佐々木譲【笑う警官】
佐々木譲/著
ハルキ文庫 さ9-11 道警・大通警察署
出版社名 角川春樹事務所
出版年月 2024年2月
ISBNコード 978-4-7584-4606-8
(4-7584-4606-7)
税込価格 770円
警察小説の金字塔、大ベストセラー「道警シリーズ」第1弾、新装版!
このところ、佐々木譲にはまっている。
【警官の血】で圧倒されてその後も何冊か読んできたが、いずれも辛い内容が多く、すこし避けていたこともある。
それが最近【制服警官】や【廃墟に乞う】を読んで、無性に読み続けたくなった。
実際にあった北海道警察の不祥事を下敷きに、道警が大移動を敢行した余波を受け、札幌大通警察署に赴任した刑事たちの話。
市内のアパートで発見された死体は、道警婦警のものだった。
所轄である大通警察署が出向いたのだが、なぞか本部扱いになってしまう。
そして大通警察署の佐伯の同僚津久井が、被疑者として内部の指名手配されてしまう。射撃命令まで出て。
その扱いに納得いかない佐伯は、独自にメンバーを選んで裏操作を始める。津久井とは、ものすごい修羅場をくぐった仲だった。
個性豊かなメンバーたちの活躍が、読んでいてワクワクする。
特に自前のパソコンや交友関係を駆使して地道に資料を集めていく小島の手腕も見どころだ。
佐伯は優秀な指揮官だし、メンバーを適材適所で動かしていく。
やがて上からの命令に疑問を感じた警官たちによる影の協力もあって、事件は思いがけない方向へと進んでいく。
「裏金」という最近よく聞くワードそのものが、真相そのものかもしれない。
上部の隠蔽工作も、どこでもあるのかと変に納得出来る。
本書は「新版」ということで、道警シリーズ最初の一冊がよみがえった。次々と刊行されていくようで、順番に読んでいこう。
関連記事
【制服警官】(24.07.24)
【廃墟に乞う】(24.07.28)
【警官の血】(12.08.24)
関連しない記事
【笑う警官】(19.05.26)
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