三浦哲郎【忍ぶ川】
改版
新潮文庫 み-6-1
三浦哲郎/著
出版社名 新潮社
出版年月 2016年3月
ISBNコード 978-4-10-113501-4
(4-10-113501-0)
税込価格 880円
読むたびに心の中を清冽な水が流れるような甘美な流露感をたたえた芥川賞受賞作である。
今回読もうと思ったきっかけが何だったか……。
主人公については、著者ご自身の家庭環境が投映されているようだ。その「私」と対照的な妻志乃の明るさに救われる。
短編集で、表題作【忍ぶ川】と【初夜】は連作。そのあとの【帰郷】【團欒】【恥の譜】も、続編と思われる。
何より、青森の自然の厳しさに打たれる。志乃を始めて伴って帰郷した際の、母の歓迎ぶりが美しい。その後の志乃のひたむきさにも惹かれる。
映画化にあたって一騒動あったのではなかったか。自分の中では加藤剛さん主演だったと覚えているが、観てはいない。
加藤剛さん、自分にとっては理想的な俳優さんだったな。
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