ。

幸い、築年数はいくらともしれないが、大家の家と地続きという小さな家を探し当てて貰えた。

正太郎は大家さん宅の二匹の猫とも仲良しになり、近所の探検に出ていく。
そしてそこで遭遇する冒険談が、今回の主題。

冒頭作【正太郎と天ぷらそばの冒険】では、その家探しの一幕。

次の【正太郎と古本市の冒険】では、大家猫の二匹と古本市での出来事を推理する。同居人の本も登場し、無関心ではおれなかったのだ。

第三話【正太郎と薄幸の美少女の冒険】に出てくる、大阪弁を話すワンちゃんがいじらしくて可愛かった。

 

関西での話が終わったのは少々寂しいが、新天地での正太郎からも目が離せない。

 

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2023.08.13

原田マハ【スイート・ホーム】

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著者:原田マハ
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2022/04/06
出版社: ポプラ社
レーベル: ポプラ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-591-17364-0

うつくしい高台の街にある小さな洋菓子店を舞台に、稀代のストーリーテラーが紡ぎあげる心温まる連作短編集

 

ケーキのお店を中心とした、ほのぼの系連作短編集。
出てくる人たちがみーんないい人で、甘い甘い。

甘いものはいいのだが、あまりにも甘すぎると胸焼けする。

冒頭の表題作【スイート・ホーム】で、ケーキ屋一家を紹介。
長女の視点で語られていく。

 

つづく【あしたのレシピ】では、その「スイート・ホーム」で登場した一家も登場。

二人の男女の、それぞれの片恋を描く。

他に

【希望のギフト】【めぐりゆく季節】(各シーズンを描く)。

毎回語り手が替わってそれぞれの物語を紡いでいくのだが、橋渡しをするのがケーキ屋という趣向なのだ。

 

ごちそうさまでした。しばらく甘いものは見たくないです。

 

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電車ハイビーム、撮り鉄の敵? 「仕返し」の妨害容疑で高校生を逮捕

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電車ハイビーム、撮り鉄の敵? 「仕返し」の妨害容疑で高校生を逮捕

鉄道好きはいろいろあるが、撮り鉄というのはどうも自己中心的で身勝手な輩が多いような気がする。
この記事の高校生も、逆恨みもいいところだ。

絶好の場所で狙っている場合も、他人様の畑などに平気で入り込んだりすることもあるし。

 

画像は7年前。夏真っ盛りの公園。

昨日は、郡上市の八幡で最高気温が39.1度で、ランクインしていた。
真夏でも、郡上ではちょっと木陰に入れば涼しく、そんな「危険な暑さ」になどならなかった。
平気で外で遊んでいたもんなぁ。

 

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2023.08.12

塩田武士【騙し絵の牙】

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著者:塩田武士
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2019/11/21
出版社: KADOKAWA
レーベル: 角川文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-04-102642-7

『罪の声』の著者・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公に「あてがき」。
圧倒されるほどリアルな筆致で出版界の<光と闇>を描く!&「速水=大泉洋」が表紙&扉ページの写真を飾る!

 

当初、表紙絵の大泉洋の姿に「??」と思い、読み進めて行く内に章扉にも出てくる大泉洋に「なんでやねん」だったのだが、途中で概要を読んで解った。映画にもなっていたとは!

この主人公は、本当に本が好きなんだなと思う。

そしてその原点が、子どもの頃(中学時代)の体験にあることで、彼の気持ちに寄り添えた。
また、そうした過去を持っていただけに、娘とのことは辛かったろう。いい父親だったのに。

最後の方で大逆転があったかと思ったら、さらにすすんだところで逆転があり、本当に「騙された」。決して「牙」を向かれたとは思わなかったが。

大泉洋の解説は映画が出来る前のことで、楽しかった。
章扉の写真が、その内容を表していたことに納得。

 

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2023.08.11

東海道新幹線のワゴン販売、10月で「やめます」

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東海道新幹線のワゴン販売、10月で「やめます」 JR東海が発表

