森博嗣【有限と微小のパン】
講談社文庫
森博嗣/〔著〕
出版社名 講談社
出版年月 2001年11月
ISBNコード 978-4-06-273294-9
(4-06-273294-7)
税込価格 1,430円
日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。
レビューは残していないが、本書も20年ぶりの再読。
内容はまったく覚えていないのだが、一番肝心なオチだけは印象に残っている。
真賀田四季の正体(あるいは世を忍ぶ仮の姿?)が「隣のおばちゃん」だったことに衝撃を受けたのだった。
それが頭にあるものだから、「彼女はその場所にいるのね」という思いが常に去来していたことは間違いない。
「天才プログラマー」とか「青い瞳」とか言っても、その天才が団地の片隅で小さな机を前に犀川たちを翻弄している図には、何だかガッカリしてしまうのだ。
もう一点、今回は萌絵の暴走もなく、3人の女子大生の旅行としてみると、それなりに楽しい。
だがテーマパークの社長の計画は、いかにお金があるとはいえ、感心したものでは無い。
これは、自分的には本書のマイナス点だった。
もう一つ
本書出版当時は夢の話だったこと――例えばVR(ヴァーチャルリアリティ)など――も、今ではほぼ実現している。
だからその説明語なども、さして難しいと思わずに理解できた。
この四半世紀のパソコン関連の進化は、まことに著しい。
まだ書いてないものもあるが、本書で一応「S&Mシリーズ」は終わりになる。
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