加納朋子【ささらさや】
著者:加納朋子
価格:628円
カテゴリ:一般
発行年月:2004.4
出版社: 幻冬舎
レーベル: 幻冬舎文庫
利用対象:一般
ISBN:4-344-40504-8
ゴーストになった夫と残された妻サヤの、切なく愛しい日々を描く連作ミステリ小説。
サヤが困った局面に立ったとき、誰かに憑依した夫が助けてくれる。
ありえない設定だが、「夫はいつも自分のそばにいる」と信じているサヤには間違いなく起きることだった。
憑依する対象は、葬儀の時の僧侶(夫の元同級生)だったり、サヤが降り立った駅の駅長だったりする。
それにしても、夫の親族の対応はひどい。赤ん坊を自分たちで引き取るというのだ。
怖くなったサヤは、優しかった叔母が残してくれた家へと逃げる。
そこで出会った人たちの優しさに助けられ、サヤは徐々にしっかりしてくるのだったが……。
このサヤの頼りなさが半端なく、ややイライラするのだが、悪い展開ではなかった。
夫が生前「ばかっサヤ」と言っていたのが気になるが。
老女三人の関わり方も、少し異常な感もあるが、サヤを心配し、赤ん坊を可愛がってくれていることは間違いない。
冒頭と最終章は亡くなった夫の語りで、あとは普通の三人称目線での展開だった。
最後に去って行く(成仏する)夫の心境(幽霊にも心境があるのか?)は、少々切なかったが。
著者の本は久しぶりだったが、こんな感じだったかな?
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