すでに東北新幹線ではなくなっているし、仕方ないのかな。

持ち込みが多くて、売り上げが落ちているかららしい。
山陽新幹線の「のぞみ」では続けるようだが。

ただしグリーン車からは、「お届けサービス」というのをするらしい。

東海道新幹線ではほぼ利用しなかったが、山陽新幹線ではたまに使っていた。

 

画像は3年前の朝、退院の日。

 

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2023.08.10

原田マハ【星がひとつほしいとの祈り】

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著者:原田マハ
価格:660円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2013/09/26
出版社: 実業之日本社
レーベル: 実業之日本社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-408-55145-6

20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。

 

短編集

目次を見て気になった、【長良川】を読んでみる。

娘とその婚約者と一緒に、長良川の鵜飼いを見に訪れた尭子が、亡き夫と新婚旅行で当地へ来たこと。
前年も、二人で来たことなどを思い出しながら、夫と過ごした日々を思う話。

夫や娘の婚約者の人柄が好ましく、ホット出来る読後感を得た。

 

冒頭作【椿姫】は、既婚者の恋人の仕打ちに苦しむ香澄を中心に、産婦人科で出会った女子高生のことなどが書かれている。

女子高生を身ごもらせた男子高校生の行動が、今ひとつ解りにくい。
椿の花との関係も、いささか唐突な感があった。

椿は花ごとバサッと散るのを潔いと見るか、縁起悪いと見るか。人さまざまだろうが、ここではそれには触れていない。
雪と椿の対比は美しかっただろうが。

 

表題作【星がひとつほしいとの祈り】は、拍子抜けした。

上司と不倫関係にあるアラサーのコピーライターが、その上司と共に出張し、そのまま温泉にでも行こうという目論見をはぐらされる。

一人残った彼女は松山に泊まり、結局は一晩の夢を見たのだろう。

その夢に登場した盲目の鍼灸師に「星がひとつほしい」と請われ、詩を書いてみようかと思うまで。
彼女の再生になるか?

 

【寄り道】は、以前読んだ【ハグとナガラ】ものの一つ。その時にはなかった話だが。

 

【沈下橋】

たった5年間だけ、義理の母娘として過ごした二人。

窮地に陥った元娘が頼ったのは、その母だった。

これが一番よかったかな。

 

他に、【斉唱】。

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2023.08.09

藤井聡太名人、空港で就位式

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藤井聡太名人、空港で就位式「子どもの頃からあこがれ、大変な感慨

藤井君の笑顔もだが、羽生さんの笑顔がステキだった。

リンク先の写真で藤井君が手にしているのは「推戴状」というそうだが、本状を見ていて気づいた。
当たり前のことなのだが、授与するのは、羽生善治会長。

ということは……

羽生さんは、会長職を受けた時点で、タイトルを諦められたのだろうか?

 

就位式前の、空港での藤井君の写真は、楽しそうでよかった。

「電車であれば車両の型番は分かるんですけど……飛行機は分からないです……ふふふふっ。普段はセントレアから乗ることが多くて、大型機に乗ったことがないのでせっかくならどこかで乗ってみたいです」というコメントもあったが、嬉しそうだった。

 

画像は、12年前の8月10日。児島のホテルから。

 

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2023.08.08

斎藤詠一【パスファインダー・カイト】

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著者:斎藤詠一
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2023/07/14
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-4574-0

自らも自然保護団体に勤務経験のある著者が描く、自然&環境保護の現状とは? 乱歩賞作家が挑む新境地のアクション&ミステリー。

 

初めての作家さん

プロローグでは、何やら怪しげな世界の話で終わっていた。

主人公櫂人は、前歴を隠して自然保護団体に転職している。
何か秘密の任務があるらしい。

前歴については、はしばしから覗える。

その櫂人を見張っている人物がいて、どこかへ連絡しているのだが……。

それが職場の同僚なのかどうかは、ハッキリしない。

最後に櫂人の任務が、読んでいる方にも明かされるのだが、電話の主は誰かは、結局解らずじまいだった。
櫂人以外の事件の通報者も、謎のまま。

終盤登場する黒幕かなというきもするが。それだとかなり安直なような。

 

