「ひと」それぞれ
過日読んだ小野寺史宣著【ひと】では、主人公聖輔は非常につましい生活を送っている。
父と母を相次いで亡くし、東京で天涯孤独になった境遇。
大学も退学し、アルバイト生活で糊口を凌いでいる。
その聖輔は、配達の途中で偶然、高校の同級生に出会う。
彼女青葉とは、その後少しずつ行動を共にする機会が増えてくる。
しかし青葉が付き合っている高瀬からは、自分の方が青葉に相応しく、あまり近づくなといったことを言われる。
確かに高瀬は良い大学に通っており、金も持っている。
しかし青葉は、例えば車の通っていない信号待ち場所で律儀に信号を守っている人をバカにするような高瀬の態度に、共感出来ないものを抱いている。
不器用でも誠実な聖輔に、だんだん惹かれていっているようである。
聖輔自身は悩むのだったが……。
でも、最後はしっかりと自分を打ち出せてよかったな。
表紙絵も好ましく、また著者の他の本も読みたくなったのだった。
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【ひと】(24.01.22)
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