月村了衛〔ほか〕【警官の標】
朝日文庫 け3-1 警察小説アンソロジー
月村了衛/〔ほか〕著
出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2025年2月
ISBNコード 978-4-02-265187-7
(4-02-265187-3)
税込価格 990円
すべて書籍初収録の警察短編小説アンソロジー。《解説・若林 踏》
冒頭作【ありふれた災厄】は、警官の話というよりは元国家公安委員長が警官に職質されて憤り、さらに心証を悪くしていくというもの。今は落選していて無職なのだが、元のネームにしがみついている醜さを描いている。
次の【破談屋】は面白かった。同僚の結婚前の身辺調査をもっぱらの仕事にしている婦人警官の話。
著者は【探偵は女手ひとつ】の深町秋生で、相変わらず山形弁が楽しかった。
【鬼火】は、さすが鳴神響一。冒頭の話がどこへ繋がるのかが最後まで解らなかった。
一方で、優秀な女性警官の観点がみものでもあった。
しかし果たして、正義を暴いたのが正解だったのかどうか?勿論殺人は究極の犯罪ではあるが……。
など、ちょっと変わった視点からのものが多く、いずれも楽しめた。
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