シリーズものかなと思ったのだが、本書も最近出版されたばかりのようで、レビューには続編を待つ書き込みが多かった。

 

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2023.08.07

早見和真【あの夏の正解】

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著者:早見和真
価格:605円
カテゴリ:一般
発売日:2022/06/27
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-10-120692-9

2020年、愛媛県の済美と石川県の星稜、強豪2校に密着した元高校球児の作家は、彼らに向き合い、“甲子園のない夏”の意味を問い続けた。

 

愛媛と金沢へ何度も足を運び、星陵高校と済美高校の監督や生徒たちにインタビューし続けた著者。

真摯な態度に対象の生徒たちも心を開き、本音を語ってくれている。

しかし、自らの体験(名門校桐蔭学園で補欠だったため甲子園の経験なし)の話も多く、時にうっとうしいと感じる。
当事者にとってはそれこそ「野球命」なのだろうが、部外者から見れば「それも一つの生き方」にすぎない。

こんな風に突き放した読み方をするのは申し訳ないような気がするが、一歩引いた目線も必要なのでは無かろうか。

 

2020年の夏を経験した全ての若者(いや全国民)が、その影響を大きく受けているのだから。

 

昨日の開会式。華やかで、3年前が戻って来たと、みんな喜んでいたが……。
そしてその通りなのだが、すべて元通りだということなのかなぁ。

 

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「入籍」という言葉

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最近芸能人などが結婚したことを公にするとき、「入籍しました」という言葉を使うのをよく聞く。

これに、かなり違和感を覚えるのだ。
「入籍」とは、すでにある「籍」に入ること。養子縁組などでは使うだろうが。

先日もあるアスリートが「入籍した」と発表して、「入り婿?」と、揶揄のようなTweetをされていたが……。

どうしてはっきり「結婚しました」と言わないのだろう?
応援しているアスリートなだけに、残念である。

 

画像は7年前の8月6日、「クラブハリエ」の中庭にて。

 

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2023.08.06

阪神甲子園球場

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自分の中での今年の「高校野球」は、大阪代表が決まった時点で終わっているが、【あめつちのうた】を読んだこともあって、開会式を観た。

選手の先導が昨日の夕刊で見た光永君だったとか、朝ドラの古関裕而の時に出た山崎育三郎の独唱とか色々あった。が、開会式開催中よりも、その前後を一心に観ていた。

 

第一試合前の、グラウンド整備。トンボが行き交っている。
水まきのホースを6人くらいで抱えていることも、今回初めて目にした。これまでは「見て観ず」だったのだろう。

試合直前、ホームベースの白線引きをしていたのは、まだ若い女性だったような気がしたが……。きっと、緊張していただろうな。

 

画像はWikipediaからお借りしました。

 

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【あめつちのうた】(23.08.06)

 

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朝倉宏景【あめつちのうた】

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著者:朝倉宏景
価格:946円
カテゴリ:一般
発売日:2021/07/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-524129-5

土と向き合う。雨を信じる。
そうして、日本最高のグラウンドが生まれる。
甲子園の神整備、「阪神園芸」が小説に!

 

面白くて一気読みしてしまった。

阪神園芸という、実際に甲子園球場の整備を担っている実名の会社が舞台だ。

高校時代野球部の記録員をしていた雨宮大地は、生まれ故郷の東京を離れて、阪神園芸に就職する。
彼は運動神経が皆無なことから、元高校球児の父親から疎まれ、野球部で活躍する弟しか見ていない父に反発して関西へ来たという動機もある。

その彼が二年目を迎え、隣のロッカーを使う新人に、この一年のことを語るという形を取っている。
元隣の同僚が誰であるかは、先に【雨を待つ あめつちのうた】を読んでいたので見当が付いていた。

