村木嵐【まいまいつぶろ】
著者:村木嵐
価格:1,980円
カテゴリ:一般
発売日:2023/05/24
出版社: 幻冬舎
利用対象:一般
ISBN:978-4-344-04116-5
第九代将軍・徳川家重を描く落涙必至の傑作歴史小説。
新聞広告で見て、気になっていた。朝日新聞書評欄で「売れてる本」として紹介されているのを見て、読んでみた。
松本清張の短編にあったのとは、どう違うのかも気になっていた。
家重と大岡忠光の、美しい主従愛と言ってしまったら身も蓋もないが、確かに涙なくして読めない。
家重の弱者に対する優しさは、自身障害を負っている身故だけではないだろう。
家重の「口」として生涯を貫いた忠光もあっぱれだったし、事実役職が上がっていっても、権力に奢ったところがなかったという。
だが、物語半ばくらいまでは一気に読ませるが、その後は少しだれてくる気がする。
郡上一揆について触れてあったのもありがたかったが、視点がいろいろブレてきているようにも感じた。
帯には「直木賞候補作」とあったが、【オール読物】の選考を読むと、諸先生方もよく似た感想をお持ちだったようで、「なるほど、候補になっても最終選考に残るには今ひとつパンチが足りなかったのかな」と、妙に納得したのだった。
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