伽古屋圭市【クロワッサン学習塾】
著者:伽古屋圭市
価格:759円
カテゴリ:一般
発売日:2023/06/07
出版社: 文藝春秋
レーベル: 文春文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-16-792054-8
教員をやめ、小学4年生の息子とふたり、東京から地元に戻った黒羽三吾は、父が営むパン屋で働きはじめる。
三吾は、教師を辞めて実家のパン屋の手伝いをしている。
そこで万引きをする小学生を発見。それが縁で、その子を中心に定休日に塾を開くことにする。基本的な学力の無いその少女に、基礎学力をつけるのが目的だ。
息子の真司も加わって、宿題などしている。
その真司の親友隆之介は、学校で問題が起きたとき、ちょっとした手がかりで事を解決することがあるらしい。
だが、本やマンガも読まず、知識はもっぱらテレビやyoutubeからのようなのと、学校の成績は悪いらしいのがちょっと気になる。
三吾は彼と接している内に、ある可能性に気づく。
このパン屋は、「クロハパン店」と言う。名字の「黒羽」から来ているのだが、三吾と言う名前は「クロワッサン」から来ている。
で、塾の名前も「クロワッサン学習塾」となる。
こうした日常の中で、三吾が教師時代から抱いていた疑問、「何のために勉強するのか」といったことも、少しずつだが生徒にわかって貰おうとしている。言葉を選んで、決して上から押しつけるのではない三吾の姿勢は、とても好もしい。
また、三吾の父康太郎が、いい味を出している。
一つ気になったのは、三吾の妻、真司の母親の話が出てこないこと。
たまに「妻はどうした、こうした」という思い出の中では触れられているが、彼女は亡くなっているのか?読み飛ばしてしまったのか?
再読する必要がありそうだ。
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