グラウンド整備をする内に、大地のプロ意識が芽生えていく。

同期で大学の野球部に進んだ一志。
小学校時代に思い病気をした、ビールの売り子真夏。
そして同僚の長谷。

試合に負けて泣きながら甲子園の砂をすくっている一志に、そっと砂を寄せてくれた整備員が誰であるかは、想像通りだった。

お仕事小説であり、青春小説でもあった。

今日から「全国高等学校野球選手権大会」が、甲子園で始まる。

 

高校野球の開催期間中、勝ったチームの旗を揚げるのも、ケガ人の担架を用意するのも、阪神園芸の仕事だったというのに、あらためて驚く。

 

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2023.08.05

群ようこ【びんぼう草】

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著者:群ようこ
価格:550円
カテゴリ:一般
発売日:2016/09/14
出版社: 角川春樹事務所
レーベル: ハルキ文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-7584-4034-9

笑って、心がスッキリ楽しくなる小説集、装いも新たに登場。(

 

表紙絵に釣られて買ってしまったものの、失敗だった。

群さんの小説は、さりげない日常を扱っていて好感が持てるものが多いのだが、本書は読んでいて「心がスッキリ楽しくなる」どころか、気分が悪くなった。

特に【友だちの子供】は、ここまでひどい「お子さま」がいるものなのかと唖然とする。
unlimittedだったら、速攻読むのを止めていただろう。

 

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大河ドラマ「どうする家康」

20160805-140745

一応録画はしていたのだが、初回以外は観ておらず、一旦削除した。

しかしそのあとも予約のまま録画されていたので、色々喧しかった「本能寺の変」を観た。

信長が入京したころに、家康が堺へ行っていたのは史実らしい。
しかしそこへ、お市が現れたのは、どうなのだろう?

また、家康の家臣たちは、せっかく煽られてその気になっていたのをはぐらかされた感じだったようだ。

一方本能寺では

信長は警備も手薄なままで、家康を待っていたという設定。
しかし現れたのが光秀だったので……。

襲われて口から血を吐いて、白い衣装を真っ赤に染める。
だがこれが、如何にもな感じでリアリティがなかった。

また、回想シーンが多かったのも、自分のように観ていない者にはどうということないが、すでにそのシーンを知っている視聴者からすれば同じ場面を見せられるわけで、時間が食い潰されているとは感じなかっただろうか?

このあとも観ることは多分ないだろうが……。
園長、貫禄出てきたなぁ。

 

画像は、7年前。佐川美術館にて。

 

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2023.08.04

香住泰【幸せジャンクション】

Photo_20230717140601 著者:香住泰
価格:1,650円
カテゴリ:一般
発売日:2023/01/27
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン
利用対象:一般
ISBN:978-4-7993-2925-2


書店員さん激賞!心がじんわりあたたまる旅物語

 

先の【稲荷山誠造 明日は晴れか】に続いて一気読み、面白かった。

冒頭に「キャンピングカーの旅  ロードマップ」というのが掲載されていいる。川西を出発してから西宮へ戻ってくるまでの地図だ。

土日を挟んで休暇を貰った遼二が週明けに出社すると、会社が倒産していた。
運送会社なので、運転手たちはそれぞれトラックを1台貰ったらしい。

遼二は、社長から退職金がわりにキャンピングカーを贈られる。何もかも揃った、中で暮らしていけるほどの車だ。

その車を転がして変える道すがら、雨に降られている女性二人連れを乗せる。

すべては、そこから始まった。

女性の一人が東京の子どもの家へ行く必要があり、遼二は連れの家政婦をしている女性ともども、送っていくことにする。

その道中でも色々あって……、という流れ。

東京到着後はそこの孫を信州まで送り、そのまたついでにあちこち寄り、途中では元の運転手仲間にも助けられ、面白い道中記が展開する。

一見胡散臭いかと思われた人物も事情があったりして、結果悪い人が出てこない、嫌な気持ちになることのない物語だった。

 

もう「斬ったはった」よりは、こういう本の方が楽しくていいなぁ。

 

関連記事

【稲荷山誠造 明日は晴れか】(23.07.09)

 

