ヘッセ他【教科書名短編 - 少年時代】
著者:ヘッセ・竹西寛子他
価格:770円
カテゴリ:一般
発売日:2016/04/25
出版社: 中央公論新社
レーベル: 中公文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-12-206247-4
ヘッセ、永井龍男から山川方夫、三浦哲郎まで。少年期の苦く切ない記憶、淡い恋情を描いた佳篇を中学教科書から精選。珠玉の12篇。文庫オリジナル。
中学の教科書に採られただけあって、まさに珠玉の掌編集。
いずれも懐かしく思い出せる物語だったが、もう30数年前のこと。当時まだ受講生だった頃に教材として取り上げられた【夏の葬列】(山川方夫著)は、今も忘れることが出来ない一篇だ。
長く訪れることの無かった疎開地に、出張帰りに立ち寄った「わたし」。そこで出会った葬列の写真は、戦争中の苦い思い出を一瞬にして覆してくれるはずのものだったのだが。
より一層罪を感じて、その葬列を見送るしかなかったのだ。
自分のせいで死んだと思い込んでいた少女が、実は助かっていた。それを知ってホッとしたのもつかの間、より真実を知ってしまって絶望する。
これはかなり衝撃的だった。
三浦哲郎の【盆土産】。出稼ぎの父親が土産に持ち帰った「海老フライ」を食した少年の、素直な喜びが心地よかった。
ほかに、
【少年の日の思い出】ヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳)
【胡桃割り】永井龍男
【晩夏】井上靖
【子どもたち】長谷川四郎
【サアカスの馬】安岡章太郎
【童謡/吉行淳之介
【神馬】西寛子
【幼年時代/柏原兵三
【あこがれ】阿部昭
【故郷】魯迅(竹内好訳)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 【くらべて、けみして 校閲部の九重さん】(2025.03.13)
- 【Casa BRUTUS特別編集 器の教科書】(2025.03.11)
- pha【移動時間が好きだ】(2025.03.10)
- 林望【節約を楽しむ あえて今、現金主義の理由】(2025.03.08)
コメント