原田マハ【星がひとつほしいとの祈り】
著者:原田マハ
価格:660円
カテゴリ:一般
取扱開始日:2013/09/26
出版社: 実業之日本社
レーベル: 実業之日本社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-408-55145-6
20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。
短編集
目次を見て気になった、【長良川】を読んでみる。
娘とその婚約者と一緒に、長良川の鵜飼いを見に訪れた尭子が、亡き夫と新婚旅行で当地へ来たこと。
前年も、二人で来たことなどを思い出しながら、夫と過ごした日々を思う話。
夫や娘の婚約者の人柄が好ましく、ホット出来る読後感を得た。
冒頭作【椿姫】は、既婚者の恋人の仕打ちに苦しむ香澄を中心に、産婦人科で出会った女子高生のことなどが書かれている。
女子高生を身ごもらせた男子高校生の行動が、今ひとつ解りにくい。
椿の花との関係も、いささか唐突な感があった。
椿は花ごとバサッと散るのを潔いと見るか、縁起悪いと見るか。人さまざまだろうが、ここではそれには触れていない。
雪と椿の対比は美しかっただろうが。
表題作【星がひとつほしいとの祈り】は、拍子抜けした。
上司と不倫関係にあるアラサーのコピーライターが、その上司と共に出張し、そのまま温泉にでも行こうという目論見をはぐらされる。
一人残った彼女は松山に泊まり、結局は一晩の夢を見たのだろう。
その夢に登場した盲目の鍼灸師に「星がひとつほしい」と請われ、詩を書いてみようかと思うまで。
彼女の再生になるか?
【寄り道】は、以前読んだ【ハグとナガラ】ものの一つ。その時にはなかった話だが。
【沈下橋】
たった5年間だけ、義理の母娘として過ごした二人。
窮地に陥った元娘が頼ったのは、その母だった。
これが一番よかったかな。
他に、【斉唱】。
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