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2023.08.03

朝倉宏景【雨を待つ あめつちのうた】

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ドラフト一位確定だと言われていた、優勝チームのエース長谷騎士。
しかし、準々決勝あたりから肘に違和感を覚えていた。準決勝で更に痛みは増している。

決勝戦で、監督は先発は後輩を指名したものの、打ち込まれてしまう。

騎士を待ち望む、周囲からの視線。
無理をして登板し、肘を壊してしまう。

結局選手生命を絶たれ、そのあとは鬱憤を抱えたまま卒業。

その彼は、父親のすすめもあって「阪神園芸」へ就職する。この「阪神園芸」というのは実際の企業で、【あめつちのうた】という本もあり、本書はそのスピンオフ的なものだとか。

間近に高校球児たちを見ながらの仕事は、辛いものだ。
しかしベテラン先輩の言葉に救われ、少しずつ前向きになっていく。

 

佐々木朗希の出身校大船渡高校の監督は、故障予防のためとして彼を地方大会決勝に出場させなかった。
非難ごうごうだったが、それがあって、今の佐々木朗希があるのでは。

たった一回のために、一生を棒に振る選手は多い。本書の騎士にも、違う道があったのでは。

 

【あめつちのうた】を、読んでみよう。

 

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保育所

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(悩みのるつぼ)同じ境遇の子がねたましい

回答者の上野千鶴子さんは、「後から来る人たちのための苦労」だと。
その回答の中で、樋口恵子さんが「もっと遅く生まれていたら云々」があって、ああこの方もそうした先人だったのだと思いが至った。

 

先日知人と話していて、自分たちが子育ての頃の保育所の話が出た。

娘が通っていた保育所近くに住む彼女は、保育所の待機人数があまりにも多くて、結局は仕事を辞めたのだった。

娘の時は、圧倒的に保育所が少なく、また病児保育でも苦労した。
市へ交渉に行ったりもしたし、しかしその結果、現在多少よくなっていることには、素直に喜べる。

 

画像は、11年前の8月2日。
会議場のブラインド越しに見た 隅田川。

 

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2023.08.02

柴田よしき【風精の棲む場所】

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著者:柴田よしき
価格:545円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2012/09/05
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-76449-4

「村の乙女の伝説」が暗示する神隠しの真相とは!? 哀切の本格ミステリ。

 

正太郎シリーズを何冊か読んでからの本書だが、スピンオフ的扱いかもしれない。

浅間寺が愛犬サスケと共に訪れたのは、地図にも載っていない場所、風神村。

ファンの少女から誘われたのだったが、確かに非常に美しい舞だった。
しかしその通し稽古の最中に、悲劇が起きる。

全体に、これまでの正太郎シリーズとは違う感触で、どちらかというとあまり入り込めなかった。

話自体は、閉鎖的な村とその慣習。よそ者に対する村人の態度など、共感出来ない部分が多かったからかもしれない。

 

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2023.08.01

伊坂幸太郎【逆ソクラテス】

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著者:伊坂幸太郎
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2023/06/20
出版社: 集英社
レーベル: 集英社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-744532-9

デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。

 

6月20日の朝刊に大きく文庫版発行の案内があった。親本は知らなかったなぁ。
さっそくポチる。
そして紹介文にもある通り、「最高の読後感」でたちまち読了してしまった。ワクチン接種で調子が悪く、ダラダラ過ごした日だったからかもしれないが。

5篇の短編とも、小学生が主人公。その時の話と、大きくなってからとをほぼ交互に描いていく。
いつもの伊坂作品のような「途中で読むのが苦しくなる」ところもなく、小学生が大きくなってからの話で謎(?)が解けるという展開も

 

冒頭は、表題作でもある【逆ソクラテス】

現代版「風の又三郎」か!

