佐々木譲【廃墟に乞う】
佐々木譲/著
文春文庫 さ43-5
出版社名 文藝春秋
出版年月 2012年1月
ISBNコード 978-4-16-779603-7
税込価格 693円
警察手帳も持たず、拳銃も持てない仙道がどのような捜査をするのか?
アンソロジー【戸惑いの捜査線】中の【弁解すれば】で登場した仙道孝司という刑事に興味を持った。
本書はその仙道が、休職中に出会った事件の数々。
休職中でも(休職中だからか?)、仙道には知人から色々な相談が持ち込まれる。
【オージー好みの村】
偏見と思い込みと。日本人にはやはり外国人へのこうした思いがあるようだ。
【廃墟に乞う】
表題作。医者の指示で、ひなびた温泉宿に逗留中の仙道。そこへ以前一緒に事件を追った先輩から電話が掛かってくる。
船橋で起きた事件が、以前の事件と酷似しているというのだ。以前の事件の犯人は服役し、すでに刑期を終えて出所している。
その逗留地からの帰途、仙崎は先の犯人の生まれ故郷へ寄ってみる。
過酷な生い立ちのその被疑者の育った町は、確かにひどい環境だった。
札幌へ戻っていた被疑者と会うことを、仙道は約束する。
しかし結末は、あまりにも悲しいものだった。
こういう話は、後を引くなぁ。
【兄の思い】は、昔少々世話になった男の依頼で、無実ではないかと思われる被疑者のことを調べることに。
これも、真相が明らかになると辛くなった。
【消えた娘】
こちらも、元同僚から話を聞いた男の依頼。やはり辛い。
あと
【博労沢の殺人】
【復帰する朝】で、仙道はようやく職場復帰できそうな感触をつかむが。
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