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2023.09.01

遠田潤子【雨の中の涙のように】

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著者:遠田潤子
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2023/08/09
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-10003-2

雨の降るいくつもの情景の中で、悶え苦しみながら生きる人々とカリスマを持つ男が邂逅する。哀切と意外性に満ちた連作短編集。

 

一篇ずつは、ごく短い短編集。いずれの話にも雨が関係し、アイドル堀尾葉介が出会った人たちの運命を変えていく。
しかしその殆どの人たちは、平凡に生きることに価値を見いだしていく。

【第一章 垣見五郎兵衛の握手会】

【第二章 だし巻きとマックィーンのアランセーター】

【第三章 ひょうたん池のレッド・オクトーバー】葉介10歳のころ

【第四章 レブリカントとよもぎのおまもり】

【第五章 真空管と女王陛下のカーボーイ】が好きかな。

 誰かに必要とされているから生きていける。でも、誰かに必要とされている人間だって、やはり誰かを必要としているんだ。

猫がもう一人(?)の重要な役割を果たしている。「必要とされている」のだ。

【第六章 炭焼き男とシャワーカーテンリング】

【第七章 ジャック  ダニエルと春の船】

でも、みんないい話だった。これも、葉介効果かな?

だったのだが、

【最終話 美しい人生】だけは、ちょっと苦しかった。

以下、ネタバレあり。

父親が母親を殺して埋めた場所に、自殺願望の母子がいた。葉介は彼女らを救おうとして、危険にさらされる。

ここでは、葉介がずっと「堀尾葉介」を演じてきていたことにも触れられていて、辛くなってくる。

もう少し明るい最後にして欲しかった。いや、窮地を脱して助かるのだから、よかったとも言えるのだが。

 

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