サッと現れて一陣の風を巻き起こし、サッと消えていく。
悲しい余韻が残った。

 

【スロウではない】は、一番よかった。

前の学校で天狗だった子の、懺悔の気持ちを込めての新しい学校での日々。
しかし自分の力(「スロウではない」こと)をさらす日が来て……。

この子の決意と、最後のどんでん返しが痛快。

【非オプティマス】

これも、クラスで横暴な男子が、最後にギャフンと言わされる話。
大人の世界は、より複雑なのだよ。そしてそれが判るのは、大人になってから。
ある意味、今判ってよかったな!

この後このクラスがどうなるのか見届けたいという意地悪な気持ちが起きるのだが、そこまで書かないのが、伊坂さん流スマートさかも。

【アンスポーツマンライク】

これは、ミニバスケをしていた5人の男子たちと磯憲と呼ばれた教師との交流が爽やかだ。

 

【逆ワシントン】

「正直に」の逆?もあり。

最後の方で、【アンスポーツマンライク】で出てきた遅咲きのJリーガーの活躍が出てくる。テレビ画面という設定だが。
こんなところで、さりげなく繋がっている手法もさすが!

 

当時の担任が病気になっており、それを元受け持った子たちが尋ねる話が二つあるが、担任時期はちがった。
この磯憲という元担任は、伊坂さんの担任だった先生がモデルだとか。

「出典」のところが「あとがき」のようになっていて、本書出版の経緯などうかがえた。
子ども向けというのを、かなり意識していらっしゃったようで、それは編集者との対談にもかなり頻繁に出てきた。

確かにいつもの伊坂さんとは違うが、それでも伊坂さんは伊坂さん。
これからも末永く活躍して頂きますように!

 

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7月の読書メーター

7月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:6789
ナイス数:2274

寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-e4ef77.html
お好きなのは海外の小説が多いので、翻訳本を読み尽くした後は原書で楽しんでおられたようです。
読了日:07月30日 著者:児玉 清


消える密室の殺人~猫探偵 正太郎上京~ 猫探偵正太郎 (光文社文庫)消える密室の殺人~猫探偵 正太郎上京~ 猫探偵正太郎 (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-901051.html
とある雑誌記事に激高した同居人に連れられて東京へ行った正太郎。その晩預けられたところで、猫軍団と協力して密室殺人を解決してしまいます。スゴいな、正太郎。
読了日:07月28日 著者:柴田 よしき


ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-5a6c8b.html
やっぱり、無理でした。
読了日:07月27日 著者:林 真理子


ローウェル骨董店の事件簿 交霊会とソルジャーベア (角川文庫)ローウェル骨董店の事件簿 交霊会とソルジャーベア (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-063511.html
こういう風に、親があからさまに子どもを差別すると、碌な事になりませんね。
読了日:07月26日 著者:椹野 道流


ゆきの山荘の惨劇: 猫探偵正太郎登場 (光文社文庫)ゆきの山荘の惨劇: 猫探偵正太郎登場 (光文社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-626c46.html
本書を読んで正太郎ファンになり、以後シリーズを追いかけています。
読了日:07月24日 著者:柴田 よしき


Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫 Mク 1-2)Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫 Mク 1-2)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-5f5d0b.html
やはり名作です。実際に読んだのはunlimittedで古い訳なので、どうかなと思うところもありました。
読了日:07月22日 著者:エラリー・クイーン


あおぞら町 春子さんの冒険と推理 (コスミック文庫 し し11-1)あおぞら町 春子さんの冒険と推理 (コスミック文庫 し し11-1)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-f24ff7.html
主人公の春子は、プロ野球の妻で元看護師。この春子が探偵役で、夫の拓郎はワトソン。二人とも、とても感じのいい夫婦でした。続編があったらいいのに。
読了日:07月20日 著者:柴田 よしき


稲荷山誠造 明日は晴れか (本のサナギ賞受賞作)稲荷山誠造 明日は晴れか (本のサナギ賞受賞作)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-9b8789.html
思った以上に面白くて、一気読みでした。
読了日:07月19日 著者:香住泰


イーヨくんの結婚生活 (講談社文庫)イーヨくんの結婚生活 (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-a456a4.html
最後の「いやだ!」というセリフが、とても効いていました。
読了日:07月18日 著者:大山 淳子


