小野寺史宣【みつばの泉ちゃん】
著者:小野寺史宣
価格:1,760円
カテゴリ:一般
発売日:2023/05/17
出版社: ポプラ社
利用対象:一般
ISBN:978-4-591-17787-7
欠点だらけの「泉ちゃん」が巻き起こす、素晴らしき出会いの物語。
著者の作品でお馴染みの「蜜葉市」に住む泉ちゃん。
最初の登場は、祖母の家に引き取られて蜜葉市に暮らし始めた小学生の頃。近所のミニコンビニ「アカシヤ」の長女の目線で描かれている。
ここではごく普通の、かわいい小さな子。ちょうど表紙絵のような。
次は中学生のころ。授業としてのクラブ活動で、小説を書く羽目になっている。
そして従兄弟の目から見た泉。
この辺になると、何だか自分勝手なことを言ってるなと感じる。
しかし長じて洋服店のアルバイトをする頃には、店長も正社員に推薦しようと思うくらいに、チャンと仕事に向き合っていく。
ところが、その積極ぶりが気に入って貰えて付き合いだした恋人とのやりとりは、かなり最低になっていた。
ここで「あれっ?」と思ったのは、蜜葉市の郵便屋さんが登場したこと。
泉は嫌なクレーマーになっている。それが元で、恋人と別れることになるのだが……。
この辺から、帯にあった
もうわかってるの。
自分がいやな人間
だってことも、
ダメな人間
だってことも。
といった感がしてくる。
反省した泉は郵便屋さんを待ち受けてアイスやコーラを渡すようになるのだが……。
こうした場面が、著者の【郵便屋さん】で登場するのだ。
まったく同じ文章で!
他の著者でも、違う作品で同じ人物登場というのはよくあるが、ここまで文章を一緒にするのは初めてお目にかかった。
その後、現在の夫と出会い、泉は幸せになっていくのだが。
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