瀧羽麻子【サンティアゴの東 渋谷の西】
著者:瀧羽麻子
価格:704円
カテゴリ:一般
発売日:2019/05/15
出版社: 講談社
レーベル: 講談社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-06-514930-0
切実で誰にも起こりうる人生の重大事。あの一日の出会いが悩みを、不満を哀しみを軽やかになものにしてくれる。前を向いて生きていきたくなる心の栄養六編。
タイトルにあるサンティアゴで始まって、最後の渋谷で終わる色々な場所の、色々な物語。
しかしサンティアゴの東から渋谷の西だと、右回りで大西洋を渡ることにならないのかなと、つまらないことを思ってしまった。
それぞれ、男女の関係が書かれているのだが、その数だけ、それぞれの物語がある。
5篇目の【アントワープの迷子】で登場の、主人公の母親にはイライラしてしまう。
優柔不断な恋人と別れてベルギーへ来た主人公を、追うようにしてやってきた母親。
若い頃は自分も優柔不断だったと明かすが、だから今がいいとは決して言えないような性格だ。
これも、最後の【渋谷で待つ】も、何だか尻切れとんぼのような終わり方で、スッキリしなかった。
冒頭の【サンティアゴの雪】は、小学校時代の級友と、出張先のサンティアゴで偶然出会うというもの。
実は初恋の人だった彼は、悪気無く自分の自慢話ばかりするのだった。
それでも、主人公の思い出の中にある彼の面影はすこしあって、その優しさは伝わってくる。
【瀬戸内海の魔女】も、素直でない、これは老婆の話。
見切りをつけて捨てた故郷が懐かしかったのか?見返したかったのか?
ホテルでアルバイトをしている、いつか島を出たい高校生には、ちと荷の重い課題のようだ。
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