成熟スイッチ (講談社現代新書)成熟スイッチ (講談社現代新書)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-6b7c77.html
「ビフォー」「アフター」のような表紙絵ですが、印象は変わらず。自慢話が多かったです。
読了日:07月17日 著者:林 真理子


ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫)ありえないほどうるさいオルゴール店 (幻冬舎文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-e5af77.html
オルゴールにまつわる短編集です。漁師の父親と相容れず、東京へ出ていた主人公が、父の法事で帰郷する【ふるさと】と、音楽の才がありながら、素朴な原点に立ち返る【バイエル】が好きだったかな。
読了日:07月14日 著者:瀧羽 麻子


Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-1929f0.html
この4部作を読み直そうと思ったのでした。
読了日:07月12日 著者:エラリー・クイーン


働かないの―れんげ荘物語 (ハルキ文庫)働かないの―れんげ荘物語 (ハルキ文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-c145a4.html
そろそろ老後のことも考えなければと、チラッと思うキョウコです。
読了日:07月10日 著者:群 ようこ


すぐ死ぬんだから (講談社文庫)すぐ死ぬんだから (講談社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-c212c7.html
夫が死んで人生が180度変わってからの「復讐劇」が、痛快でした。
読了日:07月08日 著者:内館 牧子


虹にすわる (幻冬舎文庫 た 45-5)虹にすわる (幻冬舎文庫 た 45-5)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-eccae8.html
こんな椅子に座ってみたいものです。
読了日:07月06日 著者:瀧羽 麻子


ローウェル骨董店の事件簿 (角川文庫)ローウェル骨董店の事件簿 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-0b42b9.html
舞台をわざわざイギリスにしたことに、意味があるのでしょうか?
読了日:07月04日 著者:椹野 道流


妖盗S79号 (河出文庫)妖盗S79号 (河出文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-71afa3.html
やはり最後の「東郷警視の花道」がよかったかな。なんだかんだ言っても、東郷と二宮、二人の掛け合いは面白かったです。それまでの苦労が偲ばれて、ちょっとホロッとしました。
読了日:07月03日 著者:泡坂 妻夫


裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-071c37.html
「爆笑」とはありますが、実際の事件とその判決は、とてもではないが辛い話も多かったのです。
読了日:07月02日 著者:長嶺 超輝


ぱりぱり (実業之日本社文庫)ぱりぱり (実業之日本社文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-d2026d.html
「ぱりぱり」とは、煮干しをかみ砕く音。表紙絵のネコも一緒に幸せになれるのかも。
読了日:07月02日 著者:瀧羽 麻子


ラッシュライフ (新潮文庫)ラッシュライフ (新潮文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/07/post-03eccd.html
再読。色々な立場の人が出てきて、それらが最後にうまく繋がっていきます。
特に老犬がよかったですね。人間が犬にも劣ることをしてはいけないと、無言で教えてくれていました。
読了日:07月02日 著者:伊坂 幸太郎


青い城 (角川文庫)青い城 (角川文庫)感想
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/06/post-d9ef6e.html
一種のシンデレラ物語ですが、ヴァランシーとバーニーが暮らしていたところの自然がとても素晴らしかったのです。
読了日:07月01日 著者:モンゴメリ

読書メーター

 

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甲子園球場の銀傘、アルプス席まで拡張 暑さ対策「観戦環境改善を」

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甲子園球場の銀傘、アルプス席まで拡張 暑さ対策「観戦環境改善を」

これは、必要な措置だと思う。

元々銀傘は、アルプス席まで覆っていたのだとか。
それが太平洋戦争による金属供出のため、すべて取り外されたのだとか。

銀傘そのものは51年に復活して、アルプス席を除く内野席全体を覆う形で新調された。
でも本当に暑い中応援しているアルプス席まで欲しい設備だ。

いつから工事に取りかかるのかはハッキリしないようだが、来年は開場100年を迎えるし、間に合えばいいな。

 

画像は「阪神甲子園球場」(Wikipediaより)

 

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