小野寺史宣【まち】
著者:小野寺史宣
価格:792円
カテゴリ:一般
発売日:2022/11/11
出版社: 祥伝社
レーベル: 祥伝社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-396-34853-3
「東京に出ろ。人を守れる人間になれ――」
じいちゃんの言葉に背中を押され、単身上京した僕、江藤瞬一。
孤独な青年が強く優しく成長していく物語。
じいちゃんが東京へ出てきた時に言った
瞬一は、頼る側じゃなく、頼られる側でいろ。(略)お前を頼った人は、お前を助けてもくれるから。たすけてはくれなくても、お前を貶めはしないから
という言葉がしみる。
じいちゃんが東京へ来た二日目。荒川の河川敷で言った言葉だ。
そしてラーメン屋でランチをして、たまに行く喫茶店でコーヒーを飲む。おばあさんがひとりで開けている小さな喫茶店。
そのあとコンビニによって晩ご飯の弁当とおかずを買って帰る。
じいちゃんと一緒に近所に挨拶に行き、ふたりで夕食にする。
この夕食の場面を読んでいて、泣きそうになった。
たった二人残されたものたちの、ささやかな宴。
そして物語は、一段階進む。
東京でたったひとりになった瞬一だが、気がつけば周りには色々な人がいた。
虫退治で親しくなった隣家の母子。
もとアルバイト仲間の望
やさしい大家さん夫婦。
いつまでもアルバイトで暮らしていくのかとやや心配していたが、瞬一はいつの間にか目標を持っていた。
それは一番辛い、だが同じような気持ちになる人を少しでも救いたいという、きっと心の中でずっと抱いていた気持ちだったのかもしれない。
ハードルは高そうだが、希望が持てる終わり方だった。
表紙カバーも【ひと】と同じ人の手になるのか?感じのいい青年が描かれている。
関連記事
【ひと】(24.01.22)
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 月村了衛〔ほか〕【警官の標】(2025.02.19)
- 森博嗣【作家の収支】(2025.02.17)
- 佐々木譲【遥かな夏に】(2025.02.13)
- コマkoma【軍人婿さんと大根嫁さん 2巻】(2025.02.12)
- 江上先輩と火村准教授(2025.02.11)
コメント