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2023.08.01

伊坂幸太郎【逆ソクラテス】

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著者:伊坂幸太郎
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2023/06/20
出版社: 集英社
レーベル: 集英社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-08-744532-9

デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。

 

6月20日の朝刊に大きく文庫版発行の案内があった。親本は知らなかったなぁ。
さっそくポチる。
そして紹介文にもある通り、「最高の読後感」でたちまち読了してしまった。ワクチン接種で調子が悪く、ダラダラ過ごした日だったからかもしれないが。

5篇の短編とも、小学生が主人公。その時の話と、大きくなってからとをほぼ交互に描いていく。
いつもの伊坂作品のような「途中で読むのが苦しくなる」ところもなく、小学生が大きくなってからの話で謎(?)が解けるという展開も

 

冒頭は、表題作でもある【逆ソクラテス】

現代版「風の又三郎」か!

サッと現れて一陣の風を巻き起こし、サッと消えていく。
悲しい余韻が残った。

 

【スロウではない】は、一番よかった。

前の学校で天狗だった子の、懺悔の気持ちを込めての新しい学校での日々。
しかし自分の力(「スロウではない」こと)をさらす日が来て……。

この子の決意と、最後のどんでん返しが痛快。

【非オプティマス】

これも、クラスで横暴な男子が、最後にギャフンと言わされる話。
大人の世界は、より複雑なのだよ。そしてそれが判るのは、大人になってから。
ある意味、今判ってよかったな!

この後このクラスがどうなるのか見届けたいという意地悪な気持ちが起きるのだが、そこまで書かないのが、伊坂さん流スマートさかも。

【アンスポーツマンライク】

これは、ミニバスケをしていた5人の男子たちと磯憲と呼ばれた教師との交流が爽やかだ。

 

【逆ワシントン】

「正直に」の逆?もあり。

最後の方で、【アンスポーツマンライク】で出てきた遅咲きのJリーガーの活躍が出てくる。テレビ画面という設定だが。
こんなところで、さりげなく繋がっている手法もさすが!

 

当時の担任が病気になっており、それを元受け持った子たちが尋ねる話が二つあるが、担任時期はちがった。
この磯憲という元担任は、伊坂さんの担任だった先生がモデルだとか。

「出典」のところが「あとがき」のようになっていて、本書出版の経緯などうかがえた。
子ども向けというのを、かなり意識していらっしゃったようで、それは編集者との対談にもかなり頻繁に出てきた。

確かにいつもの伊坂さんとは違うが、それでも伊坂さんは伊坂さん。
これからも末永く活躍して頂きますように!

 

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