中山七里【能面検事】
著者:中山七里
価格:748円
カテゴリ:一般
発売日:2020/12/09
出版社: 光文社
レーベル: 光文社文庫
利用対象:一般
ISBN:978-4-334-79123-0
大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で〈能面〉と呼ばれている。新米事務官の総領美晴と西成ストーカー殺人事件の調べを進めるなかで、容疑者のアリバイを証明し、捜査資料が一部なくなっていることに気付いた。これが大阪府警を揺るがす一大スキャンダルに発展して――。一気読み必至の検察ミステリー!
まさに、一気読みだった。そして途中で、既読だったことに気づく。
舞台が大阪だし、西成署や大正署で証拠品紛失の不祥事のことが書いてあったのは覚えているのに、肝心の(事件)の 中身については、まったく覚えていなかった。
新米の検察事務官総領美春の視点から、物語は進んで行く。
大阪地検のエースと言われている不破だが、本人はいつも表情を一切見せず、「能面」を貫いている。
美春は一生懸命話しかけるのだが、それへの返事もつれない。
もっともすぐ顔に出る美春は、同僚の事務員から「リトマス試験紙」と呼ばれている。
しかし不破自身、若い頃感情が表に出て、結果被疑者にいいようにあしらわれ、あろうことか関係者の一人が殺されるという、苦い過去を持つ。
大阪地検への移動は、左遷だった。
しかし「流儀」と言いながらどの場所へも踏み込んでいく不破に、一切の感傷はない。
その様子は小気味いいし、彼の私生活がどうだとかいったことは、どうでもいいように思われる。
だが美春は、一向に学習しないようだ。
著者の作品は恐いものが多く、しばらく敬遠していた。本作はシリーズもののようなので、続けて読んでいこう。
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