佐藤多佳子【黄色い目の魚】
著者:佐藤多佳子
価格:880円
カテゴリ:一般
発売日:2005/10/28
出版社: 新潮社
レーベル: 新潮文庫
利用対象:一般
ISBN:4-10-123734-4
16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。
横浜市の高校生木田と村田みのりが、章ごとに交互に語っていく。
サッカー部の木田は、母が離婚したテッセンの家に来ている。母親からずっと父親の悪口を聞いてきた木田は、突然電話を掛けてきて『子供に会わせて』と言ってきたという冒頭作【りんご】。
そこで木田は、テッセンの書いた画を見る。彼が素描したリンゴを自分も描いてみるが、当然同じようにはいかない。
普段からノートの端にいたずら書きなどしていたのだが、この時初めてちゃんと描きたいと思うようになる。
次の章は村田みのりが登場する【黄色い目の魚】。母の弟である通ちゃんの家で、彼の描く絵やイラストに触れている。
この二人が美術の時間に向かい合わせに座ってお互いの絵を描くことになり……。
二人をとりまく家庭や学校。少しずつ少しずつ、二人の仲が近づいていくのは、読んでいて若干ハラハラドキドキだ。
最後にお互いにかけがえのない存在になるところで終わっていて、ホッとして読み終えることが出来た。
佐藤多佳子さんの青春小説は、いつも気持ちが明るくなる。
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