中山七里【作家刑事毒島】
著者:中山七里
価格:715円
カテゴリ:一般
発売日:2018/10/10
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-42795-2
警視庁捜査一課の新人刑事・高千穂明日香の前に現れた助っ人は、人気ミステリ作家兼刑事技能指導員の毒島真理。冴え渡る推理と鋭い舌鋒で犯人を追い詰めていくが……。
毒島というのは、タイトルにある通り、作家であり現職の刑事である。
ただし文壇関係者には、彼が刑事であることは臥せられている。
しかもこの毒島、著作は結構売れているのだ。
その文壇がらみの色々な事件で、彼は上手な聞き役として真相にたどり着いていく。
【ワナビの心理試験】【編集者は偏狂者】【賞を獲ってはみたものの】【愛讀者】
いずれも作家志望のものや自称評論家の、的を外れた作家への憎悪から生まれた犯罪を取り上げている。
辛口コメントを恨みに思っての犯行が多く、ある意味出版界の不況もうなずける。
解説氏によると、この毒島は著者自身を投映させているのではないかとのこと。
著者については殆ど知らなかった(男性であると初めて知ったくらい)ので、参考になった。
最後の【原作とドラマの間には深くて暗い……】では、放送界の闇がわかる。
よく原作とドラマは別物等というが、今回ほど改竄されたら原作者はたまらないだろう。
原作では男の刑事だったのを女性刑事に置き換えたのなどは、某有名シリーズを思いだして苦笑が浮かぶ。
解説の知念実希人氏が、出版界を野球界にたとえた面白い比較をしていた。
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