« 高田崇史【QED ベイカー街の問題】 | トップページ | 送り火 »

2024.08.15

椰月美智子【昔はおれと同い年だった田中さんとの友情】

Photo_20240810082801

椰月美智子/著
双葉文庫 や-22-05
出版社名 双葉社
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-575-52655-4
(4-575-52655-X)
税込価格 682円

第69回小学館児童出版文化賞受賞作。

 

いい本だった。

小学6年生の拓人は、スケボー好き。同級生の忍や宇太佳といつも遊んでいる。
思い切り遊べる場所がなくて困っている中、新たに見つけた練習場所である神社の前で、管理人の田中さんと出会う。

田中さんがちょっとスケボーに乗ってみたのだが、滑って転んで右手を骨折してしまった。

母親に叱られた拓人は、あとの二人と一緒に不自由な田中さんを助けるために、毎日神社に行くことになる。

境内の落ち葉拾いから始まって、部屋の掃除などしていく内に田中さんとはどんどん親しくなり、田中さんの小学時代の思い出を聞くことになる。

拓人と同じ小6の時、田中さんは空襲で母と妹を失っていた。父と兄はすでに戦死していて、田中さんは12歳にして天涯孤独の身の上になったのだった。

お寺の好意で成長した田中さんは、神社の管理人をして生活している。

色々話を聞くうちに、3人は田中さんの話をクラスメートやもっとたくさんの人に聞いてほしいと思うようになる。

ここからが、グングン読ませる。

成績がいいわけでも無く「シラケ組」だった彼らが、精一杯取り組んでいく様子が生き生きと描かれている。

 

|

« 高田崇史【QED ベイカー街の問題】 | トップページ | 送り火 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 高田崇史【QED ベイカー街の問題】 | トップページ | 送り火 »