朝倉宏景【あめつちのうた】
著者:朝倉宏景
価格:946円
カテゴリ:一般
発売日:2021/07/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-524129-5
土と向き合う。雨を信じる。
そうして、日本最高のグラウンドが生まれる。
甲子園の神整備、「阪神園芸」が小説に!
面白くて一気読みしてしまった。
阪神園芸という、実際に甲子園球場の整備を担っている実名の会社が舞台だ。
高校時代野球部の記録員をしていた雨宮大地は、生まれ故郷の東京を離れて、阪神園芸に就職する。
彼は運動神経が皆無なことから、元高校球児の父親から疎まれ、野球部で活躍する弟しか見ていない父に反発して関西へ来たという動機もある。
その彼が二年目を迎え、隣のロッカーを使う新人に、この一年のことを語るという形を取っている。
元隣の同僚が誰であるかは、先に【雨を待つ あめつちのうた】を読んでいたので見当が付いていた。
グラウンド整備をする内に、大地のプロ意識が芽生えていく。
同期で大学の野球部に進んだ一志。
小学校時代に思い病気をした、ビールの売り子真夏。
そして同僚の長谷。
試合に負けて泣きながら甲子園の砂をすくっている一志に、そっと砂を寄せてくれた整備員が誰であるかは、想像通りだった。
お仕事小説であり、青春小説でもあった。
今日から「全国高等学校野球選手権大会」が、甲子園で始まる。
高校野球の開催期間中、勝ったチームの旗を揚げるのも、ケガ人の担架を用意するのも、阪神園芸の仕事だったというのに、あらためて驚く。
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